第４２期棋王戦５番勝負/第１局「千田六段、激戦制し白星発進」
５連覇を目指す渡辺明棋王に
千田翔太六段が挑戦する、第４２期棋王戦５番勝負。
将棋界の「年度末の風物詩」が
本日、静岡県焼津市「焼津グランドホテル」にて
開幕の時を迎えました。。
振り駒で決まる開幕戦の手番で
幸先良く先手を得たのは、千田六段でした。。
２手目△８四歩。
上図での持ち駒
▲千田六段： なし
△渡辺棋王： なし
千田六段の初手は意表の▲７八金。
角道を開ける▲７六歩、飛車先を突く▲２六歩が
一般的な初手でいきなり、後手に手番を渡します。。
しかし、意表の初手は想定の範囲内だったか
渡辺棋王は動じることなく、2手目△８四歩とノータイムで
飛車先の歩を突き、居飛車を明示し対局はスタート。。
５手目▲２六歩。
上図での持ち駒
▲千田六段： なし
△渡辺棋王： なし
千田六段が角道に続き（３手目▲７六歩）
飛車先の歩を突いた、上図から次の手が
後手の作戦の分かれ道。。
△３四歩と角道を開けば「横歩取り」
△８五歩と飛車先を決めれば「角換わり」が
それぞれ濃厚となりますが。。
６手目△８五歩。
上図での持ち駒
▲千田六段： なし
△渡辺棋王： なし
渡辺棋王は２分の少考の後
飛車先の歩を伸ばし、「角換わり」を指向しました。。
１０手目△７七角成。
上図での持ち駒
▲千田六段： なし
△渡辺棋王： 角
千田六段も「角換わり」に文句なし。
そのまま定跡手順の進行となり、上図の局面で
渡辺棋王から手損のない角交換が敢行されました。。
２１手目▲３七桂。
上図での持ち駒
▲千田六段： 角
△渡辺棋王： 角
角交換成立後
渡辺棋王は銀を中央に繰り出す構えをみせますが
千田六段は右の銀を自陣二段目に留めたまま
方針を明かすことなく駒組みを進行。。
先手が桂馬を跳ねた
上図から次に、渡辺棋王は。。
２２手目△４ニ玉。
上図での持ち駒
▲千田六段： 角
△渡辺棋王： 角
ここもノータイムで
居玉を解除し、玉を４二の地点に上げました。
上図での持ち駒
▲千田六段： 角
△渡辺棋王： 角
千田六段は上図で囲いが完成。
「▲６八玉＋４八金＋２九飛」型に構えます。。
３２手目△６ニ金。
上図での持ち駒
▲千田六段： 角
△渡辺棋王： 角
一方の渡辺棋王も上図で囲いが完成。
先手の陣形をリバースする形で、最新形である
「△４ニ玉＋６ニ金＋８一飛」型に構えました。。
３５手目▲４六角。
上図での持ち駒
▲千田六段： なし
△渡辺棋王： 角
互いに自陣の駒組みが完成すると
千田六段は位を取った４筋へ、手持ちの角を投入。
先に形を決めました。。
３８手目△６四角。
上図での持ち駒
▲千田六段： なし
△渡辺棋王： なし
渡辺棋王もほどなくして角を投入。
「角には角」の合わせで交換を迫ると
千田六段はすぐさま応じて（３９手目▲同角）
二度目の角交換が成立しますが。。
４１手目▲４六角。
上図での持ち駒
▲千田六段： なし
△渡辺棋王： 角
渡辺棋王の△同銀（４０手目）をみて
千田六段はすかさず４六の地点に角を再投入。。
好位置をキープし、攻撃の基点とします。。
４５手目▲３五歩。
上図での持ち駒
▲千田六段： なし
△渡辺棋王： 角
午前の対局は上図４５手目まで進行。
右の桂馬を戦場に跳躍した（４３手目▲２五桂）
千田六段が３筋の歩を突き合わせた局面で
お昼休憩突入となりました。。
【 お昼のメニュー 】
両者ともに「松花堂弁当」。
４８手目△５ニ玉。
上図での持ち駒
▲千田六段： 歩
△渡辺棋王： 角、歩
午後の対局開始の一手で
渡辺棋王が△同歩（４６手目）と応じると
千田六段は手に乗り角を３筋に迫り出しました。。
（４７手目▲３五角）
この手をみて、渡辺棋王は
手損覚悟で４筋に構えた玉を５筋に移動。。
すると千田六段は。。
４９手目▲５九飛。
上図での持ち駒
▲千田六段： 歩
△渡辺棋王： 角、歩
飛車も３筋へと移動させ、力を溜めます。。
５４手目△２八角。
上図での持ち駒
▲千田六段： 歩
△渡辺棋王： 歩
渡辺棋王の反撃は角の打ちこみから。。
１時間２３分の大長考の末、千田飛車目掛けて
敵陣に角を投入します。。
５７手目▲４六角。
上図での持ち駒
▲千田六段： 歩
△渡辺棋王： 歩
千田六段が飛車を５筋に逃がすと
渡辺棋王は機敏に角を引いて馬を作ります。
（５６手目△６四角成）
すると今度は
千田六段が「角には角」を合わせますが、以下
△６ニ玉～▲６四角～△同銀～▲３九飛～△３三歩に
▲９五歩をみて、下図６４手目△５ニ玉と進行。。
６４手目△５ニ玉。
上図での持ち駒
▲千田六段： 角、歩
△渡辺棋王： 角
千田六段からの角交換が成立すると
受けに回った渡辺棋王は玉を左右に行ったり来たり。。
囲いを決めずに間合いを計ります。。
６８手目△５三金左。
上図での持ち駒
▲千田六段： 歩
△渡辺棋王： 角
その後、両者は自陣のリフォームに取り掛かり
千田六段は角を自陣５筋へと打ち込んでから
手堅く玉の入城を完了（６７手目▲８八玉）。
すると、渡辺棋王は玉の住みか５筋に据えて
その上に守りの要である金を乗せました。。
すると、次の瞬間。。
６９手目▲１五歩。
上図での持ち駒
▲千田六段： 歩
△渡辺棋王： 角
千田六段は１筋の端歩を突き合わせ
盤上にいざ、開戦を告げました。。
７９手目▲１三桂成。
上図での持ち駒
▲千田六段： なし
△渡辺棋王： 角、歩３
後手の１筋を崩した
千田六段は桂馬の成り込みから追撃。。
渡辺棋王は△同桂（８０手目）と払い、以下
▲同角成に△８四桂～▲７七金～△８五歩～▲９七銀～
△９四歩をみて、下図８７手目▲３三飛成と進行。。
８７手目▲３三飛成。
上図での持ち駒
▲千田六段： 桂、歩
△渡辺棋王： 角、歩２
渡辺棋王も自らの飛車先を絡めて反撃しますが
千田六段はいち早く、飛車の成り込みに成功。。
攻防の主導権を握ります。。
１１３手目▲３一馬。
上図での持ち駒
▲千田六段： 歩３
△渡辺棋王： 角、歩２
渡辺棋王は８筋を中心に攻め込みますが
千田六段は片腹の開いた後手玉目掛けて
馬と龍がヒタヒタとにじり寄ります。。
が、しかし。。
１３０手目△７五銀。
上図での持ち駒
▲千田六段： 金、歩３
△渡辺棋王： 角２、銀、歩３
形勢を損ねたかに思われた
渡辺棋王はここから攻守に底力を発揮。。
先手に決め手を与えず、玉の上部脱出を見据えます。。
が、しかし。。しかし
１３９手目▲６一銀。
上図での持ち駒
▲千田六段： 歩４
△渡辺棋王： 角、金、歩４
何としても開幕戦白星で弾みをつけたい
千田六段も形勢を逃してなるかと、激しく追い込み
終盤戦は手に汗握り大熱戦となりました。。
【 投了図・１５７手目▲６三金 】
投了図での持ち駒
▲千田六段： 歩４
△渡辺棋王： 角、金、歩４
激戦を最後にものにしたのは、千田六段でした。
渡辺棋王の寄せをギリギリ凌いで反撃に出ると
上図の局面をみて渡辺竜王は無念の投了。。
千田六段が死闘を制し
見事、開幕戦白星発進を決めました。。
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久保九段、渡辺竜王の将棋に凄味。。
谷川俊昭と仲間たち、署名活動スタート
素敵な翻訳者様に感謝感激
羽生三冠の奥様のツイートを拝読して
色気より、“確信”を持って。。