第75期A級順位戦/5回戦「羽生三冠-渡辺竜王はゴキゲン中飛車銀対抗」
第75期順位戦の最高峰・A級の5回戦
「羽生善治三冠-渡辺明竜王」の頂上対決は
羽生三冠が先手。。
2手目△3四歩。
上図での持ち駒
▲羽生三冠: なし
△渡辺竜王: なし
羽生三冠の初手は飛車先を突く▲2六歩。
対します、渡辺竜王は2手目に角道を開ける
△3四歩と返して、対局はスタート。。
続く3手目に
羽生三冠が▲7六歩として角道を開くと。。
4手目△5四歩。
上図での持ち駒
▲羽生三冠: なし
△渡辺竜王: なし
渡辺竜王は4手目に、中央5筋の歩を突いて
振り飛車投入を示唆しました。。
この手をみて
羽生三冠は飛車先を決め(5手目▲2五歩)
後手に△3三角の受けを強要しますが。。
6手目△5ニ飛。
上図での持ち駒
▲羽生三冠: なし
△渡辺竜王: なし
渡辺竜王は角には手をつけず
先に飛車を動かし、5筋に構えました。。
10手目△3三角。
上図での持ち駒
▲羽生三冠: なし
△渡辺竜王: なし
渡辺竜王は次に
飛車先5筋の位を取ってから、角を動かし
後手番の主戦に据える「ゴキゲン中飛車」を投入。
本局は振り飛車で勝利を目指します。
13手目▲4六銀。
上図での持ち駒
▲羽生三冠: なし
△渡辺竜王: なし
後手の作戦をみて、羽生三冠は
玉を6筋に留めたまま右の銀を足早に繰り上げる
「ゴキ中」対策の決定版「超速△3七銀」を採用。。
16手目△4四銀。
上図での持ち駒
▲羽生三冠: なし
△渡辺竜王: なし
羽生三冠が銀を4筋の戦場に構えると
渡辺竜王も先手に連動する形で銀を繰り出し
「銀対抗」型となりました。。
20手目△7ニ銀。
上図での持ち駒
▲羽生三冠: なし
△渡辺竜王: なし
飛車と銀のポジションが決まると
両者は息を合わせて玉の囲いを目指しますが
渡辺竜王が「美濃囲い」を築いた上図の局面で
羽生三冠は手を止め長考へ。。
58分、考え続けたところで正午12時を迎え
午前の対局は終了、お昼休憩突入となりました。。
【 お昼のオーダー 】
羽生三冠: なべ焼きうどん
渡辺竜王:牛肉と野菜の中華風すき焼き
午後に対局開始時刻(12時40分)となっても
羽生三冠はすぐには指さずにさらに長考を重ね
慎重に読みを入れ直します。。
21手目▲7七銀。
上図での持ち駒
▲羽生三冠: なし
△渡辺竜王: なし
午前とあわせて1時間1分の長考の末
羽生三冠は7筋から左の銀も戦場へと繰り出す
攻撃的な構えをみせました。。
この手に対し
渡辺竜王は6筋の歩を突き(22手目△6四歩)
自陣を膨らませると。。
24手目△6三銀。
上図での持ち駒
▲羽生三冠: なし
△渡辺竜王: なし
羽生三冠が
右の桂馬を跳ねたのをみて(23手目▲3七桂)
築いたばかりの「美濃囲い」を崩し、銀を6筋の
玉の頭上に乗せました。。
すると、次の瞬間。。
25手目▲4五銀。
上図での持ち駒
▲羽生三冠: なし
△渡辺竜王: なし
羽生三冠は
右銀を突き出し強く銀交換を迫りました。。
26手目△1五角。
上図での持ち駒
▲羽生三冠: なし
△渡辺竜王: なし
まだ前例のある進行を踏襲。。
すぐの銀交換は先手有利と言われており
渡辺竜王はまず、角を1筋へと迫り出して
先手の桂馬に当てました。。
28手目△4五銀。
上図での持ち駒
▲羽生三冠: なし
△渡辺竜王: 銀
羽生三冠が△3八金(27手目)として
桂馬にヒモをつけたのをみてから、渡辺竜王は
38分の考慮の後、銀交換を敢行。。
羽生三冠は▲同桂(29手目)で銀を捕獲して
以下、△7ニ玉~▲6八銀~△3七銀~▲1八飛に
△3八銀不成下図35手目▲同飛と進行。。
35手目▲3八同飛。
上図での持ち駒
▲羽生三冠: 銀2
△渡辺竜王: 金
銀交換成立後
双方、玉の囲いにひと手間かけてから
渡辺竜王は手持ちの銀を回転させて金に換えます。。
40手目△2七金。
上図での持ち駒
▲羽生三冠: 銀2
△渡辺竜王: 歩
2筋で突き捨てたのに続けて
羽生三冠は飛車先3筋でも歩を突き合わせ
テンポ良く仕掛けますが(39手目▲3五歩)
渡辺竜王は同歩とは応じず、ここで金を投入。。
角とのコンビで羽生飛車の捕獲に乗り出した
上図の局面で、夜戦に備えて40分の夕食休憩に
突入となりました。。
【 夕食のオーダー 】
羽生三冠: 五目炒飯
渡辺竜王: 天津丼
形勢は互角ながら
手番を握った渡辺竜王の構想に注目が集まる
夕食休憩明けの攻防は必見であります。。
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こちらもいよいよ本日、大一番!