第74期B級1組順位戦/11回戦「橋本八段-稲葉七段は力比べのねじり合いへ」
2手目△3四歩。
上図での持ち駒
▲橋本八段: なし
△稲葉七段: なし
本日行われてます「鬼の棲みか」
第74期B級1組順位戦/11回戦一斉対局。
今回はその中から、注目の一戦
「稲葉陽七段-橋本祟載八段」の模様を
ご紹介させていただきます。。
先手は橋本八段。
その初手▲7六歩に対して、稲葉七段も
2手目に同じく角道を開ける△3四歩と返して
対局はスタートとなりました。
6手目△8五歩。
上図での持ち駒
▲橋本八段: なし
△稲葉七段: なし
次に両者は息を合わせて飛車先の歩を伸ばし
稲葉七段が誘導する形で「横歩取り」を目指す
序盤の出だしをみせます。。
14手目△8六同飛。
上図での持ち駒
▲橋本八段: 歩2
△稲葉七段: 歩2
そのまま定跡手順の進行となり
互いに角頭を金で受けてから、先手に続けて
後手も飛車先で歩を交換すると。。
15手目▲3四同飛。
上図での持ち駒
▲橋本八段: 歩3
△稲葉七段: 歩2
次に、橋本八段が
2筋に浮いた飛車でお隣り3筋の歩をかすめとり
戦型は「横歩取り」に決定。。
稲葉七段は3筋に回った先手の飛車先を
角で受けました(16手目△3三角)。。
23手目▲5八玉。
上図での持ち駒
▲橋本八段: 歩2
△稲葉七段: 歩2
飛車を8四の地点に引いた
稲葉七段が玉を立てると(22手目△5二玉)
橋本八段もこれに追随し、「相中住まい」模様に。。
28手目△9五歩。
上図での持ち駒
▲橋本八段: 歩2
△稲葉七段: 歩2
オーソドックスに「金開き」に構えた橋本八段に対し
自陣の右側に「美濃囲い」を築く最新形を投入した
稲葉七段は飛車交換を視野に入れる△2三銀とは
せずに、9筋の位を確保する趣向をみせます。。
この手みて
橋本八段が3筋の歩を突くと(29手目▲3六歩)。。
30手目△8六歩。
上図での持ち駒
▲橋本八段: 歩2
△稲葉七段: 歩
稲葉七段は飛車先8筋の歩を突き合わせ
後手番ながらも先に仕掛けを開始しました。。
以下、▲同歩~△同飛に
橋本八段は▲3五歩(33手目)として
飛車の横利きを通し、7筋の歩に守りますが。。
次の瞬間
34手目▲8八飛成。
上図での持ち駒
▲橋本八段: 歩3
△稲葉七段: 角、歩2
通常では飛車を一先ず引くことの多い局面で
稲葉七段は構うことなく、飛車を突進させ角を強襲。。
激しい変化とハメ手筋の宝庫である
「横歩取り」らしく、稲葉七段には事前に準備された
研究手がありそうです。。
36手目△5五角。
上図での持ち駒
▲橋本八段: 飛、歩3
△稲葉七段: 歩2
橋本八段が飛び込んできた飛車を銀で払うと
稲葉七段は手にしたばかりの角をノータイムで
天王山・5五の位に打ち込んだ、上図の局面で
午前の対局は終了となり、お昼休憩に突入。。
【 お昼のオーダー 】
両者ともになし。
本局の舞台は稲葉七段のホームとなります
関西将棋会館にて行われています。。
37手目▲8三歩。
上図での持ち駒
▲橋本八段: 飛、歩2
△稲葉七段: 歩2
橋本八段は午後の対局開始の一手で
香取りのかかっている後手の角は受けずに
8筋に歩を垂らし、味をつけました。。
この手をみて、稲葉七段は。。
38手目△8八角成。
上図での持ち駒
▲橋本八段: 飛、歩2
△稲葉七段: 銀、歩2
1時間18分の長考の末
銀との刺し違いで角を8筋へ飛び込ませました。。
上図から、以下
▲同金~△同角成~▲8二歩成~△9九馬に
下図43手目▲8四歩と進行。。
43手目▲8四歩。
上図での持ち駒
▲橋本八段: 飛、角、歩
△稲葉七段: 金、銀、香、歩2
積極的にアクセルを踏み込み
力勝負を求める稲葉七段に対して
こうした展開は嫌いではない、橋本八段は
事前に味をつけた8筋から後手陣に進攻。。
上図では取れる銀をすぐには取らずに
いやらしくもう一枚の歩を8筋上空に垂らします。。
45手目▲4六飛。
上図での持ち駒
▲橋本八段: 飛、角、歩
△稲葉七段: 金、銀、香、歩
次に、稲葉七段が2筋に浮いた先手飛車の
頭上を叩くと(44手目△2五歩)、橋本八段は
1時間14分の長考の後、飛車を4筋へと移動。。
この局面で稲葉七段が長考に入り
そのまま夜戦に備えて夕食休憩に突入しました。。
形勢は互角ですが
先手の狙いは△7二「と」金~▲同金~△8三歩成と
明快にして痛打。。その前に後手は手を作りたいですが
△8九馬と桂馬を取る手が果たして響いているのか。。
ならば△5五馬と引いて先手の飛車に当てるか
もしくは、持ち駒を何か活用するか。。
難解にして悩ましい局面で、一旦ブレイク。。
夕食休憩明けからのねじり合いが見ものであります。
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