本日は第74期A級順位戦/6回戦「首位独走中・佐藤八段登場」 | 柔らかい手~個人的将棋ブログ

本日は第74期A級順位戦/6回戦「首位独走中・佐藤八段登場」

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第74期A級順位戦対戦表


本日の将棋界では

第74期順位戦のうち最高峰・A級で

6回戦が二局行われています。。


2


2手目△3四歩。


上図での持ち駒


▲深浦九段: なし

△佐藤八段: なし


今回はその中から

「深浦康市九段-佐藤天彦八段」の模様を

ご紹介させていただきます。。


先手は深浦九段。

その初手は飛車先を突く▲2六歩から。

佐藤八段は2手目に角道を開ける△3四歩と返し

注目の対局はスタートとなりました。。


深浦九段の今期ここまでの成績は

31戦17勝14敗(.548)。順位戦は1勝4敗。


現代将棋界を代表する居飛車の本格正統派で

今期は銀河戦に優勝、将棋日本シリーズで準優勝。

持ち時間の短い棋戦で結果を残します。


しかし、順位戦では黒星先行と苦しい星勘定に。。

本局を含めて残り4戦はA級残留に向け一戦必勝。

まずは景気づけに、現在首位に立つ佐藤八段から

白星奪取を狙います。。


対します、佐藤八段の今期ここまでの成績は

44戦34勝10敗(.773)。対局数、勝利数は

全棋士中トップ 。勝率も同2位と好成績を残します。


順位戦は開幕から無傷の5連勝中。

2位に星2つの差をつけ、優勝へ独走態勢を築き

レース後半戦を迎えました。


今期は自身初となるタイトル挑戦 も果たし

大いなる飛躍を遂げた充実のシーズンを過ごします。



5

5手目▲7六歩。


上図での持ち駒


▲深浦九段: なし

△佐藤八段: なし


佐藤八段の十八番「横歩取り」を警戒する

深浦九段は3手目▲2五歩に飛車先を決めて

後手に△3三角の受けを強要してから

角道を開きました。。


この手に対して、佐藤八段は。。



6


6手目△2二銀。


上図での持ち駒


▲深浦九段: なし

△佐藤八段: なし


銀を2筋に繰り上げ「角換わり」に備えます。。


9

9手目▲3三角成。


上図での持ち駒


▲深浦九段: 角

△佐藤八段: なし



相手を作戦に上手くハメる

序盤の緻密な作戦家としても知られる深浦九段は

佐藤八段が飛車先の歩を突いた(8手目△8四歩)

次の瞬間、角交換を敢行。。




15


15手目▲4七銀。


上図での持ち駒


▲深浦九段: 角

△佐藤八段: 角


角交換成立後

深浦九段は挑発的に8筋をがら空きにして

駒組みを進行。右の銀の中央進出を目指します。



23


23手目▲5六銀。


上図での持ち駒


▲深浦九段: 角

△佐藤八段: 角


上図の局面で深浦九段は

銀を5筋に繰り出し「腰掛銀」構えました。。



24


24手目△5四銀。


上図での持ち駒


▲深浦九段: 角

△佐藤八段: 角


すると、佐藤八段も続けて銀を5筋に構え

戦型は「角換わり相腰掛銀」となりました。。



37


37手目▲7七銀。


上図での持ち駒


▲深浦九段: 角

△佐藤九段: 角


深浦九段が注文をつけた序盤の出だしから

駒組みが進むに連れて「先後同形」模様へと進行。


先手が銀を7筋に繰り上げた上図の局面で

午前の対局は終了となり、お昼休憩に突入。。


【 お昼のオーダー 】


深浦九段: なし

佐藤八段: にぎり寿司(上)



気になる両者の対戦成績は

ここまで3戦して、深浦九段の2勝1敗。


今期は1勝1敗と五分の星ですが

銀河戦/決勝 で敗れている佐藤八段にとっては

プレステージ・A級でその雪辱を果たしたいところ。。


次に△9四歩と突けば「先後同形」となる

午後の対局開始の一手で、佐藤八段は。。



38


38手目△6五歩。


上図での持ち駒


▲深浦九段: 角

△佐藤八段: 角


6筋の歩を突き合わせ、同形を拒否。

先に仕掛けを開始しました。。


深浦九段は▲同歩(39手目)と応じて

以下、△同桂~▲6六銀~△3五歩~▲2四歩~

△同歩に下図45手目▲6五銀右と進行。。



45

45手目▲6五銀右。


上図での持ち駒


▲深浦九段: 角、桂、歩

△佐藤八段: 角、歩2


先手が前掛かりとなった反動を利用して

深浦九段は機敏に銀を前方へに繰り出し

そのまま開戦へと導きました。。



51


51手目▲3四歩。


上図での持ち駒


▲深浦九段: 角、銀、桂

△佐藤八段: 角、銀、桂、歩3


直後に銀交換を成立させた

深浦九段は右の桂馬をタダ捨てしてから

握った手番で3筋でむき出しになった

後手の銀の頭上を歩で叩きます。。


佐藤八段が△同銀(52手目)と応じると。。




53


53手目▲5五角。


上図での持ち駒


▲深浦九段: 銀、桂

△佐藤八段: 角、銀、桂、歩4


天王山5筋の位に狙いすました角の打ちこみ。

飛車・香両取りを仕掛けながら自陣をも睨み

策士・深浦九段が躍動します。。



57


57手目▲6三歩。


上図での持ち駒


▲深浦九段: 銀、桂

△佐藤八段: 角、桂、歩4


佐藤八段が飛車を

6筋に逃がしたのをみて(54手目△6二飛)

深浦九段は自軍の飛車を前進させた上で

佐藤飛車に狙いをつけました。


佐藤八段は△同飛(58手目)と応じて

以下、▲7四銀~△6二飛~▲2九飛に

下図62手目△3八角と進行。。



62


62手目△3八角。


上図での持ち駒


▲深浦九段: 銀、桂、歩

△佐藤八段: 桂、歩5


ここまで受けに回った佐藤八段が

満を持して、手持ちの角を先手陣に投入。。


反撃の意思を示した上図の局面で

夜戦に備えて夕食休憩突入となりました。。



形勢は互角に思いますが

受けが自慢の佐藤八段にとっては手に慣れた

悪くない展開にも感じられます。。


将棋界屈指の終盤力を誇る両者の

夕食休憩明けからのねじり合いが楽しみです。。



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