第39期棋王戦・本戦/2回戦「三番勝負は丸山九段、貫禄の勝ち越し」 | 柔らかい手~個人的将棋ブログ

第39期棋王戦・本戦/2回戦「三番勝負は丸山九段、貫禄の勝ち越し」

今朝のエントリー でもご紹介させていただきました通り

本日は第61期王座戦挑戦者決定トーナメント/準決勝

注目の「渡辺明三冠-郷田真隆九段」が行われています。


振り駒の結果

先手は郷田九段。戦型は「横歩取り」となりました。



さて、昨日の将棋界では

「渡辺三冠-郷田九段」ほどではないにせよ、ここ最近

立て続けに顔を合わせている、大物棋士同士の三番勝負に

ついに決着がつきました。。




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そのカードとは

「丸山忠久九段-橋本祟載八段」


両者はまず

5月2日に行われた第26期竜王戦ランキング戦1組の

4位決定戦/1回戦で対戦。



【 投了図・108手目△7六銀 】



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投了図での持ち駒


▲橋本八段: 桂、歩4

△丸山九段: 金、銀3、桂、歩



その時は、超力戦を制して

上図108手までで後手・丸山九段が勝利。。



今期二度目の対戦は

今月6日に行われました第72期B級1組順位戦の

大事な開幕戦での顔合わせ。



【 投了図・131手目▲5二角 】



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投了図での持ち駒


▲橋本八段: 桂2、香、歩2

△丸山九段: 歩5



この時も先手だった橋本八段が

「ゴキゲン中飛車」から穴熊に玉を潜らせて

万全の構えを築いてから、端に強烈な三段ロケットをセット。。


持ち時間も使い果たした、午前1時2分。

丸山九段は上図131手目の局面で、無念の投了。。



橋本八段が竜王戦ランキング戦の借りを返し

A級陥落からの出直しとなる順位戦で白星発進 を飾りました。




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3手目▲6六歩。


上図での持ち駒


▲橋本八段: なし

△丸山九段: なし



そして昨日行われた

第39期棋王戦挑戦者決定トーナメント /2回戦を舞台に

両者の今期三度目の対戦は、またしても橋本八段が先手。


初手から▲7六歩~△3四歩~▲6六歩~と進行し

橋本八段は再び振り飛車を示唆します。。





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7手目▲7五歩。


上図での持ち駒


▲橋本八段: なし

△丸山九段: なし


三度、得意の「角換わり」を封じられた

丸山九段が居飛車に構えると、橋本八段は飛車を

7筋へと振り、「石田流」を目指します。。




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33手目▲9七角。


上図での持ち駒


▲橋本八段: なし

△丸山九段: なし


玉を「美濃囲い」に納めた橋本八段は

飛車と角、桂馬が連動する「石田流」おなじみの

美しい模様を自陣の左辺で描き出しました。。



一方、丸山九段も堅く「銀冠」に。。。




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41手目▲5三桂成。


上図での持ち駒


▲橋本八段: 歩2

△丸山九段: 歩2


先に仕掛けたのは橋本八段。

左の桂馬が角のラインと交差する5三の地点へと

飛び込みました。

丸山九段は次の手でこの成桂を払わず

9九の香車めがけて角が飛び込み、負けじと攻撃開始。。

(42手目△9九角成)




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63手目▲6一龍。


上図での持ち駒


▲橋本八段: 金、歩3

△丸山九段: 桂、香、歩2



丸山九段は

成り込んだ馬をさっと引き戻し(46手目△3三馬)

自陣を引き締め、間合いを計ります。


一方、橋本八段も角を成り込ませてから

電車道で飛車を走らせ龍を作り、攻撃を加速。。


この辺りの攻防は

橋本八段、押せ押せに見えましたが。。



橋本八段はさらに

丸山九段の銀取りには目もくれず(64手目△7七「と」金)

65手目▲3一金から、もう勝負を決めに出ました。。


ところが。。。




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84手目△3六桂。


上図での持ち駒


▲橋本八段: 桂、歩4

△丸山九段: 金、香、歩3



やや決めに出るには急ぎすぎたか

丸山九段は玉を端に逃してから、鋭くカウンター攻撃へ。。


飛車の力強い踏み込みから

「美濃囲い崩し」の定番角(馬)と桂馬のコンビネーションが

ものの見事に決まりました。。


あっという間に、これにて勝負あり。。



【 投了図・92手目△1九金 】



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投了図での持ち駒


▲橋本八段: 飛、歩4

△丸山九段: 金、香、歩3



完全に筋に入り

丸山九段の正確な寄せの前に、橋本八段は成す術を失い

上図92手目までで、無念の投了。。



激しい撃ち合いというより

橋本八段の暴発を咎め、あっという間に勝負を決めた

丸山九段の強さが際立つ対局となりました。


この結果、両者の三番勝負も

全て後手番で戦った丸山九段の2勝1敗となり

貫禄を示した形で決着となりました。