明日は第2回電王戦/第2局「佐藤慎一四段-ponanza」 | 柔らかい手~個人的将棋ブログ

明日は第2回電王戦/第2局「佐藤慎一四段-ponanza」

第2回将棋電王戦公式サイト


現役プロ棋士と将棋ソフトによる5対5団体戦

第2回将棋電王戦。


先週の土曜日

大注目が集まる中、ついに開幕。。


まずは先鋒戦「阿部光瑠四段-習甦」が行われ

113手までで、先手・阿部四段が勝利をおさめました。



柔らかい手~個人的将棋ブログ-勝者



電王戦/第1局を振り返ろう。。




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7手目▲2二角成。


上図での持ち駒


▲阿部四段: 角

△習甦 : なし


記念すべき開幕戦は、相居飛車となり

飛車先を決め「横歩取り」への誘導を目指した習甦に対し

阿部四段必殺の「光速角換わり」が炸裂。。




柔らかい手~個人的将棋ブログ-44


44手目△4四角。


上図での持ち駒


▲阿部四段: 角

△習甦: 歩3


序盤に角を持ち合うことで

駒組みに大きな制約を与えた阿部四段は

もともと「角換わり」を得意としており、まずは上々の立ち上がり。

通いなれた道へと誘い込み、落ち着きを取り戻します。


一方、習甦ははやる気持ちをおさえられないとばかりに

玉の囲いが終わると、後はひたすら一直線な攻撃を仕掛けます。。。




柔らかい手~個人的将棋ブログ-矢内さん



ニコニコ生放送にて

阿久津主税七段との大盤解説で聞き手をつとめた

矢内理絵子女流四段は「コンピュータ側は直接的な手が多かった

と、終局後コメント。。



習甦の、自らの頭の中の形勢判断だけで

これでイケル!と一直線に攻め込む姿は、残念ながら

モテる男のイメージの真逆をいてしまった感も。。。


【 投了図・113手目▲8七同玉 】



柔らかい手~個人的将棋ブログ-113


投了図での持ち駒


▲阿部四段: 金2、銀、歩5

△習甦 : 歩


最後は隙間なく駒を埋め、玉を守ろうとした習甦でしたが

青森出身の18歳、素朴ながらも芯の強さとプロの技術を併せ持つ

阿部四段が中盤以降を圧倒的に支配し、大勝をおさめました。



ということで、まずはプロ棋士側が1勝。。




柔らかい手~個人的将棋ブログ-1



しかも内容的には全く「呼吸」の合わない

文字通り、阿部四段の一方的な勝利となっただけに

「これだったらプロが負ける方がおかしいだろう」という雰囲気に

大きく傾きましたが。。




柔らかい手~個人的将棋ブログ-2



「自分なんかでいいのか、と思いました。

もっと有望な若手、実績のある先生じゃないのかと。

どちかかと言えば少し弱気でした。


ある先輩に

『みんなに注目される中で将棋を指せることほど

棋士として幸せなことはない』という話を聞いて、迷いも消え

この対局に死力を尽くそうと決めました」


(「将棋世界」13年4月号より一部抜粋)



明日の第二局に後手番で登場する

「遅れてきた真打ち」佐藤慎一四段には、当然

勝って当たり前という雰囲気は、ただでさえ感じている重圧に

さらなる重石となって、その両肩に圧し掛かっているはず。。




柔らかい手~個人的将棋ブログ-3


佐藤四段は現在30歳。

東京都のご出身で、剣持松二八段門下。


10代でプロの門をくぐり、すぐに頭角を現す棋士も少なくない

完全実力社会である将棋界では、逆に異例となる年齢制限ギリギリの

26歳でようやくプロ棋士へとたどり着いた佐藤四段。


今期ここまでの成績は

31戦14勝17敗(.452)。順位戦はC級2組で5勝5敗。

ここまで目立った活躍のない佐藤四段にとって、今回の電王戦は

全国の将棋ファンに名前を売る、絶好のチャンス到来。


本日の午後、更新された佐藤四段のブログのエントリー からは

テンパッている様子だけが、やたら生々しく伝わってきますが

あまり飛躍して考えずに、ただただ貪欲に勝利だけを目指して欲しい

ところであります。




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そんな熱き男・佐藤四段と対戦するのは

第22回世界将棋コンピュータ選手権 で4位に輝いた「ponanza」





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開発者である東京大学大学院卒のプログラマー

山本一成氏とともに、この業界では以前から名の知れたソフトが

早くも登場。。



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感動的だと賞賛されている電王戦/第2局のPV では

クネクネしながら、汚れなき少女のような澄んだ目で

インタビューに笑顔で応える山本氏の姿が堪能できます。。。



<第2回電王戦/第2局>


佐藤慎一四段-ponanza




柔らかい手~個人的将棋ブログ-パンダ先生



一見すると正反対にみえながら

最終的な根っこの部分では似ているのではないか?

と感じさせる棋士と開発者が激突。。


いろいろな意味で

実に興味深い顔合わせとなりました。



戦型予想としましては

基本居飛車の佐藤四段ですが、本局は後手番ということで

飛車を振ってくる可能性も高いと思われます。


佐藤四段が振り飛車にするとすれば

「角交換四間飛車」がまずは本戦と考えられますが

ソフトを相手に序盤から自ら力戦に持ち込むのはリスクが大きく

よほどの勝算があれば別ですが、かなりの覚悟を要します。。


なので普通に考えれば

先手・ponanzaの出かたをみて、その次第となりそうですが

どのような作戦をソフト側が用意しているのか見当もつかないだけに

佐藤四段としては後手番はうらめしく、悩ましい序盤となりそうです。


なんとか序盤は均衡を保ち

佐藤四段とすれば中盤の折衝でリードを奪いたいところ。


ponanzaが

序盤定跡を踏襲するのか、あるいはいきなり手将棋に持ち込むのか

その辺りも気になります。。




電王戦/第2局はこちらから



先週の第1局と同じく

開場は午前9時。開演は9時半からとなっています。

お出かけの方はタイムシフト予約をお忘れなく。




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