第71期B級2組順位戦/9回戦「角道は開けず」 | 柔らかい手~個人的将棋ブログ

第71期B級2組順位戦/9回戦「角道は開けず」

名人戦棋譜速報(有料。要登録。)

第71期B級2組順位戦対戦表



柔らかい手~個人的将棋ブログ-5


5手目▲6八飛。


上図での持ち駒


▲藤井九段: なし

△森下九段: なし



本日行われています

第71期B級2組順位戦/9回戦・一斉対局のうち

注目の 「藤井猛九段-森下卓九段」の一戦は

先手・藤井九段が自身の代名詞である「四間飛車」を投入。




柔らかい手~個人的将棋ブログ-10


10手目△5四歩。


上図での持ち駒


▲藤井九段: なし

△森下九段: なし


藤井九段は角道をオープンにしたまま居玉を避け

自らが磨き上げ、現在振り飛車の一大旋風を巻き起こしている

「角交換四間飛車」を目指します。


しかし、対抗形には絶対の自信を持つ森下九段は

当然のように居飛車に構えるも、藤井九段をじらすように

なかなか角道を開けずに、駒組を進行させます。。




柔らかい手~個人的将棋ブログ-13


13手目▲7七角。


上図での持ち駒


▲藤井九段: なし

△森下九段: なし


角交換後は「美濃囲い」を目指しながら

飛車を中心とした争点集中型のカウンターを目指すのが

藤井九段の「角交換四間飛車」の最初の狙い。


そのための準備として

自陣で平面的に駒組を進行させながら、森下九段が角道を開ける

そのタイミングを静かに待つ、藤井九段。。。


しかし、その呼吸を乱すかのように森下九段は

12手目に△3二銀として、角道を開ける意思がないことを表明。

まるで藤井九段を挑発するかのように。。


この手をみて、藤井九段は角を7七の地点へと上げ

まるでボクサーがガードを下げてあごを出し「攻撃して来いよ」

と言っているかのように、逆に森下九段を挑発。。


水面化で、火花を散らします。



ちなみに


藤井九段の上図13手目は午後開始の一手でもあり

つまり午前中は、わずか12手しか指されませんでした。




柔らかい手~個人的将棋ブログ-18


18手目▲2三銀。


上図での持ち駒


▲藤井九段: なし

△森下九段: なし



一向に角道を開ける気配のない森下九段は

居角のまま△2四歩~△2三銀~と2筋に銀を移動させ

将来的に「銀冠」をにおわせる動きを見せます。。



柔らかい手~個人的将棋ブログ-22


22手目△3一角。


上図での持ち駒


▲藤井九段: なし

△森下九段: なし


そして、「引き角」。。

周到に囲いを目指す森下九段の前に予想だにしなかった

重い展開となりました。。




柔らかい手~個人的将棋ブログ-29


29手目▲5八飛。


上図での持ち駒


▲藤井九段: なし

△森下九段: なし


こうなると

藤井九段も作戦変更を余儀なくされます。。


玉を「高美濃囲い」に納めてから

飛車を中央5筋へと振り直しました。


一方、森下九段も玉の頭上に銀の冠を施しましたが

離れ駒もあり、まだ構想の途中なのは明らか。


まだまだ堅さを追求しそう。。




柔らかい手~個人的将棋ブログ-48


48手目△8二飛。


上図での持ち駒


▲藤井九段: なし

△森下九段: なし


こうなると双方、玉を堅く堅く囲い合う展開とならざるを得ず

藤井九段は角と飛車も連結した磐石の「銀冠」が完成。

森下九段は「銀冠」からさらに「穴熊」をも見据えます。。



上図48手目の局面で

何とここまで一度も駒がぶつかりあうことなく

夕食休憩突入となりました。



藤井九段の昇級がかかった大一番は

息の長い勝負となりそうです。。