第62期王将戦7番勝負/第1局「渡辺竜王、圧勝スタート」
【 投了図・130手目△2三桂 】
投了図での持ち駒
▲佐藤王将: 飛、金、歩2
△渡辺竜王: 銀、桂、歩4
佐藤康光王将に
渡辺明竜王が挑戦する、第62期王将戦7番勝負の第1局が
本日、決着。上図13手までで後手・渡辺竜王が勝利をあげました。
50手目△3三桂。
上図での持ち駒
▲佐藤王将: 歩3
△渡辺竜王: 歩2
昨日、静岡県は掛川市「掛川城 二の丸茶室」にて
開幕の時を迎えた王将戦/第1局。
振り駒の結果、先手は佐藤王将となり
戦型は「相掛かり」となりました。
序盤から佐藤王将らしい、熱のこもった駒組みが進行。
細かな駆け引きを駆使しながら難解な模様が描き出されました。
二日目は渡辺竜王の封じ手
上図50手目△3三桂からスタート。。
53手目▲6五桂。
上図での持ち駒
▲佐藤王将: 歩3
△渡辺竜王: 歩2
直後に桂馬交換が成立し、早くも開戦となりました。。
63手目▲7六歩。
上図での持ち駒
▲佐藤王将: 桂、歩3
△渡辺竜王: 桂、歩
渡辺竜王は歩の利かしを切れながら
角が気持ちよく佐藤陣営へと飛び込み馬を作ります。
(62手目△5七角成)
次の上図63手目
佐藤王将の▲7六歩までで、お昼休憩に突入。。
【 お昼のメニュー 】
佐藤王将: うな重
渡辺竜王: カニ肉あんかけチャーハン
72手目△3六歩。
上図での持ち駒
▲佐藤王将: 桂2、歩
△渡辺竜王: 桂、歩3
午後に入ってからも強く踏み込み続ける渡辺竜王。。
その指し手は見るからに迫力に溢れ、佐藤玉を追い込みます。
97手目▲2一飛。
上図での持ち駒
▲佐藤王将: 金、銀、桂、歩
△渡辺竜王: 飛、歩4
ものの見事に、面白いように手をつなげていく渡辺竜王。
さすがの佐藤王将も防戦一方を強いられますが
上図97手目からようやく反撃に。。
しかし、渡辺竜王はガッチリと金底の歩(98手目△3一歩)で
磐石の守り。。つけ入る隙を与えません。
115手目▲4五歩。
上図での持ち駒
▲佐藤王将: 飛、金2、銀、香、歩
△渡辺竜王: 飛、角、桂3、歩4
苦しい展開となる中
佐藤王将は必死の粘りを見せますが。。
渡辺竜王は次の116手目△2二桂から
佐藤玉をしとめにいきます。。
【 投了図・130手目△2三桂 】
投了図での持ち駒
▲佐藤王将: 飛、金、歩2
△渡辺竜王: 銀、桂、歩4
渡辺竜王、さすがの切れ味の前に
佐藤王将はなす術を失い、上図130手目までで無念の投了。
渡辺竜王は大事な開幕戦を後手番で制し
二冠復帰にむけ、大きな大きな白星スタートをきりました。
【 投了図・113手目▲6四飛成 】
投了図での持ち駒
▲里見女流名人: 桂
△上田女王: 金、銀、歩5
一方、同じく本日行われなした
里見香奈女流名人に上田初美女王が挑戦する
第39期女流名人位戦5番勝負/第1局は、上図113手までで
里見女流名人が貫禄の勝利。
31手目▲8六歩。
上図での持ち駒
▲里見女流名人: 歩
△上田女王: なし
振り駒の結果、先手となった里見女流名人は
初手から▲7六歩~▲7五歩~とし、十八番の「石田流三間飛車」を示唆。
対します
上田女王も「振り飛車穴熊」を得意とする振り飛車党ということで
戦型は「相振り飛車」となりました。
里見女流名人の上図31手目▲8六歩をみて
上田女王が持ち時間3時間の女流名人戦位では異例の
1時間近い長考に沈みます。
明らかな変調で
何か構想に狂いが生じたのでしょうか。。
102手目△4八銀。
上図での持ち駒
▲里見女流名人: 飛、角、金、銀、桂、香
△上田女王: 金、歩4
しかし、その後は均衡は大きく崩れることなく
一進一退の攻防を繰り広げながら、勝負の終盤戦へ。
先に攻勢をかけたのは上田女王。
果敢に里見玉を詰ましにいきますが、上図から次の103手目
▲4一角から、攻守交替。
里見女流名人は読み切っていたかのように
ケレン味なく、一直線に上田玉を詰ましに出ます。。
【 投了図・113手目▲6四飛成 】
投了図での持ち駒
▲里見女流名人: 桂
△上田女王: 金、銀、歩5
上田女王の健闘も光りましたが
だからこそ、その実力の程が際立った里見女流名人。
4連覇にむけ幸先良く、完勝スタートを切りました。