明日より、第２５期竜王戦７番勝負/第５局開幕。。
渡辺明竜王に
丸山忠久九段が挑戦する第２５期竜王戦７番勝負。
前期と同じ顔合わせとなった今年の竜王戦は
ここまで第４局を消化し、渡辺竜王が３勝１敗とリード。
竜王戦９連覇に王手がかけれて迎える注目の第５局が
明日より、新潟県南魚沼市「龍言」にて開幕。。
前期と同じ顔合わせとなった今年の竜王戦は
渡辺竜王が開幕から怒涛の３連勝で、あっという間に
タイトル防衛に王手をかける一方的な展開となりました。。
１０月１５日（月）－１６日（火）
山形県天童市「ほほえみの宿 滝の湯」にて。
丸山九段の先手で
戦型は「角換わり相腰掛け銀」となり、１０６手までで
渡辺竜王の勝利。
【 第2局 】
１０月３１日（水）－１１月１日（木）
石川県金沢市「金沢エクセルホテル東急」にて。
渡辺竜王の先手で
戦型は後手・丸山九段の「一手損角換わり」となり
７３手までで、渡辺竜王の勝利。
【 第３局 】
１１月８日（木）－９日(金）
鹿児島県霧島市「霧島国際ホテル」にて。
丸山九段の先手で
戦型は「角換わり相腰掛銀」となり、１０６手までで
渡辺竜王の勝利。
前期同様、徹底的に「角換わり」からの勝負に拘るシリーズは
開幕戦/第１局、第２局ともに渡辺竜王の圧勝に終わり
リベンジを胸に挑んだ丸山九段にとっては出鼻をくじかれる
辛いスタートとなりました。。
続く第３局では渡辺玉をギリギリまで追い詰めながら
最後の最後で勝ちを逃がす形となり、精神的なダメージも
決して少なくはなかったはず。。。
しかし、頑固一徹
「自らの将棋」に誰よりも強い拘りと強烈な自負を持つ丸山九段は
カド番に立たされもう後のなくなった、後手番の第４局でも
誇り高く「一手損角換わり」を投入。。自らの美学を貫きます。
【 竜王戦/第４局・３７手目▲１五銀 】
上図での持ち駒
▲渡辺竜王： 角
△丸山九段： 角、銀、歩
その強い拘りが、武運を引き寄せたのか。。
あるいは３連勝の余裕がそうさせたのか。。。
居飛車党現党首であり
相居飛車戦の先手では現在最強との呼び声も高い渡辺竜王が
上図３７手目に新手となる▲１五銀を披露 。
ところが。。。
【 終局後の渡辺竜王のコメント 】
― 工夫の銀から面白い将棋でしたが
作戦でしたがうまくいかなくて筋の悪い将棋になってしまいました。
― 早い段階で苦しいという感覚だったのでしょうか
１五に銀を打って残ったので、作戦失敗は明らかだったかなと。
圧倒的な研究量でも知られる渡辺竜王の用意の一手が
何と、そのまま敗因となってしまうとは。。誰が予想出来たでしょうか。
３８手目△４五角。
上図での持ち駒
▲渡辺竜王： 角
△丸山九段： 銀、歩
こうなると、勝負に辛い「激辛流」丸山九段の面目躍如。。
次の上図３８手目△４五角以降、必死に食い下がる渡辺竜王に
一切、つけ入る隙を与えず。。
【 投了図・１０２手目△６七角成り 】
投了図での持ち駒
▲渡辺竜王： 金、歩４
△丸山九段： 角、金、桂、歩
最後の最後まで喰らいつきベストを尽くす
渡辺竜王の猛攻を的確にかいくぐった丸山九段が
角を渡辺玉に直撃させたところで、渡辺竜王無念の投了。
丸山九段はらしさを発揮し
今シリーズ待望の初白星をものにしました。
ということで
内容的には少しずつ丸山九段がペースを掴みそうな
流れにも思えますが。。。
しかし、一つの負けを後に引きずらない
渡辺竜王の精神的強さはこれまでの竜王戦で、何度も何度も
実証済みであり、スコアでみても、やはり渡辺竜王が圧倒的に
優位に立っている事実は、動かしようもありません。
丸山九段とすれば土俵俵にかかとが乗った状態ですが、何とか
先手番でむかえる明日の第５局で制し、まずは両目を開けたいところ。。
渡辺竜王の今期ここまでの成績は
３２戦２２勝１０敗（．６８８）。順位戦はＡ級で３勝２敗。
昨日、第６２期王将戦挑戦者決定リーグ戦で全勝優勝を飾り
年明けから始まる王将戦の挑戦者 に名乗りをあげたばかり。
もはや将棋界の「冬将軍」としての貫禄を漂わせます。
丸山九段の今期ここまでの成績は
３５戦１９勝１６敗（．５４３）。順位戦はＢ級１組で２勝５敗。
両者の対戦成績は
ここまで２１戦して、渡辺竜王の１３勝８敗となっています。