年末からの因縁カード。。郷田棋王、広瀬七段に勝利。 | 柔らかい手~個人的将棋ブログ

年末からの因縁カード。。郷田棋王、広瀬七段に勝利。

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昨日、午後20時から行われました

日曜夜のお楽しみ、第6回大和証券杯・ネット将棋最強戦は

1回戦「郷田真隆棋王-広瀬章人七段」の好カードが実現。



この両者の対戦は

昨年末の第37期棋王戦挑戦権をめぐる争いに端を発する

因縁のカードともいえます。。。







因縁の第一幕は

2011年12月2日に行われました

第37期棋王戦本戦トーナメント/決勝 での激突。。


この時は

郷田棋王が勝利。本戦トーナメント優勝を飾りました。



しかし


敗れた広瀬七段は

敗者復活トーナメントに回り、糸谷哲郎六段に勝利し

挑戦者決定二番勝負出場の切符を手にします。



ということで、再び両者が相対することに。。




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挑戦者決定二番勝負/第1局が行われたのは

年の瀬迫る12月26日。。



柔らかい手~個人的将棋ブログ-33


33手目▲8八銀。


上図での持ち駒


▲郷田九段(当時): なし

△広瀬七段: なし



本局は

後手・広瀬七段が「ゴキゲン中飛車」を投入。


郷田棋王の「超速▲3七銀」に対して「銀対抗」に構え

その後、双方「穴熊」へと組み上げるおなじみの展開に。



結果、110手までで後手・広瀬七段が勝利。。

まずは本戦トーナメントのリベンジを果たしました。



第37期棋王戦挑決二番勝負/第1局の棋譜中継はこちら


ここまで1勝1敗。


両者の争い第3ラウンドは

年をまたいで今年の1月6日に行われた挑戦者決定二番勝負/第2局。




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19手目▲3八銀。


上図での持ち駒


▲広瀬七段: なし

△郷田九段: なし



勝った方が棋王挑戦権を手にする大一番で

先手・広瀬七段は十八番の「四間飛車」ではなく中飛車を採用。

囲いもいつもの「穴熊」ではなく、「美濃囲い」に。


生粋の居飛車党・郷田棋王は

上図から次の20手目に角交換を敢行。



第37期棋王戦挑決二番勝負/第2局の棋譜中継はこちら



最後は郷田棋王らしい、剛直な寄せが披露され

82手目までで勝利。棋王戦挑戦者に名乗りをあげました。


(本戦優勝の郷田棋王には1勝のアドバンテージがあたえられ

第2局の勝利で二番勝負2勝目をあげた計算)


その後

久保利明棋王(当時)を下し見事、棋王を奪取 したのは

ご存知の通り。。



広瀬七段との「3番勝負」は郷田棋王の2勝1敗に。



しかし両者の因縁はここで終わらず。



2月11日。

今度は第5回朝日杯 /準決勝で両者は対戦。。




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35手目▲3五歩。


上図での持ち駒


▲広瀬七段: なし

△郷田九段: なし



リベンジに燃える広瀬七段は

伝家の宝刀「四間飛車穴熊」を投入。

勝利への気迫を漲らせます。


対する郷田棋王は

この時、第37期棋王戦の真っ只中。


気持ちの持って行き方も難しかったところでしょうが

それでも、いざ勝負が始まると郷田棋王らしい無頼な指しまわしで

厳しく先手陣に迫り、激しい攻防戦がみられました。




第5回朝日杯/準決勝の棋譜中継はこちら



非常に高度でテクニカルな「穴熊」をめぐる終盤戦は

見応え充分でしたが、郷田棋王の猛攻をすんでのところで凌ぎきった

広瀬七段が133手までで勝利。


年末からの対郷田棋王戦成績を2勝2敗の五分に戻しました。




【 第6回大和証券杯/1回戦 】



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37手目▲3八金。


▲広瀬七段: なし

△郷田棋王: なし



そして迎えた昨日の対戦。


両者の負けたくない気持ちのヒートアップぶりを示すかのように

盤上には銀のハッチの外側に二枚の金でさらに扉を築いた

見るからに強固な「相穴熊」が描かれました。



さらに


広瀬七段は飛車を連結しての「振り飛車穴熊」。

郷田棋王は角を取り込んでの「居飛車穴熊」。


両者の主義主張も色濃く反映され

火花がバチバチ、激しく飛び散ります。。



郷田棋王の今期ここまでの成績は

7戦3勝4敗。


広瀬七段の今期ここまでの成績は

10戦6勝4敗。




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67手目▲6一飛成。


上図での持ち駒


▲広瀬七段: 金、歩

△郷田棋王: 銀、桂、歩4



二重扉の「穴熊」に

さらにもう一枚の銀も連結し、受けをさらに厚くした郷田棋王。


対する広瀬七段は

6筋を基点に上手く攻め手をつなぎ、攻勢を強めましたが。。



【 投了図・84手目△3三玉。 】




柔らかい手~個人的将棋ブログ-83


投了図での持ち駒


▲広瀬七段: 角、桂、歩2

△郷田棋王: 飛、金4、歩4



先に「穴熊」のハッチをこじ開けたのは

広瀬七段の方でしたが、郷田棋王が攻守にわたり正確に対処。

上図84手目をみて、広瀬七段無念の投了となりました。



「郷田棋王-広瀬七段」の棋譜中継はこちら



この結果

昨年末からの5番勝負も郷田棋王の3勝2敗となり

タイトルホルダー、そして「羽生世代」の貫禄を示した格好に。。。