the ultimate。。明日は第５３期王位戦挑戦者決定戦「渡辺二冠－藤井九段」
羽生善治王位への挑戦者を決める
第５３期王位戦挑戦者決定戦が、いよいよ明日行われます。
姿を現すのは
同じ「将棋の天才」でありながら、異なった最終形態を目指す二人。
ある意味、究極のカードがここに実現。。
＜第５３期王位戦/挑戦者決定戦＞
渡辺明二冠-藤井猛九段
昨年度の成績は５１戦３９勝１２敗（．７６５）。
順位戦はＡ級 で７勝２敗。
竜王戦は無敵の８連覇 。
羽生善治二冠の２０連覇がかかった王座戦に挑戦者として登場し
３連勝のストレート勝利。完全無欠の強さで王座を奪取し 現在二冠王。
これほどの実績を誇りながら、まだほんの２８歳。
王座戦２０連覇阻止以外にも
将棋の代名詞・羽生二冠の野望、「永世七冠」をかけた竜王挑戦を
神がかり的な強さ と、圧倒的な強さ で二度にわたり打ち砕いており
事実上、すでに時代を掴んでいる「選ばれし棋士」と言っても
全く過言ではない、渡辺二冠が
これから迎える全盛期の足固めとするため
再び羽生二冠から「王位」のタイトルを奪うべく、虎視眈々と
狙いを定めます。。
対しますは
昨年度の成績は３５戦１５勝２０敗（．４２９）。
順位戦はＢ級1組 で３勝９敗。２年連続降級の憂き目に。。
昨年も王位戦挑戦者決定戦に登場するも
苦手とする羽生二冠の前に完敗 。
「藤井ローテーション」を引っさげ
１０年ぶりのタイトル戦登場となった、一昨年の 第５８期王座戦 でも
羽生二冠の前に完封負け を喫するなど苦手意識は甚大で
現在、対羽生二冠戦は１０連敗中。。
しかし
これまで猛威を振るった「石田流」と「ゴキゲン中飛車」が
居飛車側の猛烈な巻き返しにあい、振り飛車党は
今やすっかり冬の時代。
ならば
振り飛車党名誉党首にして、生粋の四間飛車党として
そして
理路整然と確立された定跡を覚えるのではなく
自ら新しい定跡を一から作り上げることを、将棋の神様から許された
現在唯一の「選ばれし棋士」として
このまま引き下がるわけには行かない。
飾り気のない、素朴で明るい性格と
綿密に計算された上に、あまりにもアーティスティックな棋譜で
カリスマ的な人気を誇る藤井九段が
同世代でもある羽生二冠を相手に
自らのアイデンティティと、将棋を未来を示す機会を
虎視眈々と狙います。。
生粋の居飛車党で
定跡形から本筋を深く掘り下げていく本格派。
追随を許さない圧倒的な研究量に裏打ちされた対局観と
将棋界屈指の終盤力を誇る渡辺二冠。
四間飛車の革命「藤井システム」で一斉を風靡するも
独自の「矢倉」も開発するなど、常に発想は柔軟で先進的。
特に序盤戦術に拘りと強みを持ち、あらゆる変化に対して
綿密な研究に研究を重ね、わずかな誤差も許さない藤井九段。
序盤に心血を注ぐあまり、終盤戦ではたまにうっかりも。。
ともに研究熱心であること以外、好対照な両者。
しかしながら、かつては研究仲間であったことも有名な話。
案外、馬が合うようで
藤井九段がタイトル戦で立会人をつとめた時などには
渡辺二冠の情報がよく披露され、電話攻撃 を仕掛けようとするなど
仲の良さを垣間見せます。
気になる両者の対戦成績は
これまで９戦して、渡辺二冠の６勝３敗。
渡辺二冠の今期ここまでの成績は
４戦３勝１敗。
藤井九段の今期ここまでの成績は
７戦５勝２敗。
東京・将棋会館にて。
午前１０時開始となっています。
どちらが挑戦者に名乗りをあげても楽しみな
注目にして究極の好カード。ぜひ、お見逃しなく。。