第52期王位戦7番勝負/第7局・一日目「相穴熊。封じ手は、羽生二冠」
3手目▲6八飛。
広瀬章人王位に
羽生善治二冠が挑戦する第52期王位戦7番勝負は
ここまで6局を戦い3勝3敗。フルセットにもつれ込む熱い展開に。。
いよいよ本日より
第6局に続けての舞台となる神奈川県秦野市「陣屋」にて
決着戦、最終/第7局の幕が切って落とされました。
振り駒の結果
先手番を得たのは広瀬章人王位。
羽生二冠は今期
名人戦の開幕戦 、最終戦 、そして王座戦の開幕戦 と決戦の舞台での
振り駒で先手を得られず、若干流れの悪さを感じないこともないですが
今期の後手番の成績は
19戦12勝7敗(.632)と大きく勝ち越し(先手番では9勝5敗)
今シリーズも同様に、後手番で2勝1敗となっており
百戦錬磨のスーパースター
羽生二冠にとっては全くもって取るに足らないことなのかも。
しかし
そうはいっても先手を得て戦型選択の主導権を握った広瀬王位は
初手から▲7六歩~△3四歩と角道を開けあった後
3手目に早々と飛車を6筋に振り「四間飛車」。
これはここまでの出世物語をともに歩んだ相棒「四間飛車穴熊」への
高らかな宣言のように受け取れますが。。。
それをみて
羽生二冠の4手目は、来るならこいの△8四歩でした。
つまりは双方ともに、真っ向勝負の意志表示。
19手目▲7七角。
ここまでの両者の持ち駒: なし。
羽生二冠の飛車先を決める18手目△8五歩をみて
広瀬王位は角で受けました。
双方の玉は盤面向って右側へ足早に寄って行き
「振飛車穴熊」vs「居飛車穴熊」へと模様は進行。。
32手目△2二銀。
上図での両者の持ち駒: なし
先に銀のハッチを閉めたのは広瀬王位(23手目▲2八銀)。
そこから細かな駆け引きを繰り広げながら、上図32手目に
羽生玉の穴熊も銀のハッチが閉められました。
39手目▲6五歩。
上図での両者の持ち駒: なし
後手陣営は
玉に吸い寄せられるように駒が穴熊に集結。
隙間のなく、囲いが整備されました。
一方、先手・広瀬王位は
穴熊側の歩をつき、さらに上図39手目の局面で角道を開ける
膨らみのある戦型に構えます。。
出来れば先手から仕掛けたいと、いう感じにみえますが。。
一日目は39手目まで。
羽生に二冠が封じて終了となりました。
(棋譜中継コメント欄等をみると
羽生二冠の封じ手予想はおおむね△4二銀。)
あえて陣形の整備に一日を費やし
明日、決着の二日目に全てをかける。。。両者の気迫が静かに伝わる
最終局、第一日目でした。