第52期王位戦7番勝負/第6局・一日目「仕掛ける羽生二冠。。封じ手も」
3手目▲6八飛。
広瀬章人王位に
羽生善治二冠が挑戦する第52期王位戦7番勝負。
ここまで5局まで消化し
広瀬王位が3勝2敗とリード。王位初防衛に王手をかけて
本日より第6局が開幕。
数々の歴史的名勝負
昨年度は広瀬新王位誕生の舞台ともなりました
神奈川県は秦野市、将棋ファンにすっかりおなじみ「陣屋」が
その舞台となります。
先手・広瀬王位としては感慨深い対局場。
だからこそ、3手目に▲6八飛車が披露された時
ここまでの出世物語の相棒「四間飛車穴熊」で勝負に。。。
と、誰もが思いましたが。
4手目△3五歩。
後手・羽生二冠の4手目は
誰も予想だにしなかった3五歩。。それをみて広瀬王位は
5手目▲2二角成。
上図での持ち駒
▲広瀬王位: 角
△羽生二冠: なし
いきなり角を強襲。。
「四間飛車穴熊」から一転、「角交換四間飛車」への戦い模様に。
8手目△3二飛。
上図での持ち駒
▲広瀬王位: 角
△羽生二冠: 角
どちらかといえば
この戦型を志向したのは羽生二冠。
上図8手目で飛車を3筋に振り
先手に「6五角と打って来い」と挑発。。
10手目△5四角。
上図での持ち駒
▲広瀬王位: なし
△羽生二冠: なし
その通り、広瀬王位が9手目▲6五角と応じると
羽生二冠は5四の地点に角を投入し合わせました。
そこから▲5四角~△同歩と進行し
二度目の角交換が成立。
18手目△6四角。
上図での持ち駒
▲広瀬王位: 角
△羽生二冠: なし
駒組がしばし続いていたところ
いまだ居玉の羽生二冠が不意に角を再投入。。
一目ではその活路がすぐには分からない
ある意味で羽生二冠らしいマジカルな角のポジショニング。。
両者とも時間を使い慎重に考えながら
▲6六歩(49分の長考)~△7四歩(同43分)~▲6五歩と進行。。
広瀬王位がその角に歩を当てると
22手目△8二角。
上図での持ち駒
▲広瀬王位: 角
△羽生二冠: なし
羽生角は8二の地点へと収まりました。
ならば最初から8二に。。。いや、6筋の歩を伸ばさせることに意味が
あったのか、あるいは狙いはそこではないのか。。。
その意味は今はまだ
28手目△3三銀。
上図での持ち駒
▲広瀬王位: 角、歩
△羽生二冠: 歩
常に先に仕掛けるのは羽生二冠。
今度は3筋で歩の交換をした後
前方の開けた飛車のラインに銀を乗せました。
上図での持ち駒
▲広瀬王位: 角
△羽生二冠: なし
序盤、中盤、そして終盤戦とどの局面であっても
状況判断、形成判断、そして速度計算が抜群に速く正確な広瀬王位は
乱戦基調の本局でも、相手の術中にはまりそうもないような指し回しで
7筋の歩をぶつけました。
まだ29手目ではありますが
実はこの局面で羽生二冠が「封じ手」の意思を示し、一日目は終了。
タイトルの行方を占う大一番ということで
両者ともに慎重は慎重なのでしょうが、時間をかけているのは羽生二冠。
消費時間
▲広瀬王位: 2時間52分
△羽生二冠: 4時間50分
実に2時間の差がついていますね。。。
ちなみに
本日の午前中は17手目まで進行。
両者ならびに関係者の昼食は天重 とのことでした。
決着の明日。
果たしてどのような展開となりますでしょうか?!