娘たちは、葛藤のど真ん中の私を何とかしようと代わる代わるアプローチしますが、私の心の必死の抵抗で諦めました。
「もう、この先はお母さんにまかせよう。宇宙に委ねよう」と。

 

私は娘たちから、優しく置き去りにされ、やっと、葛藤の原因を娘という私の外側ではなく、私自身の内側へ「私、これでいいんかな?」という『疑問』と言う形で向けるようになりました。

 →( 「押しても駄目なら、引いてみる①母の抵抗」 )

 

 

いよいよ、娘たちの本「あーすじぷしー」が出版される事になります。
娘たちが心に従い、旅に出るまでと旅での心の経緯が綴られています。


当然、私との葛藤も出てきます。私も本の内容は知っています。
「お母さんとの事を書くよ。いいかな?」事前に娘から打診もありました。

 

「娘たちの旅が本になる。あの子たちの苦労が本になる。うわ~、嬉しい。やった~。」
娘たちとは葛藤があっても、愛する娘です。母なりに娘たちの苦労や辛さも知っています。


頭の中には、走馬燈のように娘たちの姿が浮かびます。

見知らぬ外国旅で苦労している姿。
日本へ帰ってからの悔しさを我慢する姿。
夜の京都で店の前で絵を描いている姿。
職場で葛藤し精神的に追い詰められる姿。
あーすじぷしーの話し合いが喧嘩になり泣いている娘たちの姿。

 

「そうだ、応援しなくちゃ。」
早速、ポスターをコピーし職場に貼ったり、知り合いに注文を取ったり。
「あーすじぷしーの本ありますか?」書店へ偵察にも行きました。
もう、葛藤を忘れて浮かれています。

 

「あの本、読んだよ。凄いね、娘さん。」
「うわ~、ありがとう。」
知り合いとの、この会話が続くうちに、私をだんだんと恐怖が襲ってきます。


「あれ。じゃ~、あの人もあの葛藤の箇所を読んだんだ。」
「どう思ったんやろ?私のこと、ひどい母親と思ったかな?」
「職場ではいい人ぶって、娘さんかわいそう、って思っているかな?」

 


読んだ人の私への評価が気になって仕方ありません。

でも、自分の心の動揺を知られたくない私は出来るだけ平然な顔を装います。

 

 

本を渡す時はわざわざ
「この本は娘の立場で書いてあるので、読む時は母親の立場も頭に置いてね。」
と伝えるようになりました。

 


本が売れる嬉しさに、恐怖もくっついてくる。なんとも奇妙な現象です。

 

 

本の話題になると、「私ね、あの時はいろいろ重なっていてね、、、」

懸命に本の内容に対して言い訳をしています。

これは、自分を惨めにする行為ですが、つい、やってしまいます。

 


「私、人からどう思われているんやろ?」で頭の中はいっぱいです。
「きっと、ひどい母親と思われた。」心の中は恐怖でいっぱいです。

 


あれだけ「私は正しい。間違っていない。」と信じ込もうとしていたのに。
私の味方と思っていた周囲の人たちが、大勢で突然、「あなたはひどい母親だ」と責めて来たような気分です。

 

自分の理想の姿を真面目に頑張って演じてきた私には、足元が崩れていく気がします。
でも、人の評価が生きる基準となっていた私には、そんな恐怖を外に見せることができません。

激しい葛藤に悩まされます。孤独です。

「そうだ、この恐怖の原因を作ったのは娘たちだ。ひどい。」また、そこへ逃げます。
「何言ってるの?娘さんたち、お母さんの愛に気づいて感謝したって書いてあるじゃない。」
「でも、私との葛藤のことを書いたから、みんなに私の本当の姿がバレた。」
心の中はグルグル回ります。もう、心も味方してくれません。

 


私が大切に守ってきた、味方と信じてきた世間体と常識が、手を取り合って私を「お前はひどい母親だ。」と責めてきます。

 

 

家族に見つからないように、夜中に、「ばかやろー」と書き殴ります。何度も何度も。

それでも、怒りが収まらない時は、手のボールペンを折り、投げ捨てます。
「娘が悪いわけではない。誰が悪いわけでもない。この恐怖の原因は他にある。」もう、分かっています。

 


でも、素直になれない。

 

 

そんな私を心の声がどんどん襲ってきます。

「何がそんなに怖いの?」

「どうして、娘たちの本を素直に喜べないの?」

「いったい、何が望みなの?」


「こんな醜い自分は嫌だ。私はなんでこんな人間なんだ。大嫌い。」

 


こんなに荒れたのは初めてです。心のコントロールが出来ません。
日中は普段どおりの顔で仕事や家事をこなし、夜になると心が苦しくて叫びます。
素直になれないまま、答えが見つからないまま、自分との戦いの日々が続きます。

 

 戦いの中、ある日突然、私に気づきがやってきます。
  (  →人生の大切なピースがはまった瞬間② )

   http://ameblo.jp/syomari0424/entry-12165193196.html

 

娘の何気ない言葉で、私はやっと気づきます。

 


自分が今まで大事に守ってきたものは、世間体や常識という私の外側にあるもの。
本当に大切な物は、きっと別のもの。私は知らないんだ。
娘たちより分かっているつもりが、違う。私は知らない。

外側が大事だから、あんなに怖かったんだ。

 


私はやっと、世間体や常識という魔物を捨てる決心が出来ました。

 


私はやっと恐怖から抜け出ました。
私の心が私に戻ってきました。

 

 

娘たちはもう見つけたから楽しいんだ。
私も本当に大切な物を探そう。

 

 

自分を認めて、素直になったら、楽になりました。

 


こうして、私の人生は「楽になりたい」から「楽しみたい」に変わりました。

 

「気づき」により、私の心は大きく変わりました。


心の変化により、私は新しい人生の旅をはじめることが出来ました。

 

やっと、娘たちを一人の人として理解し、応援できるようになりました。

 


(追伸)
私は自分の心の葛藤を正直に書く事をためらいました。公開するのは勇気がいりました。

でも、
今、苦しみの中にいる方にこれを届けたいと思いました。
私は自分の醜さが嫌でたまらなかった。でも、そこを通過しないと気づきはなかったと思います。私の心は頑固で素直になる作業に手こずりました。私の経験が少しでもあなたのヒントになったら嬉しいです。

 

今、なかなか気づいてくれない相手に悩んでいる方にこれを届けたいと思いました。
人は、自分の内側の問題となるまで変わらないかもしれません。私はそうでした。
「やるだけやったら、あとは、宇宙に委ねる」娘たちが私にくれた言葉です。
先ずは、あなたが幸せになって下さい。もう幸せはあなたの中にあります。

 

 

 

今日も読んで頂きありがとうございます。


あなたの心が平和でありますように。


あなたが幸せでありますように。

 

 

 

「俺、かん太。宜しく!!」
「病院へ行ったゾ」



父ちゃん母ちゃんの三人で動物病院へ行ったゾ。
きれいで気持ちのいい病院だったゾ。
なんて言ったって、受付の2人の姉ちゃんが若くて可愛くてよ~。
ありゃ~、maho・nahoより若いぞ。
ク~、たまんねエ~。
また、また、診察室の姉ちゃんが清楚な美人でよ~。
俺好みなんだよな~。
でもよ~、でもよ~。俺よ、やっちまったんだ。
大きな犬が吠えやがったんだ!!俺、姉ちゃんの前でチビった。あ~~。
姉ちゃん、優しく拭いてくれたけど、俺のことどう思ったかな~。
男、一生の不覚だ~~。なあ~、父ちゃんよ~。ウン?聞いてるか?

「ウン?うん。受付のあの可愛いお姉さんか?可愛かったな~~。うん。うん。」
「、、、、、、、、父ちゃん。。」