長い題名でスミマセン。
(ついでに、今日も長~~い内容です)
先日は「一般に免疫がついた状態とは」★を載せました。
続けて玉田先生の市民講座のお話を…と準備していたところですが
いくら一般向けとはいえども、やはり前準備の知識が必要だと判断しました
(やっぱり難しくなってしまったので)
10月26日放送された「クローズアップ現代」に出演されていたのは
同じ玉田耕治先生(山口大学医学部教授)でしたし、もっと簡素化されていましたので
今回はまずゆっくりと画像を見ながら【免疫細胞とがん細胞の攻防戦】の概要を見ていきましょう。
いつもながら、私ざき流の大雑把な解釈になりますのでご了承くださいませ
※以下で使用する画像と記事引用文(青字)は、NHKオンラインに明記されている「私的利用の範囲」です。
①まずは、実際にがん細胞に姿を確認ください
トゲトゲしく見えませんか?ホントに腫瘍はゴツゴツ感があるんですヨ。
②「がん細胞」という「異物」を発見したので免疫機構が働き、
「免疫細胞」が集まって攻撃を開始しました
(免疫細胞→がん細胞に〈ぺた~!とへばりついている姿〉がポイント)
③攻撃を受けて、がん細胞が破壊された瞬間です
思わず、拍手してしまう場面ですね。
一般的に免疫機構は日常的にこの作業をしています。
でも、残念なことに‘私たち「がん患者」の身体の中‘では
『免疫機構の攻撃をかわす技をマスターした、がん細胞』が、ドヤ顔で勢力を広げ続けていたのです
この‘勢力拡大の勢い‘は,「発症した部位・性質」によってかなり違います。
一般的に大腸がんなどは比較的にゆっくり進行するといわれていますが、
私の罹った卵巣がんは早く進行する…らしいです。
→ その中でもに「進行が早い方ですね」と言われた私のがんちゃん。
主治医に「うぅ、私の細胞だから仕方ないのでしょうかねぇ」と話したら
「ふふっ、がんも宿主に似るんですか?おもしろいですね」と笑われました。
『センセから宿主<シュクシュ>と呼ばれてしまった、トホホ』と心の中で呟いた経験があります
この様に、がん進行のスピードにさえかなり個人差があることも含めてご理解ください。
では、本題に入ります。
ここ数年、急激に研究が進んだ「免疫チェクポイント阻害剤」
電子顕微鏡に、3D加工技術。スパコンによる遺伝子解析‥等が一気に進んで…
現在、がん治療法の中で「最も期待が高まって」います。
‘その分‘と言ってはナンですが、まあ難しい専門単語が多すぎるので
「TVゲーム知らない子供時代を過ごした私ナド」は、カタカナやローマ字読むのが苦痛です。
ですので、以下の青字はザッと流し読みでも大丈夫です。
そのあとにイラストが待ってますからネ
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がん治療を変えると注目されるこの薬。
1人の日本人研究者の発想から生まれました。
日本を代表する免疫学者・本庶佑さんです。
20年ほど前、免疫細胞が持つ「PD-1」という役割の不明なたんぱく質を見つけ、その働きを探ろうとしました。
遺伝子操作でPD-1がないマウスを作り、観察したのです。
すると、心臓に炎症が起きました。
PD-1がないマウスでは免疫細胞が暴走し、自分自身の正常な細胞を攻撃してしまったのです。
このことから、PD-1が免疫細胞を制御するブレーキであることが分かりました。
PD-1が免疫細胞のブレーキならば、その働きをコントロールすることでがん細胞と戦う力を取り戻せるかもしれない。
そう考えた本庶さんは、新しいタイプのがん治療薬の開発を目指し、製薬会社に共同開発の話を持ちかけました。
しかし…。
実は、免疫細胞の攻撃力を利用して、がん細胞と戦う免疫療法は、以前から研究されていました。
しかし、期待されたような効果はほとんど上げられずにいたのです。
従来型の免疫療法のほとんどは、免疫細胞に働きかけ攻撃力を高めるというもの。
いわば、アクセルに作用するものでした。
本庶さんの提案するブレーキに作用する方法とは大きく異なりますが、同じ免疫療法というだけで製薬会社は懐疑的になったのです。
●免疫細胞にはアクセルとブレーキがあるが、この薬にはブレーキを外し、守る効果がある?
そういうことですね。
これまでの従来のがんに対する免疫療法の開発というのは、このアクセルを踏むことばかりを考えて、どのように免疫細胞を活性化しようかということを考えてました。
ところが、免疫細胞をどんなに活性化しても、やはりがんの局所でこのブレーキを押されて、免疫細胞がブレーキをかけられてしまうと、これはがんを攻撃できないということで、非常に画期的な、新しい治療法が開発されたということになります。
(今まではアクセルを強める研究ばかりだったが、実はあまり効果がなかった?)
そうですね、これは先ほどの繰り返しになりますけど、ブレーキを踏むというメカニズムが分かってきたということで、ここをやはりなんとかしないといけないという研究が進んできたということになります。
青字は記事より引用
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ちょっと表現を変えさせていただきます。
ヒトの体内で起こっている「免疫細胞の異物攻撃」に逆切れした「がん細胞」は、ある時から反撃を始めます。
それは「攻撃から身を守る、ある技」を身に付けたからですよね
まずは、この点をしっかり押さえてください
では、ざき流解釈「免疫細胞とがん細胞の攻防戦」の始まり~
『免疫細胞』からの攻撃を阻む『がん細胞』の技とは?
免疫細胞の最大の武器は【攻撃物質を出し続けること】です。
日常的に【攻撃物質】に破壊されている『がん細胞』…
何らかの原因※によって、ある日突然「攻撃をかわす技」を体得します。
※現時点では、原因は[遺伝子の変異等と深い関係があるらしい]との研究が進んでいるようですヨ
、《免疫細胞の弱点が、ブレーキにある》と知った「がん細胞」は
ブレーキボタンの‘ある特定の場所‘にくっ付けば、ブレーキを壊せることに気づきました。
「これで‘やられる一方ではないぞー‘」と、どんどん「免疫細胞」に腕を伸ばして「ブレーキを壊す反撃作戦」に入り、次々と「がん細胞の塊」を大きくしていきます。
ここで、免疫細胞の「アクセル」「ブレーキ」「PD-1」について再確認しましょう。
「PD-1」とは、免疫細胞が持つたんぱく質のひとつです。
こーんな形(説明不能です)
マウスの実験から、「PD-1(という‘たんぱく質‘)」がないと
免疫細胞が暴走し、自分自身の正常な細胞を攻撃してしまうことが解りました。
「PD-1」がないと、免疫細胞が暴走して心臓が肥大
ということは、この「PD-1」が、免疫細胞のブレーキ役に関わっているという証拠です。
はい、ここで2点目のポイントを
「PD-1」というたんぱく質だけが「ブレーキ」ではありません。
あくまでも、簡単に説明するだけに使われている表現であることをご理解ください。
実際のブレーキだって、使われる部品はメーカーごとに異なりますよね
免疫細胞のブレーキも「イロイロな種類のたんぱく質」で構成されています。
今後は「がんの種類によっても異なる、ブレーキに関係しているたんぱく質を阻害する薬剤」=【免疫チェックポイント剤】が出てくるでしょう。と考えています
車は「アクセル」と「ブレーキ」を、右足のみを使い上手く踏み変えて操作します。
ココロ密かに、この表現は車を運転した経験がない方には「?」じゃないかな~って思ってマス…
どうしても理解出来ない方、遊園地に行ってゴーカートで体験してくださいネ。
上手く進ままずに暴走しても、怪我はしませんので大丈夫。
または、自転車の「ペダルとブレーキ」でも構いません。
要は「自分の意志でストップさせることができない機械」であれば、何でも良いと考えています。
→ 大変失礼な発言ですみません。
では画像に戻って、がん細胞の反撃の技を見ていきましょう。
免疫細胞が持っている「アクセル」と「ブレーキ」。
上手くバランスをとりながら運転し、【攻撃物質】を出し続けています。
次に「逆切れしたがん細胞」の反撃です。
攻撃されたがん細胞は、このブレーキボタンを止めるために、腕を伸ばすのです。
このボタンを押された免疫細胞は動けなくなってしまい
その結果がん細胞は増え「がんは進行していきます」
どんどん、増え続けます…
今までのがん治療(免疫療法)は、
【攻撃物質をたくさん増やすコト】=「アクセル」を踏み込むこと
【免疫細胞そのものの数を増やすコト】=体外から免疫細胞を取り込むこと
主にこの二点が「がんの増殖を止めるだろう」と研究されてきました。
これに対し【免疫チェックポイント阻害剤】は、黄色いモノです
こんな形をしている理由もありますが、今回はパス…します
黄色い阻害剤は、ブレーキボタンを押している「がん細胞の腕」を振り払い
ボタンにくっ付いてブレーキを守るのです。
これ、あっち行け「ぺしっ!」
こうなると「がん細胞」は「免疫細胞」に‘くっ付く場所‘がなくなりますので
反撃する力がなくなるのです
よって「免疫細胞の攻撃力」は復活し、「がん細胞」はどんどん破壊されてていきます
以上の働きが解明され、治療薬が出来たこれこそが、《画期的な出来事》です。
たどり着かれた皆様、お疲れ様でした。
なんとなく、理解していただけたでしょうか?
実はまだ補足したいことがあるのですが…
私自身も‘エンスト‘起こしてしまいそうですので、次回に続きます
読んでいただいて有難うございました。