北杜市では教育ファームの一環として、市内小学校3年生を対象に、国語の授業「すがたを変える大豆」を通じて、子ども達が実際に土に触れて、大豆を育て、収穫、加工するまでの本物の農業体験が行える場を創出しています。
長坂小学校2023年12月6日、7日、8日
長坂小学校では、長坂ファームの堤さんにご指導いただきながら、子どもたちが年間を通して大豆の土づくり、播種、枝豆の試食、収穫、脱穀、選別をしてきました。
脱穀作業では、強風の中ほこりまみれになりながら作業しました。
今日は、そんなみんなの頑張りが詰まった大豆を使用して、『豆腐』を作ります!
豆腐づくりは、新型コロナウイルスの影響により中止していたため、数年ぶりの実施です。
今日の指導は、松井さんに来ていただきました。
松井さんは、様々なものをご自身で手作りしていて、大豆栽培から醤油や豆腐も作っており、田舎暮らしの楽しさを書いた本も出版しています。
そして今日は、子ども達の見守り隊として、地域の食生活改善推進員さんもお手伝いに来てくれました。
豆腐作りスタート
すがたを変える大豆作り教室の豆腐作りは、『五感』を意識しながら作業していきます。
見て、聴いて、嗅いで、食べて、触って、五感をたくさん感じながら豆腐を作っていきましょう。
前日に子ども達が大豆を必要量量り、よく洗い水に浸けておいてくれました。
冬場は20時間ほど水に浸けておきます。水を含んだ大豆は2.5倍程度に膨らみます。
子ども達に乾燥大豆と水に浸けておいた大豆を比べてもらいました。
大きさの違いや、感触の違いを観察しました。
次に、浸けておいた大豆と水をミキサーにかけ、「なまご」を作ります。
できたなまごを煮ます。
鍋の底が焦げやすいので、木べらでしっかりこすります。
なまごが沸騰して吹きこぼれそうになったら火を止めます。
ブワッと溢れそうになるので緊張する作業ですが、慌てることなく落ち着いて火を止めることができました。
泡が下がったら再び火にかけ5分間煮ます。
煮ている間も焦げやすいので木べらで底をこすり続けます。
なまごを煮ている間に次の作業の準備をしておきます。
さらし袋になまごを入れて豆乳を絞ります。
熱いのでやけどに気をつけながら、お友達と協力して絞ることができました。
さらし袋の中に残ったものは「おから」です。
その場でおからを少しだけ試食してみました。
「甘くておいしい〜!」
調理前のおからを初めて食べる子もいるのではないでしょうか。
おからは、各家庭に少しずつ持ち帰りました。おからを使用したレシピも配布したので、ご家庭でも食べてみてください。
絞った豆乳を火にかけて適温になったらにがりを打ちます。
松井さんから「打つ」の言葉の意味についてお話を聞き、撒き散らすことが豆腐をしっかり固める大切な作業だと教えてもらいました。
にがりを打ったらそのまま15分置いて固めます。
次に、固まった豆腐をおたまで木枠へ移します。
ペットボトルを重しにして、15分置いて水分を抜きます。
待っている間に、松井さんがご自身で作っているしょうゆの作り方をみんなに教えてくれ、もろみや塩を試食させてくれました。
いよいよ最後の工程です。木枠を外し、豆腐を水につけてにがりを水に流します。
木枠とさらしを豆腐から剥がす瞬間は、豆腐を崩さないようにみんなドキドキです。
水に10分ほど浸けたら豆腐の完成です!
どの班もしっかり固まり、とても上手な豆腐が完成しました。
いよいよ試食です。
最初は何もかけず、豆腐だけの味を感じてもらいました。
自分たちで栽培した大豆を使用して作った豆腐の味はどうでしょうか?
「売っている豆腐はあまり食べられないけど、この豆腐なら食べられる〜!」
こんな嬉しい声も聞くことができました。
新型コロナウイルス感染症の影響により数年実施できていなかった豆腐作り。
大豆が変化していく姿を実際に見たり、匂いを感じたり、舌で味わったり、手で触ったり。実際に「体験」することはとても大切な事だと改めて感じました。
すがたを変える大豆づくりは豆腐作りが最後の工程でしたが、この事業を通して、子ども達の五感を刺激し、子ども達が主体となって取り組むことで、自信に繋げ、心豊かに成長することを願っています。