ビラ入れ職務質問弾圧に対する抗議声明 | 借家人権利向上委員会

ビラ入れ職務質問弾圧に対する抗議声明

協力関係にある「スマイルサービス闘争を支援する会」から抗議声明が出ているので、転載します。


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ビラ入れ職務質問弾圧に対する抗議声明

                                                            08年8月2日

                                           スマイルサービス闘争を支援する会 

スマイルサービスとは何か?――広がる貧困ビジネス

私たちは、スマイルサービスという不動産業者に対して抗議活動と借家人の権利保護のための活動を行っている「スマイルサービス闘争を支援する会」(以下「支援する会」)です。今回、私たちが行っている抗議活動に関して、警察が介入するという看過できない事態が発生したので、急遽、抗議の声明を発表します。

(株)スマイルサービスは、東京都新宿区にある不動産会社で、主に都内のワンルームマンションの入居者の募集や契約を扱っています。JR中央線沿いに、ピンク色の派手な看板を出しているのでご存知の方もあるかもしれません。

この会社が扱っている物件は、敷金ゼロ礼金ゼロのいわゆる「ゼロゼロ物件」と呼ばれるもので、通常であれば、敷金礼金や仲介手数料を取られるのに比べ、入居時の初期費用を格段に安く設定しています。そのためか入居するのは、主にフリーターや外国人、仕事を失った人などが多いようです。

しかし、最近までスマイルサービスは、家賃が一日でも遅れた入居者に対して、消費者契約法に違反する家賃の10%と施設再利用料として15750円の違約金を徴収していました。現在、スマイルサービスは違法性を認め、返還要求のあった入居者に対してのみ返還に応じていますが、違約金を支払ったことのある全員に対しての返還は行っていません。そして、支払ってしまった入居者にしても、それが返還可能であることを知らされていません。

さらにいえば、スマイルサービスは、家賃を一日でも滞納したことを理由にして、入居者の承諾を得ず居宅に侵入し、鍵を交換し入居できなくするといったことを行っています。これは、刑法上の不法侵入にあたると考えられます。

このような営業は社会的な弱者を食い物にする「貧困ビジネス」と呼ばれ、最近大きな社会問題となっています。実際、スマイルサービスは、AERA(2008年7月7日号)誌上において、また「朝日新聞」(2008年7月17日朝刊)において、拡がる貧困層をターゲットにした、違法性が高い営業をしている会社として実名入りで報道されています。

ビラ入れに対する警察の介入を許すな!

私たちは、こういった不当悪徳企業であるスマイルサービスに抗議し、入居者に対し被害回復を呼びかける活動を行っています。これまでの呼びかけにより被害当事者が数名集まっており、すでに「スマイルサービス被害対策弁護団」が結成され、さらに多くの被害者を募った上で、集団提訴を今後予定しています。警察の介入は、この活動のなかで起きました。

2008年7月19日午後6時過ぎ、「支援する会」のメンバーが、スマイルサービスの管理する物件に対して、スマイルサービスによる入居者の被害を回復するための電話相談と集団提訴を呼びかける内容のビラ入れを行いました。しかし、その後、当メンバーが近くの飲食店に入り、出てきたところを中野署の警察官20名ほどに囲まれ、職務質問を名目に約1時間ほど拘束されることになったのです。

警察官は、110番通報を受けたためと話しましたが、はっきりとした容疑を説明せず、「カバンの中を見せろ」と執拗に要求し、メンバーが説明を要求すると、「ビラ貼ってたとか通報があったから軽犯罪法違反じゃない?」などと述べました。結局、氏名住所を明らかにする事を含め警察側からのすべての要求を拒否し、およそ1時間後に解放されました。


しかし、被疑事実も明確ではないまま軽犯罪法違反の容疑で「任意の」職務質問のため1時間近くにわたって路上で事実上拘束されたという事実は到底看過できません。


まず、職務質問はあくまで任意で行われるもので、令状なしに身体を拘束し自由を奪うことはできません。しかし、今回、何度説明を求めても、警察側は職務質問を行う根拠を明確にしませんでした。

私たちはこのような110番通報を根拠にするだけの行き過ぎた職務質問に対し、はっきりと抗議します。


スマイルサービスはビラ入れへの妨害を謝罪しろ!

そして、今回の職務質問の現場にはスマイルサービスの従業員も10名ほどが一緒にいたことがメンバーによって確認されています。ビラ入れを警戒していた従業員が、卑劣にもメンバーを尾行の上、110番通報を行ったものと推測できます。


しかし、事実として、当メンバーが行ったのは、公共道路に面した集合ポストにビラを投かんしたことに過ぎません。


今回のようなことがまかり通るなら、このたびのような110番通報を利用した嫌がらせが可能となり、紛争中に一方の当事者が短絡的に110番通報し、警察に介入させるということが可能となってしまいます。警察はあくまで民事不介入であるべきであって、一方の紛争当事者の利益になる行為は厳に慎むべきです。

私たちは、スマイルサービスが、自分たちに都合の悪い事実を知らされることを避けるために管理権を濫用し、入居者の知る権利を侵害していることに対し強く抗議し、ポスティングへの妨害行為をやめるよう要求します。そして、いたずらに警察権力の導入を図り、自らの責任を回避し逃亡しようとする姿勢を弾劾し、明確に謝罪を求めます。

警察は任意の職務質問による不当な拘束をやめろ!
スマイルサービスはポスティングへの妨害を謝罪しろ!
スマイルサービスは、入居者に対する不法行為をいますぐやめろ!