少し前のこと。
千葉県警が「振り込め詐欺」の「受け子」とみられる人物の写った動画を公開した。
被害者からお金を受け取った若者が、タクシーに乗り込み、「まず動いて」と行き先を言わずに発車させてから、携帯電話で誰かに行き先の指示を受けていた。指示された行き先を告げたが運転手からそこは営業区域外でいけないと言われて、仕方なく一旦車を戻し、携帯で先の指示者らしい人物に「運転手がいきなりめんどくさいんですけど」と言っていた。
妻と二人でその映像を見ていて思わず吹き出した。
「いきなりめんどくさい」がいかにも今の若者風な気がしたのだ。
そんな言い回しが今は若者たちの間で流行っているのかと思った。
「いきなり」という、唐突な出来事の変化を意味する言葉が、若者の、想定しない事態にぶつかった気分を うまく表していると思った。
これは全くの誤解だった。
ネット上のニュースによれば『(動画を見て寄せられた)情報の30件以上が仙台市周辺の住民や出身者からだった。住民らは「いきなりめんどくさい」との男の発言について「仙台弁では」と指摘。「いきなり」は仙台市周辺や福島県北部などで「すごく」や「とても」などの意味で使われることがあるという』ということだ。
そして、動画に映っていた本人が母親に付き添われて出頭した。仙台在住だという。
以前「たちまち」という言葉を「今すぐ直ちに」という意味で使う四国出身者と知り合いになったことがある。
言葉はとても興味深い。