先ほど大石静『四つの嘘』を読み終えました。新聞の夫婦特集で先日大石静の場合を読み、関心を持ったので彼女の『ねこの恋』を探したのだけれど、町の図書館でも本屋でも見つかりませんでした。代わりに図書館から借りてきていたのです。
最後の1/4くらいは今朝から読んで読み終えたのですが、その中で「あ。ここは書きとめておこう」と思った場所がありました。郵便局に行ったついでに入った喫茶店で出くわしたので、後で書こうと思って頭にしまっておいたはずなのに、読み終えてみたらもうどんな場面だったか思い出せません。
探すのも面倒なのでこのまま本は今日の内に図書館に返してしまいます。
私が思い浮かべたことはきっと二度と甦ることもないままそれきりになってしまうのでしょう。
最近、そういうことが増えてきました。
小説は女子高から40台までの四人の女性の出来事をかいたものです。
女性の愛とか性とか友情とか母親と娘の感情のやり取りとかが、四人のそれぞれ個性も運命も異なる女性たちの係わり合いで描かれています。
今観ているテレビドラマ『ひとがた流し』も三人の女性の数十年にわたる友情が描かれています。
たまたま平行して同じような素材を扱った小説とドラマを見たのですが、その違いと共通点に面白さを感じた。
先日、NHKで女性映画監督たちの活躍を描いたドキュメンタリーを観ました。すでに小説の世界では女流の活躍は男性を凌駕する勢いですが、それほど時間をおかずに映画の世界でもそうなるのでしょうか。小説よりはだいぶハードルが高そうですが、それにしても、彼女たちのパワーはすごいと改めて感心しました。
先日『マウストラップ』という芝居を観ました。妻と一緒に観たのですが、原作がクリスティーで、妻はクリスティーの大ファンで邦訳された作品はほとんど読んでいます。題名も違うし読んだのも何十年も前だったので、最初は何の話かわからなかったようです。しかしそのうちに登場人物の名前がどんどん思い出されてきて、途中でミステリーの結末がわかってしまいました。
途中の休憩の時に私にその秘密を話しそうになったので、私は聞きたくないと言いました。
後で聞くと後半はずっと私にその後どうなるかを言いたくて仕方がなかったそうです。
そんなわけで彼女は、「面白さは半分ね」と言っていました。
淡路恵子が出演していたのですが、彼女を見られたことが最大の収穫だったと言っていました。
「二度の離婚や息子たちの死とトラブルを乗り越えてあんなにもがんばっているなんて、私もこれからだと思った」のだそうです。
確かに舞台の彼女はとてもきりりとして素敵でした。