最終回リピしすぎて
まだアリスロスの実感がありません
とか言っておきながら、先日ドラッグストアで太陽と花が流れた瞬間のわたしの固まりようと言ったら完全に邪魔な人だったし、そのまま4分41秒ヘアケア用品の前から動けなかった事実は動かしようがないよね。アリスロスつらい。
10話感想、書きたいことが多すぎて前後編に分けました前編は西門さんのことを書いてたら終わってしまいました。いろんな人に笑われました。えっ?
後編いってみよう!(ノ´▽`)ノ
いきなり始まりますのでご注意下さい~。
そして追い上げます上野樹里です。
いやー…これはね、なかなか見れないよ。こんな役者ほかに知らないよわたし。出会って何年も経つのに毎回こう思わされるのは、いったいどういうことなんだろうかほんとに。
と、この場面をじっくり見るのも十数回目なのでいろいろ考えちゃうわけなんですけども。
やっぱり、彼女が役者として人一倍秀でている要素というのは、役への深い理解なんだろうと思っていて。水野明日美に寄り添い、理解する。感情の、表情の、仕草の、言葉のすべてを自分のものにする。テンションじゃない、単なる感情移入じゃない、理解から生まれる本当の感情。
昔、声優をしている先輩が大学に講演に来てくれて「自分が、演じる役にとっての一番の味方になる。どんな姿や感情も受け入れる、理解する。」と言ってまして。役へのアプローチの仕方っていろいろあるけど、ヒントとして素晴らしいと思ったのでよく覚えてるんだけど。今回明日美を見ていて思い出しました。
だって、わたしにはいまいち理解出来ないとこあるもんね。明日美ちゃん。それを樹里ちゃんが血の通った女の子として表現してくれるから、目の前の彼女のことを好きだと思うから、ドラマに感情移入することができる。この役、結構ネタキャラになりがちだと思いますよ。樹里ちゃんの明日美を見ているから全然そんな感じしないけど。
そういう、天から授かった感性みたいなものに加えて、樹里ちゃんはお客さんからどう見えるか、前後の流れに沿うかどうか、作品の中でどういうポジションかをも理解して立ち振る舞う事が出来る。彼女の強みは優しさと、賢さと、冷静さ。どんな場面であっても、明日美の声が必要以上に張っていないところにいつも惚れ惚れしていました。これが出来る人は少ないよ。
そもそも、最終回でこんな今までで一番怖い顔と今までで一番怖い声を目撃する事になるなんて思わなかったよね…!震
4話で虹を見た瞬間の表情も、初めて見た表情でしたけど、この最終回の目白押しっぷりは半端じゃなかった。怖いけど眼福。ずっと見ていたい。
塚原監督の映像もやっぱり超絶かっこよかった。メリーゴーランドのところ、明日美の心臓の鼓動と同化する気がした、映像の力で。こういう効果に注目してしまうのはミーハーかもしれないけど、何しろ痺れるほどかっこいいんだから仕方ない。
この、壁に貼られた紙が増えてくとこもねー!大好き…!
明日美は15年追い続けた黒幕を、おいちゃんを赦した。彼女の葛藤もまた、胸に迫ってきてがしがしかき乱されました。もうため息が出ちゃうよ。自分だったらどうだろう?親の仇をこんな風に抱きしめる事が出来るだろうか。そもそもわたしだったら復讐しないとか思ってたわけですけど、だからこそ明日美の決断の大きさが痛いほど伝わってくる。
だって15年。復讐される側からしても残酷なタイムラグ。明日美本人にとってそれは、突然現れた事件ではなく、毎日毎時間毎秒、ずっと抱えてきた時間で。
想像を絶する光景を前に、共感よりも少し浮いた場所で、ただ、彼女の選択を見守るひとときでした。眩しすぎる夕日に照らされて、まるで時間が止まったみたいだった。
Twitterでもみんな言ってたけど、最終回だけ見ても突っ込みどころは確かにあるよね。水野姓はノーマークすぎか!とか、パイ食べるひまなかったねとか
唯一、本当に残念だと思うのは、明日美とおいちゃんの繋がりを描いた場面が少なすぎたんじゃないかなあということです。明日美が養女になったのは聖林病院に入局する前。そこから積み上げてきた交流(主に店でのやりとり)しか、わたしたちは見ていない。
逆に、存在感が大きすぎると不自然だったと思うので、9話まではあれでいいとも思うんだけど。
最終回、ちっちゃい明日美ちゃんとの場面が少し入って、補完出来るんだけど一瞬過ぎる。ここがもう少し膨らんでいたら、より共感が増したんじゃないだろうかと思うのでした。まあ、最終回のあの情報量の中で、あれが精一杯だったんだろうけれど。
でもね、アリスの棘は明日美の成長物語だった。第1話から明日美にいろんなことが起こり、沢山の人と交差し、成長を重ねてきて、その結びとして彼女の笑顔を見る事が出来た。
だから、わたしは大満足です。同じ方向を見てものを作るっていうのは、ちゃんとコミュニケーションがとれていないと難しかったりする。チームアリスは、一回もブレなかった。これを江のときにどれだけ切実に望んだか。いや、具体的にどうだったかは知らないよ。でもテレビの前でわたしが見守った作品は、ブレてなかったから。
あと単純に、物語の締めくくりとしても満足してます。
復讐は復讐を呼ぶということ。誰かを傷つけたら自分を傷つけた人と同じになってしまうこと。
今までどうしても出来なかった未来への目の向け方を、この物語の中で、明日美はちゃんと手に入れた。人として大きく成長して、これからも医者として生きていく。わたしたちは、観客としてその真ん中のひとときを共有させてもらった。そのことが、ただただ嬉しいんだよね。明日美のことがちょっと好きすぎるんだよね…!
わたしにとって大切なのは、完璧だったかどうかじゃないんです。良いものを見た。そう思えたからとことん褒めちぎるよ。
アリスの棘って、一度大切な誰かを失った人たちが、もう一度誰かを守ろうとする物語でもあると気付いてまたちょっと泣きそうになった。明日美も、西門も、有馬だってそうだった。そしておいちゃんも。
ある意味ではおいちゃんが明日美の未来を守ってくれたとも言えます。磐台、有馬が生きていたら、明日美を取り巻く復讐の連鎖はこれからもずっと続いてしまう、かもしれない。それこそ、胸を張って生きて行くことはできない。自分の過去、罪と決別するための行動だけど、どこかで明日美のためでもあったのだという気がしています。最後の「じゃあな」は、ぐっときすぎて目をそらしてしまうほどだった。梅雀さんでなければ。この人でなければ、というお芝居を見られるのは幸せなことです。アリスのキャスティングは全部よかったなあ。
ただ、この人がいますけど。
な~ぜ~起~き~た~~(((゜д゜;)))
シーズン2!?シーズン2なのですか?!まほこP~!
伊達先生だって、悠真先生のこと殺したんだからすぐには出てこられないと思うけども。心底反省したかもしれないしね。あはは
鈴ちゃんも、お母さんと一緒に病気と闘っていくのですね。西門さんと明日美の表情がとても良いです。鈴ちゃんがんばれー
健太君もね。美羽に言い放った「行き遅れ」がじわじわとわたしの心を締め付けるよ。
そうそう、この子も好きだったの。陽だまりの彼女にも出てた山本ひかるさんSHELLYさんみたいなキャラで可愛かった。
ついでにもう一枚。明日美が時計を見る仕草が大好きでした。これはもう理屈じゃないのよ。そもそも、この感想に理屈なんぞ1ミリも見当たりませんがw
ところでこの二人。
ぎゃんかわすぎて呼吸停止をまぬがれない…リピすればするほど胸が苦しい・°・(ノД`)・°・西門さん、明日美の未来を守ったあなたは小山内先生への償いを終えたし、むしろ感謝されてもいいレベル。
というわけで、心置きなくどうぞ(・∀・)/
ま、明日美がオックスフォードへ行っている間によく考えて下さいよ。巡回医療に出ちゃったら遠恋になるわけだしそのへんもじっくりと。わたしもその間に頭冷やすから。
だってさあ大変なんですよ。今日なんか西門さんと明日美のその後を考え始めたら止まらなくなっちゃって、二人は結婚しそうな感じはあまりしないけど、もしすることになったら結婚式はあの教会で写真だけ撮るかなとか想像しちゃって。式には興味なさそうに見えるけど、明日美が「送りたい人がいるから」って言って。
美羽が子ども二人くらい連れて見守ってて、また夕日が超絶眩しくて。その写真を受け取ったおいちゃんが静かに涙するところまで脳裏に描いて、危うくもらい泣きするところでしたからね。
自分の想像力が豊かすぎて怖い。
はい、お付き合い下さりありがとうございました。
むしろここまで読んで下さった方っているの?(´∀`)
アリスの棘はすごく好きな作品になった。今はそれだけで幸せで、当分リピし続けると思うけど、他にも沢山の作品に出会って視野を広げておきたい。
樹里ちゃんは、次はどんな女の子に会わせてくれるんだろう。なんていうか、受け止める感性を磨いて待ちたいなと思うのです。彼女がいつまでも瑞々しいように、わたしも瑞々しい感性を育てていきたいな。
いろんなことを考え、あれこれと悩み、毎週のように心を揺さぶられ、ひとつの物語を見届けた三ヶ月間、本当に幸せだった。
「明日はきっといい日になる」って、シンプルでストレート、ちょっとゆるふわ系(笑)っていうか、優しいんだけど、そう出来るかどうかは自分次第という、心に火のともる言葉。ガッと温度を上げる言葉だと思う。その感触が「心の家族」にちょっと似ている。ずっと大切にしたい言葉になりました。
明日美、ありがとう。
どうか元気で!