花に嵐のたとえもあるさ さよならだけが人生だ



最近、あまりに有名すぎるこの言葉が頭から離れない。


諸々きっかけがありよく耳にするし(最近大ヒットなアノ映画のラストシーンもなぜか、この

台詞で締めくくられてたし!)自然と目に留まるのだ。


ご存じ、井伏鱒二の「厄除け詩集」に収められている’勧酒’の中の一句。

原文は于武陵で、井伏氏の解釈はまた微妙なニュアンスである。



 勧 君 金 屈 巵
 満 酌 不 須 辞
 花 発 多 風 雨
 人 生 足 別 離


 コノサカヅキヲ受ケテクレ

 ドウゾナミナミツガシテオクレ

 ハナニアラシノタトヘモアルサ

 「サヨナラ」ダケガ人生ダ



人の一生、気がつけばお別ればかり。あーあ~・・・切ないわん。

しかし、だからこそなおさら、まだ見ぬ一期一会に思いを馳せる愉しみもあり。

どうせなら図太く「一期百会」ぐらいの心意気でいたいと思う今日この頃。


寺山修司の如く「さよなら主義」を貫ぬこうかしら、私も。



つまり、偏に風の前の塵に同じ、ってことで。

後ろを振り返ってもそこには何もないことだけは確かである。