土佐酒蔵元の社長 と酒を酌み交わした、一期一会な夜。
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元来無類の酒好きの私。
甘めのもの以外はすんなり身体が受け付けてくれるらしい。
土佐酒LOVEの悪女な友人よりご指名預かり、ひとつ返事で同席させてもらうこととなった。
場所は、東京の片隅にあるそば酒房兼アンテナショップ。
こちらは、おそらくお誘いがなければ決して足を踏み入れることのない裏通りにある。
案の定、地図の読めない私は軽く迷子になってみる。
地方出身者としてつくづく思う。
東京のいいところは、おそらく一生かかっても発見しきれない「お宝」みたいなものがいたる
ところに埋まっているであろうポテンシャルがあること。
(時々不意打ちの地雷かもしれないが)
そして、自らが飽くなき「お宝発見隊」であることが、東京で生き抜くコツだということ。
どのような会だったかは上記をご覧いただければお察しいただけると思う。
ウメーウメーとおかわりを頂いていたただの酒飲みです、ハイ。
私はお酒を愛してやまないが、残念ながらウンチクを語れるような知識や言葉は持ってい
ない。
一応簡単に感想を述べると、飲み口のバランスも取れ、ヘタに酔わない日本酒というのは
麻薬と同じだということ。
久々にヒットな銘柄にありつけることができた。
http://www.toyonoume.com/utyushu.html#utyushujundai
蔵元の社長も日本酒を愛し、使命感を持って土佐の地とともに生きるオットコ前だった。
ほろ酔いのせいで赤いハッピのお姿が坂本竜馬に見え・・・・・・・・てはいない。
日本酒にまつわるたくさんのお話をお聞きしたし、我々コムスメの戯言?にも真剣に耳を傾
けてくださった。大人の対応ができるオトナというのはこのことか。
盛り上がりも佳境でそれぞれが楽しく会話している最中、社長の何気ない一言で思わず我
に返る。
それは「高知県という田舎で生きること」に対する答えでもあった。
こちらも酒気帯びなので正確に聞き取れなかったかもしれないが・・・捉えたニュアンスは正
しいと思う。
「物事、表と裏があるんよ。悪い面をみたら何もないし、働き口もないから若者も就職で都会
へ流れている。
でも、豊かな自然やお酒だってあるやろ。それはいい面やと思う。要は、今自分がいるところ
でどう生きていくかだと思うんやけど」
近頃、東京だからこそ田舎を持つ人間は会話のネタになり得るという恩恵を受けまくっていた。
おかげで新しく出会う人たちにとってはある意味忘れられない人となっていた。
生まれ育った土地に感謝!などとじんわりと思っていた矢先なだけに、魔性の日本酒のごと
く、何気ないこの言葉がすんなり身体に染み込んできたのだ。
酔っぱらって記憶が飛んでしまう前に、脳ミソにも焼きつけなければ・・・
私も十二分にラッキーな人間のひとりだということを。
次に社長にお会いする機会があれば、そのことは伝えてみようと思う。
楽しかったな・・・
ここには書ききれない諸々の出来事は当面大切にしまっておこう。
土佐に生きる人たちが自らの魂をかけて作り込んでいるお酒の数々を名言とともに堪能した
夜、気がつけば私はアイデンティティという名の唯一無二な杯を手にしていたのである。