本館で公開させて頂いているのですが、あんまり素敵なのでこちらでもドキドキ

tempo.2.0 のsunnyさまの蓮誕素敵イラストがななんとフリーになっていたので、喜び勇んで頂いて来ちゃいましたーっ

一目見て一気にイメージが膨らんでしまって『おおお、お話押し付けさせて貰っていいですか!?』と申し出たところご了承を頂けたので、SSを書いてみました。ありがとうございます、sunnyさま♪

凄ーく甘い感じのらぶらぶイラストなので、私なりに甘いお話に仕上げてみました。

サイト名の『SWEET!』の名前を変えなくてすむ感じに仕上がっていたら嬉しいです。

…最近ちょっと、怪しくなって来てると自分でも思いますので…はい~あせる


素敵イラストってどんなのどんなの?と言う方、どうぞ♪

もー、ニヤニヤが止まりませんよっ




*BIRTHDAY NIGHT*

2月10日、敦賀さんの誕生日のこの夜。

私は彼に連れられて、都内にある隠れ家的なレストランに連れて来て貰っていたの。

大切な日だから『お部屋でご飯を作りますよ』と申し出た私に、

『せっかくの日だから、外に食事に行かない?そうすれば、キョーコが料理に集中している時間も全部俺だけの時間に出来るし』

そう言って敦賀さんは、ふわりと優しく笑って見せて。
そんな笑顔に胸がドキドキと高鳴ってきてしまった私は、その言葉に頷いて見せるしかなかった。

やって来たそのレストランは、可愛らしい飾りの施された黒い瀟洒な門に囲まれた、一見豪華な個人のお宅のような外観で。

けれど、開かれた門を車で中に入って行くと、綺麗にライトアップが施された白亜のお屋敷が見えて来た。

並んだ大きなフランス窓からはシャンデリアが照らす温かな灯りが漏れ、白いクロスが掛けられたテーブルが並ぶ様子が見て取れる。
そして広いお庭には噴水があって、さらには様々な色合いの冬咲きの薔薇が咲き乱れていて、とても綺麗だった。

まるで外国の映画の中に出てくるようなそんなお屋敷は、事実、明治時代に外国の外交官の方が住んでいた邸宅を改装して移築したものだと敦賀さんが教えてくれたわ。

そうしてポーチを抜け大きな扉の前に車を乗り付けると、心得たお店の方が敦賀さんから車の鍵を受け取り、私達2人を室内に招き入れてくれた。

「…わあ、素敵…」

室内を見た私は思わずそう、溜息交じりに呟いてしまう。

大きなドアを潜った私達が目にした室内は、正面にある飴色に磨き上げられた大きな階段を中心にした、金と銀の華やかな調度品に彩られたホールになっていたの。

そこはまるで、私が憧れるお姫様が住むお城みたいな内装で…
大感激してしまった私は、隣の敦賀さんを仰ぎ見る。

すると、私を優しい眼差しで見下ろしていた敦賀さんは、

「お気に召して頂けたかな、俺のお姫様?」

そんなことを言うと、私の掌を掬い取り、自然な仕草でその指先に唇を押し当てた。

「…つ、敦賀さんたら…!」

彼のその台詞に、そしてそんな場面をコートを受け取ろうと待ち構えるお店の方にしっかり見られてしまったことが照れ臭くて、私は顔を真っ赤にさせてしまう。

照れる私に笑った彼は、私の代わりに肩からコートを落として…
その途端、少し驚いた顔をして見せた。

今夜のお店はドレスコードがあるということを聞いていた私は、モー子さんに頼み込んで一緒にドレスを選んで貰っていたの。

モー子さんの見立ててくれた黒いドレスは、細やかなレースで縁取りがしてあるタイプのもので…
ウエストを絞ったそのドレスは、ふわりと裾が広がり、シックな中にも私好みの甘さを含んだものだった。

けれど…
実は、ちょっとしたセクシーさも隠し持っていたの。

それは、大きく開けられたその背中。

『モッモー子さん、ちょっとこれ、背中が開きすぎじゃないかしら…!?は、恥ずかしい…!』
『バカね、誕生日のデートでしょ?それくらいサービスしてあげなさい』

そんな会話をお洋服屋さんで交わした末に、覚悟を決めて選んだドレスだったの。

…敦賀さんのドレスの感想は、如何なものかしら…?

私の背中を見つめる敦賀さんをドキドキしながら見上げると、

「素敵なドレスだね、よく似合っているよ」

そう優しく言ってくれたけど…

ちょっと、その頬が強張っているように思えたのは、私の気のせいかしら?

今夜の敦賀さんも相変わらず素敵だった。

フォーマルな黒のスーツにネクタイ、ワインレッドのシャツ。
そんな姿は先ほどお庭で咲いていた薔薇みたいに華やかで艶めいていて、やっぱり相変わらずの美貌にもドキドキさせられてしまう。

そうして、案内されたテーブルは襞がたっぷり取られたベルベットのカーテンで仕切られた個室になっていて、大きく庭に面した窓からは、綺麗に咲き誇る薔薇が一面に広がっている様子が眺められる特等席だった。

月の光を受けた薔薇の花園は、幻想的な景色を私に見せてくれて…

そんな光景に瞳を輝かせた私は、お料理のオーダーの後、個室なのをいいことに窓に近付き歓声を上げてしまう。

「綺麗…すごく、素敵…!」

そう叫ぶように言った私を、苦笑気味に笑った敦賀さんが抱き締めてくる。

見上げれば、そこには優しい敦賀さんの瞳があって…
自分を見つめる彼の瞳に、自分の頬が嬉しくてぽわんと染まるのが分かって、私は困ってしまう。

「…敦賀さん…今日は敦賀さんのお誕生日なのに、私ばかりが楽しんじゃっている気がします。これじゃいけません」

ぷくんと頬を膨らませると、背後の敦賀さんが瞳を細める。

「そう?俺も今夜は、ものすごく楽しいんだけど。君が幸せそうだと、俺も幸せなんだよ」
「もう、またそんなこと言って」

にこにこ笑っている敦賀さんを見て、私はもっと困ってしまう。

せっかくの敦賀さんのお誕生日なのに、何も出来ないのは寂しいわ。
誕生日プレゼントだって、『ずっと傍にいてくれれば、それが最大のプレゼントだよ』なんて言うし。

ずっと傍にいるなんて…そんなこと、当たり前のことなのにね?
何をしたら、敦賀さんは喜んでくれるかしら…?

考えるけど、考えれば考えるだけ分からなくなった私は、自分がしたいと思うことをすることにした。
『私の幸せが敦賀さんの幸せ』ならば、それを実行に移すことにしよう。

そう決めて、敦賀さんの腕の中でくるりと振り返った私は。

「敦賀さん、お誕生日おめでとうございます」

SWEET!

そう囁いて…
伸び上がるように背伸びをすると、その唇にちゅっとくちづけた。

男の人にしては厚めのその唇は、とても柔らかくて心地がいい。
その感触は、堪らなく離れ難い気持ちを私に抱かせて…

もうちょっと触れていたい。

そんな気持ちが、私のくちづけの時間を長引かせた。

キスがこんなにも幸せなものだってことを…私は、敦賀さんに教えて貰ったの。
だからこそ、半分でもいいからその気持ちをお返ししたい。

…そう思って、そろそろと瞳を開けたら。

「…ありがとう、キョーコ…」

とっても近い距離に彼の艶々な唇があって、そう囁くなり、お返しみたいに瞼にくちづけられた。

それから額に頬に、そして、唇に。

くちづけの雨が降りて来て、その優しい感触に嬉しくなった私は、敦賀さんにぎゅうっと抱き付いた。

「約束して下さい、敦賀さん…来年も再来年も、その先もずっと…ずっとこの日を、一緒にお祝いさせて下さいね…」

言うと、敦賀さんの腕が私を抱き締めて。

「勿論。それは俺がお願いすることだよ。ずっと傍にいて…それから、俺からも君に、約束して貰いたいことがひとつあるんだ」
「…敦賀さんが、私に約束して貰いたいこと…?」

きょとんと見上げると、困ったように笑った敦賀さんが私の耳元にこそこそっと囁いて…

…その囁きに、私は堪らず耳まで真っ赤になってしまう。

『そういうセクシーなドレスは、俺の前だけで着て。その背中は俺だけのものなんだから…今夜、2人きりの時に十分に堪能させて』

敦賀さんはそんなことを、私の背中をするりと撫で上げながら言ったの。

背筋に甘い痺れが駆け上がって、身体がとろりと蕩けてしまって…

私はどうしようもなくなってしまう。

どうしよう。
今夜はこのまま、敦賀さんのお宅にお泊りなのに。

…この後の夜のことを思わず考えた私は、更に更に顔を真っ赤にさせながら…


甘い夜に期待を込めて、真っ赤な頬を両手で包む彼に、こくんと頷いて見せた。




*END*


以上、敦賀さんお誕生日話第二段でした★
話がイラストの邪魔になっていないといいなあ…

sunnyさま、素敵イラストを本当にありがとうございましたv

ではでは。