I was born to love you  後編




それからは、大変だった。
まず、俺がコーンであることを信じてもらう必要があって、話をしたけれど敦賀蓮のままでは、信じてもらえない。

久遠の姿になって、やっと信じてもらえた途端…父さんの事を話したら…嘘つき呼ばわり。

色々と嘘をついていたことを何十回、何百回と謝って、やっと赦してもらって、嬉しくて好きだと伝えたら…信じられないと言われる始末。

その間…君はどんどん綺麗になって、タレントとしても女優としても花開き活躍していく。
純粋な…男に染まっていない君に馬の骨は増えていくばかりだ。




君を想う年数が両指を折り始める。


俺の想いは受け入れてくれないくせに…毎年誕生日を一緒に過ごしてくれるのは何で?

俺は、君を諦められるような大人でもなくて、欲を持たない無邪気な子どもでもない。

もう、今年は逃してあげないよ。

決意を胸に、もうすぐここに笑顔で来るだろう彼女を待った。



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「どうしたの?久遠…」

「ん?少し昔のことを思い出していただけだよ?」

「昔?」

キョトンと不思議そうに首を傾げる可愛い人を抱き寄せる。

「キョーコがなかなか俺の愛を受け取ってくれなかった時の…ね」

「も…もう…仕方ないじゃない!芸能界一良い男って言われてる尊敬する敦賀さんが私のことなっんんっんっ」

最後まで言わせず、その柔らかい唇に口づけた。
深くなる前に唇を名残惜しそうに離すとキョーコは顔を赤くして怒る。

「もっもう///口紅が落ちちゃうじゃないですか!!」

「ああ…やだなぁ・・・こんな綺麗なキョーコを皆に見せるの」

「何を今更…もう!行きますよ久遠」

思わず敬語に戻りながらも、両手でぎゅっと俺の手を握る彼女に破顔した。

窓からそよ風がキョーコのベールをふわりと揺らす。

「I was born to love you」

「へ?何か言った久遠??」

風に気をとられて聞こえなかった君。

「いや…じゃあ、行こうか・・・お姫様…お手をどうぞ?」

「はいっ///」

真っ白なドレスに身を包み、はにかんで笑い俺を見上げてくる彼女に…俺はまた恋をする。



今日  俺と君は  家族になる。




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I was born to love you

僕は君を愛するために生まれてきた







メルシールーさま、ありがとうございましたv