里親名称問題と偽善と動物愛護 【メール編】 | ぬるく愛を語れ!WEB漫画~児童養護施設で暮らしたあのころに~

里親名称問題と偽善と動物愛護 【メール編】

前記事の続きです。。

前回のAさん
クローバー掲示板編
クローバーメール編
クローバーあとがき

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【**月10日追記・メール編】

掲示板に最後の書き込みをすると
私への不満が書き込まれました。

とりあえずウィンドウを閉じて終わりにしました。
荒らすのが目的ではなく、
困っている犬猫ちゃんに罪はないですから。


しばらくすると、、
掲示板で収まらなかったAさんから直接メール(メッセージ)が届きました。
(どうして掲示板のやり取りでメールに?そう勘繰るアナタ、そう、色々と背景を暈しているのでお察し下さい)
内容はとてもここには書けないもの。

人にみられないメールでは裏の顔全開。
私を「捨て子」、「孤児」「施設育ち」「里親育ち」
と思い込んでいるAさんのメールにあったものは……

・親のいない子は皆あなたみたいなんだろう
・孤児があなたみたいにひねくれているから日本の養子縁組は進まない。
・親のない子を育てようと思ったけど、皆があなたみたいなのならやめたくなった。
・家族自慢

こんな事が皮肉たっぷりに綴られています。


私の人格まで否定してきます。
そのうち郵便ポストが赤いのまで私のせいにされそうです。

ペットを家族として人間と同じように愛します。
自分は慈愛に満ちた優しい人ですよと見せる表の顔とは裏腹なもの。

この方、とうに成人し独立した子供さんがおられるそうです
この方が里親希望してたとは……
恐らく周囲にも、里親みたいな慈悲のある活動が似合う方だと思われている方なのでしょう。



そこで返信。
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こんばんは
メッセージありがとうございます。

掲示板ではすっかり話がそれてしまい
皆様に迷惑をかけてしまいました。
それでもこういう話題に触れる事で
後々誰かの心に何かが芽が生えればと思います。

Aさんともお話できて良かったです。
ただ、Aさんがどういう人生で
そのような偏見や差別意識を抱いたのはわかりませんが
Aさんの言葉を 親の無い方や、
施設の子供達が聞いたらどう感じるでしょう。
それを冷静に考えて欲しいです。

ちなみに個人情報を出すつもりが無いので
自分の家族については言及しませんが
あなたの読みは全て外れています(笑)

> ********
>
> ********(メール引用部)

Aさんに何か事情があるにせよ
私を捻くれていると感じるならば
他人の子供を育てるのは難しいと思います。

愛情に飢えた可愛そうな子供は痛々しくおとなしいだけではないです。
今の施設の子供達は虐待やネグレクトを経験しているので
問題を抱えている子供も多く、一筋縄ではいきません。

そのあたりよく勉強されるほうが宜しいかと思います。

ちなみに里子と養子縁組は全く別物です。
これもよくお調べになるのをお勧めします。

>******(相手のメール引用部分
>
>
>
>
>
>
>
>
>
>******(相手のメール引用部分

全ての問題を自分の気に入らない人のせいにするのもおやめになったほうがいいです。
人間性の成熟度が低い人とみなされます。

私は動物達に愛情を注げるAさんは素敵な方だと思います。
だけど人に対しては少し思い込みが激しいようなので、
まず、人を貶める前に相手を知る努力をするべきだと感じました。

生意気言って申し訳ありません。

ご自身の慈悲をアピールするために施設に働きかけるのはいいですが、
里親、養子を考える前に、その偏見や差別心を取り払ってくださいね^^


さり


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抑えていますが感情的になっているのは否めません。
抑えようとして変な文面になっているのも認めます。
最後のあたりは挑発しています。
修行が足りません。


さらに掲示板で私の書き込みに対する掲示板の反応を見ていた、
「冒頭のメール主(動物愛護の人)」からメールが届きました。
それは「愛護」を謳いながら「愛誤」になってしまった方々の攻撃を憂うものでした。
愛誤という言葉も初めて聞いたのですが
愛誤とは自分達の目的のために他の事が見えなくなっている動物愛護の方のことだそうです。
2段階があります。

・ 愛誤:動物が可哀想という感情論だけで、議論を交わすことができない。
・ 真性愛誤:過剰な動物愛護を主張し、相手の話を聞かない。



そうこうしているうちに再び戻ってきたAさんのメールは
初回のメールより更に酷いもの。
それもやはり施設で育った孤児をこれでもかとこき下ろす内容でした。
メールは転載できないので要点だけ。

・血の繋がった子ならいつか分かり合えると信じるられる。
・血の繋がりの無い子は遺伝子レベルで怖い。
・自分の子供はとても優秀。
・引き取った孤児が、育ててみたら貴方みたいな子だったら嫌
・あなたの親にだけはなりたくない。
・子どもを引き取りのはやめると決心がついた
・里子と養子の違いくらいしっとるわ!
・自分は正しい事を言ってるから沢山応援のメールが届いてる。あなたは?pgr
(意訳)


私の所にもあなたの仲間から沢山のメールが届いていますとも。
(「二度と来るな!」とか、「だから親に捨てられるんだろ」とか)


ともかく
親の無い子が一番痛いところはどこかと探りながら爪を掛け傷を広げるような…
こういう残忍性は誰にでも備わっているものなのでしょうか。

表では
「親の無い子を引き取りたい」「傷を癒したい」「施設に物資を送ってる」
と書いてる方です。

これ以上無駄にメールをやり取りしても仕方ないので
最後に、ずれてしまった内容を修正してメールを送りました。



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【内容】さりからAさんへ
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里親と養子の違いを簡単に書いてておきます

里親には簡単に分け4通りの種類があります。


■養育里親■一定、或いは社会的に自立できるようになるまで養育する。
■短期里親■一年以内の短期の養育をする
■専門里親■2年以内の期間を定めて、虐待を受けた経験があるなどの子どもで家庭的な援助を必要とする子どもを養育する。専門里親研修を修了するなど条件がある。
■親族里親子■どもの三親等内の親族が養育する里親。

里親と里子は戸籍は別なので18歳になれば里親の養育義務は終了します。
里親は行政から一定の養育費が支給されます。

■養子縁組■
血縁関係とは無関係に人為的に親子関係を発生させること。
実の親子と同様の法律関係が生じます。
同じ苗字を名乗り、籍を抜かない限り家族関係は終わりません。


里親募集サイトのTOPページに
「ペットは最後まで面倒を見ましょう」という一文がありますね。
上にも書きましたが里親というのは「一時的な養育」を指します。
(恐らく意味的には「養子縁組」を指しておられるのでしょうが)
里親という言葉は、この場合不適切かも知れません。

ペットの受渡=里親という言葉を用いるので
現在は里親という言葉に
「ペットの飼い主」というイメージがついてしまい
本来使われるべき人間の里親や里子さんが困惑しているのです。

Aさんも「里子」という言葉は人間には使わないと仰ったように
里親里子という言葉そのものがもはや人間の物ではなく、
人の尊厳を奪うようなイメージが定着しつつあるのです。

実際に里子養育されている子供や
養育家庭の里親さんの事を少し考える余裕があれば
それがどういう問題なのか見えると思います。

> 私がわからないのは、貴方の意図です。

私の意図は本当に簡単な事

「飼い主探しに里親という言葉を使わない」

たったこれだけのことをお願いしているだけです。

人間の子供(里子)は、里親に飼われるわけではありません。
だけどこのままでは、そんな印象さえ与えてしまいます。

そして私がAさんに質問した

「里子とペットとどっちが大事?」
という質問に繋がります。
実際に「自分は社会的にペットと同等の存在なのか?」
そう感じる子供さんがいたら残念な事だと思いませんか?
そんな里子さんが親子関係を確認するために質問し、
更に動物と同じと追い討ちをかけられたら?
(私の家にも家族同様の猫がいます。決して動物に愛情がないわけではありません)


Aさんが私を通じて
施設に入所している子供達を嫌悪するとういなら、それも仕方ないと思います。

ただ、動物を人間のように愛せる方なら、
施設に物資を送っていた方なら
物資を送るだけが子どもへの支援ではないと知り、
何が本当に子供の福祉に役立つのか
考え実行するだけの器もお持ちだと思います。

私もロムさんからメッセージをいただきました。
その中で「愛誤」という言葉を知りました。

Aさんが、愛誤ではなく愛護の方であることを祈ります。


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以上。
最後に毒が入ってしまいました。
私も大人になれないなあ。



これでAさんとのやり取りは終わります。

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以上が当事の出来事です。

Aさんだけではなく他の方からも
掲示板の反感コメント、メールでの暴言も受けていました。
人からこんなに一度に沢山の「悪意」を受けたことがない私は
その夜は眠れませんでした。とても強烈な体験でした。

ショックだったのはAさんの事。
人は、自分より弱い相手に対しては、こうもたやすく残虐になれる。
慈愛に満ち、善で身を飾るほど、下した相手から泥を塗られると、
容赦なく罰を与え、痛めつけようと牙をむく。

感情的になった私がそれを引き出したにせよ
掲示板で私は叩かれ放題の弱者でした。
自分より弱いものへの言動が、子どもへ向かないとは言い切れません。


「親のない子どもを引きとって育てたい。」
この考えを改めてくれて良かったと思います。
子どもに二度と消えない傷をつけるのは目に見えているので。

あの件がなければ、きっと、あの元祖Aさんは、
今ごろ「犬猫里親募集」掲示板で姐さん的存在として皆に慕われながら
自分を過大評価し「里親登録」などしていたかもしれません。
怖い事です。ホラーです。


これで全て終わったわけですが、
私はこの一連の出来事に、少し違和感を感じていました。
それが何なのか、まだはっきりとは見えていませんでした。

その夜、この件の発端となった「動物愛護」の方から
もう一度メールを頂きます。

「里親名称問題」についてもう一度考えます。

「あとがき」へ続きます。


※メール中の下線部についてですが、施設にいる子供の全てが虐待を受けているわけではありません。
また、里親に委託される場合、虐待等で専門的なケアが必要な児童は外されます。


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先日、里親に虐待された経験を語っておられる里子さん達のブログを読み、
この時の胸の疼きがブワッと蘇りました。
ネットの世界にこんなに沢山のAさんがいるなんて……
少しずつ高くなる空を見上げ、やるせない気持ちでいっぱいになります。

里親家庭を「家」と呼ばないで の「尊い人」という記事です。
コメント欄も合わせてどうぞ。


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