ディス・イズ・ハピネス::新蘭 | S w e e t 

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主に名探偵コナンのノーマルカップリング(主に新蘭)を中心とした二次創作ブログです。
イラストや小説をひっそりと更新中。
気の合う方は気軽にコメント下さると嬉しいです。
※一部年齢指定作品も混ざっていますのでご注意ください。





「幸せってどんなことを言うのかな。」



「・・・急にどうしたんだ?」



窓に手をついて外を眺めながら呟く蘭の一言。

その横顔はなんだかとても切なそうで胸が締め付けられるようだった。



「人にとって幸せって違うでしょ?いろんな形があるでしょう?」



「今・・・こうしてる私も幸せでいいんだよね?」




どういう訳か必死に問いただしてくる蘭。

瞳の奥はなんだか不安に満ちていて。



蘭の事だ。

きっと普通の奴なら気にもしないような事で深く考えて、悩んでしまったんだろう。


そんな彼女だからこそ。


ほっとけない。




こんな時の蘭に必要なのは。




「俺は、蘭と一緒に入れて幸せだよ・・・寧ろ幸せすぎておかしくなりそうだ。」



そっと蘭に歩み寄って、蘭のサラッとした長い黒髪に手を伸ばし指に絡めた。

少し恥ずかしそうに・・・でも不安気ながらも俺の目をまっすぐ見つめる瞳はとても綺麗だった。




「蘭は俺と一緒に入れる事・・・どう思うんだ?」




「・・・・・・わた・・・しは・・・・。」





今度は蘭の顔を両手で包み込むように支え額をくっつけた。

唇が触れるのもあとわずか。






「なんなら、幸せなのかどうか確かめてみるか?」



「・・・・・どうやって?」




不思議そうにする蘭の唇に自分のソレを重ねるのに時間は全くと言っていいほどかからなかった。





END







そっと目を開く。

横ですやすやと眠りにつく蘭を見てなんとなく微笑んだ。

窓に目をやると少しだけ明るくなってきたようだ。
もうすぐ日が昇る。

もう一度蘭に目を向ける。
小さな頃から一緒にいたけど。
こんなに近くで蘭の顔をまじまじと見るのは初めてかもしれない。


昨夜蘭をこの腕で初めて抱いた。


どうしようもなく愛しくて。
蘭の全てが欲しくて。
我慢出来なかった。
疲れ果てた俺に優しく笑ってくれた。
それだけで俺の欲望を満たすには十分だった。

いつのまにか蘭の手を取って。
唇を重ねて。
そのままゆっくり押し倒していた。

夜に染まった部屋で蘭は最初、不安そうだったが躊躇いながらも俺に手を差し伸べてきた。
互いの肌が触れ合って。
求めあって。
愛を囁きあって。

こんな自分を受け入れてくれた彼女に心底感謝する。

蘭の痛そうな、辛そうな顔を思い出してしまうと、
悪かった・・・という申し訳ない気持ちもある。

でも俺の手で薄く紅く染まっていく蘭は色っぽくて、今まで見てきた中で一番魅力的で。
とてもじゃないが今更止める事なんて出来なかった。


好きだという気持ちがたまれば。

一緒にいる。

それだけでは足りなくなる。
もっと、もっと。
好きになりたくなる。
愛したくなる。



欲しくなる。


こんな俺をおまえはどう思った?

一度眠りについたらなかなか目を覚まさない君だから。
じっくりと君の寝顔を堪能して。
そして長い睫毛を微かに動かして。
ゆっくりと開く目蓋を見届けて。


「おはよう。」


と言ってみよう。

君が目覚めたら、最初に君の目に写るのは俺でいて。




そして更に顔を近付けて、そっと寝ている君の目蓋にキスを落としてみた。



END







『約束より大切なモノ。』


ーまぁ、キットそうなんだろうけど。

そんなもんは当たり前なんだろうけど。

どっかの誰かが言ってたんだよな。


約束を破るのは、大切なモノを守る時だって・・・。






夕暮れの綺麗な放課後だった。
それなのに何故か嫌な予感がしてた。
胸騒ぎがして、気持ち悪かった。
俺は急いでた。
そして、今日の10時までいた場所に戻って、いつもと違う事に気付いた。


そこに待っていたのはとんでもない不安と心配。


今朝、君とした約束。

一つも間違わずに言える自信がある。


言って見せようか?




「一緒に帰ろう。」




君は確かに笑った。
笑ったんだ。


けど。




君は約束の場所にいなかった。


どうして気付けなかったのだろう。




よく考えれば、あんなに君が辛そうだった事に。




俺は全速力で君のもとへ向かった。





ハァハァという



自分の息切れがうっとおしかった。




辿り付いた場所に君はいるのか。




多少不安だったが、そんな事より、ただ君に会いたくて。







「蘭!?」





そこの主に邪魔をするとの了解も得ずに飛び込んだ。






あまりにも静かな景色だった。





君は小さな寝息を立て、微かに頬をピンクに染め、軽く汗ばみながら眠りについていた。






ドサッと音を立てて座り込み、一息つく。







その瞬間、自分が生きているという事を改めて実感できた。





思わず笑みが零れた。
が、次に君に近づいた。
そっ前髪を掻き分けると、微妙な湿り気と今度はハッキリとした熱を感じる。
あぁ、きっと彼女は辛かっただろうな。
気付けなかった事が申し訳ないと反省した。

その感触か、雰囲気か、彼女の瞳がゆっくりと開いた。




「・・・しんいち?」




「・・・うん。」




「・・・・ごめんね、約束守れなくて。」




「バーロ、んなのどーでもいいんだよ。」




そう言うと君は少し不満そうな顔をした。


あぁ・・・と苦笑して答えた。




「約束を馬鹿にしたんじゃなくて、どんなに大切な約束でも、“お前”とは代えられないって事だよ。」




そう言うと君は、ピンクから赤に顔の色を変え、布団にその愛らしい顔を隠してしまった。




俺はたまらず笑ってしまった。



約束ほど素敵なものはない。




そして


君程大切なモノはない。




END




:::あとがき


こちらも前サイトにて拍手お礼としていたもの達です。

ミニミニ’sです。


たまにはこんなのもいいかなっと。



どれか気に入ってもらえたら嬉しいです。


オムニバス系な?


ん?



2010.12.02 kako


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