常時~always~4 | S w e e t 

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主に名探偵コナンのノーマルカップリング(主に新蘭)を中心とした二次創作ブログです。
イラストや小説をひっそりと更新中。
気の合う方は気軽にコメント下さると嬉しいです。
※一部年齢指定作品も混ざっていますのでご注意ください。



きっと。


もっと違う選択肢があったんだと思う。



でもあの時にはこれしか考えられなかったんだ。



どこかできっと・・・・




こうなることを望んでいたからー・・・・・





常時always~   4






肩は微かに痛みを発しているが俺はポーカーフェィスで隠す。

本当は学校なんて休んでしまおうかと思ったが、何事もなかったことを見せるにはなんとしてでも行かないとと思った。

昨日の今日で休んだりしたらまさかの何かで感づかれてしまうかもしれない。

何もなかったかのように。

ごく自然に。


普通に。

普通に。

いつもより早く学校へ行き着いたが生徒はまだ殆ど来ていない様で校内は静かだ。
教室に入ると青子が目に入った。
今日はやけに早いな?
・・・怪我の事を青子に知られたらアウトだ。
俺は更に顔を引き締める。
そして青子の名を呼んだ。
振り替える青子。
しかし青子の目は泣き腫らしたような赤みを残していた。
青子は黙って視線を戻した。


「おっおい青子?どうしたんだよ。」

「・・・・・何でもないよ。」

「何でもないわけないだろ?」


俺がそう言って青子の腕を掴もうと試みたら


「何でもないってば!!」


そう言って腕を振り払われた。


「青・・・子?」


俺は目を見開き驚いた。


「・・・・ごめん。青子・・・今日気分悪いから帰るね。」


青子は小さく呟き鞄を手に取ると教室から走りだした。
俺は今イチ状況が飲み込めずただたたずんでいた。
が、やっと理解し青子の後を追って走り始めた。





何で泣いてるんだ?





昨日なんかあったのか?
・・・・あれから警部があのビルにきて青子を連れて帰ってたよな?
泣くような事があったか?


「!?」


俺の頭に一つの理由が過った。









・・・・まさか・・・まさかバレた?








階段を降りる青子を見つけた。


走るより跳んだ方が速い。



俺はそのまま手すりに脚をかけ青子が次に辿りつく踊り場まで飛び降りた。



着地に成功し、顔を上げると驚いた青子がいる。




「おいっ・・・・待てー・・・・。」


それでも青子は走る事をやめない。

俺をすり抜けて先へと逃げる。
俺もそれに合わせて加速する。
青子との距離はどんどん近付きすぐそこまでとなった時。
青子はたまたま空いていた資料室に逃げ込もうとした。


ここは鍵がかかる入られたら厄介だ。
まぁ、これ位の鍵なら開けてしまえるが・・・等とこのよう状況でも考えていることに我ながら呆れた。

「・・・・・っ。」


閉まる寸前のドアにギリギリ手を掛けることに成功した。

青子は俺を見上げて泣きそうな目で睨み付けている。


「・・・はぁ、はぁ、開けろよ!」

「嫌!」

「・・・じゃぁ自分で開ける。」


俺はドアに掛けた手に力を入れる。
簡単にドアは開いた。


結局は俺と青子だ。


どっちが強いかなんて聞くまでもない。


青子は後退り奥へと逃げ込んだ。


俺は何も言わずズカズカと青子のもとへと足を進めた。
青子に近付き青子に手を伸ばそうとしたら青子はそれから避けようとした。
すると足元にあった資料の山につまづきバランスを崩した。
俺がそれを庇おうとしたら二人で倒れ込んでしまった。
幸い倒れ込んだのは紙の山の上だったため衝撃は和らいだ。
青子は俺の頭の横に手をつき俺を押し倒したような態勢になっている。


「大丈夫か?」


とりあえず青子に声を掛ける。


「・・・・。」


青子は黙ったまま俺の目を見つめている。
そしてゆっくり口を開いた。





「・・・肩・・・痛くないの?」





やっぱり。
青子は気付いてしまったようだ。
しかしこのまま素直に認める訳にはいかない。




「肩?別に痛くないぜ?」


「・・・嘘つき。」


「嘘つきも何も痛くねぇー・・・っ。」


青子の瞳には涙が溢れだした。
言うしかないのだろうか?でも言ってしまったら・・・
その時の俺はこんな状況の中でも青子を愛しく・・・・自分のものにしたいと思っていた。



隠れていた欲望が溢れてくる。





「・・・信じてたのに。」





そう言った青子の瞳から涙が零れ落ちた瞬間、俺の中の何かが音をたてて切れた。


俺は青子の肩を掴んで自分と態勢を逆転させた。


そして青子の両腕を抑え込んだ。


「・・・・っ。」


何してるんだ俺・・・?
この後どうしようとしてる?
青子に嫌な思いをさせるだけだろう?
今まで築き上げてきた幼馴染みという関係をこうも容易く壊す気か?
・・でも・・・コップから溢れた水は元には戻せないと同じで溢れた感情と欲望を戻す事もできない。

そのまま腕を掴む力を強めて少しずつ近付く距離。



誰か。



とめてくれ。






「・・快・・・斗、痛い・・・。」




はっとする。



目の前の少女は大きな瞳にたくさんの涙を浮かべて、ただ震えていた。



「快斗・・・・はなして・・・・・。」


俺は黙って青子を見る事しか出来なかった。








「・・青子は快斗を・・・キッドを許せない・・・。」








青子の口からこの言葉を聞いた途端俺の頭の中は真っ白になった。




一番聞きたくなかった。


ゆっくりと青子の腕から自分の手を離した。



“「人の物を盗るなんて最低!!」


「一生懸命な人を嘲笑うなんて・・キッドなんか大嫌い!!」”


今までの青子のキッドに対する言葉が頭の中でリピートしている。
何だろう・・まわりの物がみんな同じ色に見える・・・白と黒の世界・・・・

スムーズに動いていた物達がスローモーションに見える。

音も何も聞こえない・・・。

ただ目の前の彼女が泣いている事だけがわかった。

きっと俺のしてきた事はとんでもない罪なのだろう。


しかしそれ以上に大きな罪を彼女に対して犯していた。



「何で・・・何で?・・どうして快斗?」



青子は子供のように泣きながら手で目元を隠して口を動かす。
俺はどうしようもなく胸を痛ませた。
何でバレてしまったのだろう。
否・・・何故あの時青子を連れてってしまったのだろう。


・・・ッハ、全部自業自得だよな。


結局正体はバレるし青子を危険な目に合わせるし・・・・泣かせてる。


俺は黙って立ち上がった。

背中の傷がズキズキと痛む。





「快・・斗?」


そして資料室のドア付近に辿りつくなり低い声で


「・・・ゴメン。」


と言い残しそこから出ようとした。





・・・心のどこかでは期待していた。





青子ならこんな俺を許していつもの優しさで包んでくれるんじゃないかって。

虫のいい話しだよな。

こんな俺を許してくれる訳ないだろ?

・・・俺達はもう一緒にはいられない。

俺は青子の前から消えるしかない。


なんて呆気ない最後だろう。







「・・・快斗?どこいくの?」






青子の声が俺を呼び止めた。


愛しかった・・・本当に好きだった・・・けど傷つけた。


俺が守ってやりたかったけど俺にそんな資格はなくなった。


せめて気持ちを伝えたかった。


幼い頃からずっと抱えていたこの思いー・・・








「・・快斗の事許させてくれないの?」








「?」








急に青子が理解しにくい言葉を発した。


どういう意味だ?


さっきは許せないって言ったよな?




「・・快斗は・・・青子に快斗を許す方法をくれないの?」





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:::後書き



ラスト変えるといいながらそんなに変わってません!笑


本当は快斗がちゅーしちゃう設定あったけど・・

やっぱそれは駄目だよね・・・と我慢させました。


さぁ、多分次が最後になるはず。



ついにばれてしまった。


これから二人はそうなるのか?


なんか自分でもわかりません!


2004.10.26. 作品


2010.11.04 kako


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