片恋02.彼が見てるのは | S w e e t 

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主に名探偵コナンのノーマルカップリング(主に新蘭)を中心とした二次創作ブログです。
イラストや小説をひっそりと更新中。
気の合う方は気軽にコメント下さると嬉しいです。
※一部年齢指定作品も混ざっていますのでご注意ください。



0 2 . 彼 が 見 て る の は



あなたはいつだって。
そうやっていつも私なんかよりずっと先にいて。
そしてその先を見てるのよ。

こんな苦しい想いをするとは思わなかった。
人を好きになる事がこんなに難しい事だとは思わなかった。

でもやっぱり好きだから。

けど、私はただ隠れてこっそりと。
あなたの見つめる先を追うので精一杯。

ねぇ。

お願いだから、置いていかないで?


:::


「高校生探偵またまた事件解決!!!」

朝刊の見出しに大きく書かれた一言。
そして大きな顔写真。
TVをつける。
またそこでもアイツの顔を目にする。
ニュースでも取り上げられて。

あぁ。
いつもそれを見る度感じる。

“遠くなったな・・・”って。

前と変わった事はないと思う。
でも。

アイツを知る人の数はとてつもなく増えた。

きっと、“私だけの新一”なんていない。

なんでこんな冷たい機会越しで新一を見なきゃいけないの?
なんで名前も知らない人にまで新一を見せてしまうの?
なんで・・・こんなに淋しく思うんだろう。

今の私は素直に新一の活躍を応援出来なくて。
新聞もTVも目を通さない。

だって・・・なんか私と新一じゃ釣合わないって言われてるみたいで・・悔しい。

きっと知らない新一が増えてるんだろうな。

誰より近いと思ってた。

でも今は誰よりも遠い気がしてならない。

そう思う度。

新一を想う気持ちが溢れて苦しくなった。
いつだって一番傍にいて。
いろんな事を一緒に見たり感じたりしたいのに。

この気持ちに気づいてなかったら。
こんな想いしなかった?
新一を独り占めしたいなんて思わないで済んだ?

こんな自分の独占欲に気づかなかった?

今の新一と向き合いたくて何度も今の新一を知ろうとした。
でも、そうすればそうする程。
新一の見つめる先に私がいない事に気づかされた。

いつだって。

新一が見てるのは。
彼が見てるのは。

ずっと。
ずっと・・・・・先。

けど、最近思うの。


だったら私もその先にいればいいんだ。
追いつこうとすればいいんだ。


そう思ったの。

「いってきます!」

そう言って学校へと家を出た時、階段の下に私が身に纏っている制服と同じ色が少しだけ見えた。

思わず口が緩んだ。

こういう時はちょっとだけ。
ちょっとだけ。

前と同じ“私だけのアイツ”を見れた気がして嬉しくなるの。

約束もしてないのに待っててくれるアイツ。
少し自信が湧く。

そぉーーーと階段を降りて近づいて・・・・

「あれー?今日は早いのね、珍しいっ今日は雨が降るかも!!」

「うわっ!!」

急に私に声を掛けられて驚く新一。

「おはよ。」

「雨なんか降るかっ!!ホラっ行くぞ。」

不機嫌そうな顔して先に進む新一。

手でピストルを作ってその後姿に向ける。

「すぐ、追いついてやるんだから!!」

「は??」

新一が後ろを向いたと同時に手を下ろして駆け足で新一を追い越す。

「ちょっ!待てよ、蘭・・・俺これでも徹夜明けで疲れてんだぞ!?」

「そんなの知らないわよ、疲れてるのは徹夜を選んだ新一の自業自得!」

べーっと舌を出して言ってやる。

「にゃろ・・。」

ムキになった新一が追いかけてくる。
笑いながらまた私も走り出す。

ねぇ、今の私は新一の見ている先に写っているでしょう?
ちゃんと見えるでしょう?

こんな事でしか、今は追いつけないけど。
すぐ、新一の特別になってやるんだから。


だって、この気持ちを隠したままなんて嫌だもの。

折角抱いた気持ちが、もったいないじゃない?


なんだか青い空がすごく眩しかった。



Fin or NEXT >>



☆後書き☆
はい、短いです。
蘭ちゃんのキャラが違う。

高校生探偵なんて言われてる幼馴染がいたら、きっと自慢かもしれないけど。
それが好きな人なら私は嫌ですね。
何も変わっていないとしても、やっぱりちょっと違うと思います。
そんなに活躍する彼を見ていたら、すごく距離を感じてしまうでしょう。
あぁ・・この人と自分では釣合わない・・とか。
どこかに自分の知らない“相手”を見つけてしまって悲しくなるはずです。
だって、今まで他の誰より一番傍で彼を見てきたわけですしね。
彼の事ならなんだって知ってると思っていたわけですから。
そして彼の見つめる先を見つけてしまうんです。
それは新一君でいえば『探偵になる夢』ですね。
どんどんその夢を実現させるために先に進む彼は遠い遠い存在なんです。
蘭ちゃんはそこで無理だと諦めてしまうんではなく自分から追いつこうとしたんです。
自分も新一君の将来像の中に描いて貰おうと・・・。
そんな蘭ちゃんの決意の意気込みを表す一作のつもり・・・です。


伝わるかなぁ。・・


とにかく・・・頑張れ蘭ちゃん!

2005.08.20 作品  


2010.11.02 kako





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