1月12日(土)20:00 楽天地シネマズ錦糸町 シネマ3 左ブロック2列目1番中央寄り席


大好きで、尊敬し信頼している映画評論家の町山智浩さんが、昨年公開された映画でベスト1に選んだのが本作です。それはもう、期待度MAXで観に行きました!


■ストーリー■

近未来―タイムマシンは開発されていたが、その使用は禁じられ、犯罪組織のみが利用していた。彼らは、証拠を残さず敵を消し去りたいとき、30年前に転送する。”ルーパー”と呼ばれる暗殺者の元へ――。凄腕ルーパー、ジョーの元に、ターゲットの抹殺指令が入る。それは、いつも通りの単純な仕事のはずだった。だが、送られてきたのは”30年後の自分”。引き金を引くことを躊躇ったジョーの不意をつき、未来から来た”自分”は街へと消えていく。『奴を殺さなければ、自分が消される!』

必死に追跡する現代のジョー。ようやく未来の”自分”を追い詰めたとき、彼がこの時代へ来た、驚くべき理由が明かされる。男が過去にまで来て変えようとしているものとは?謎多き未来の独裁者”レインメーカー”とは一体―?(公式HPより)


■キャスト&スタッフ■

監督、脚本:ライアン・ジョンソン(BRICK ブリック)

主演:ジョセフ・ゴードン=レヴィット(ヤング・ジョー)、ブルース・ウイリス(オールド・ジョー)、エミリーブラント(サラ)


■感想■

この映画、一筋縄では行きません!30年後の未来から送られてくるターゲットを暗殺することが、主人公ジョーの仕事。ある日、送られてきたのが30年後の自分だった・・・、というだけの話ではありません。


単なる、ありがちなタイムループ映画に留まっていないその魅力は、人間がしっかりと描けているからじゃないかな、と思います。主要な人物は、皆どんな考えで行動する人物であるのかがちゃんと分かるのです。それはもう、主役の2人のジョーだけでなく、サラやシド、エイブやキッド・ブルーまでとても魅力的です。だからこそ、単に登場人物の行動を追うというのではなく、しっかりと思い入れを持って見守ることができるのです。それだけに、ラストのヤング・ジョーの選択には涙せずにいられないのですよ・・・。


また、全部観終わってから、『ああ、そういうことだったのか!』と気付ける点もあり、その事実を知った上でもう一度観たくなること間違いなしです!


ストーリーの大筋は、ありがちといえばありがちです。30年後の未来で世界一の犯罪者になっている男”レインメーカー”を、現代の子供のうちに抹殺するために未来から男がやって来たというお話です。


まぁ、”ターミネーター”の1と2と同じです。”ターミネーター”では、将来レジスタンスのリーダーになるジョン・コナーを、抹殺しに来たのも守る側も、両方未来から来た人物やサイボーグでしたが、本作”LOOPER”では、それを現代の自分と未来の自分で行っています。

まぁ、それだけの違いと言ってしまえばそれまでなのですが、その設定が面白い展開を生んでいます。なにせ、両方自分なので、それぞれの行動が互いに影響し合っているのも楽しく新鮮でした。


本作の一番の特徴というか燃えPOINT!!

ここから、かなりネタバレになるので、これから観る予定の方は読まないでくださいね。

やっぱり、それは上記のターミネーター的なストーリーに、”サイキック”要素を追加している点ですよね!未来では、10%の人間に”TK”と呼ばれる超能力が備わっている設定です。その見せ方も上手いんですよ。序盤、そのTKについて、"コインを浮遊させる程度の能力”であることが、何回も強調されるんです。だから、観客もその程度と思って、そんなに気にしていないでいると・・・急展開!それは、まるで大友克洋の”童夢”と”AKIRA”を彷彿させます!!


本作の、ある人物のTKが発動するシーンは、”童夢で悦子がチョウさんを壁に押し付ける一連のシーン”、"AKIRAで鉄雄の力が発動するシーン"と同じカタルシスです!超燃えました!!うわ、キタキターーーッ!!てゾクゾクする感じです。俺、頭の中で”芸能山城組”の”鉄雄”が鳴り響きましたよ。

このシーンだけで、興奮度MAXを振り切りました!!大友ファンには絶対に観て欲しいです!!!


演出だけでなく、役者陣も素晴らしいです。特に、ジョセフ・ゴードン=レヴィット!特殊メイクで”ブルムーン探偵社”や”ダイ・ハード1”の頃のブルース・ウイリスそっくりになっているんだけど、それだけじゃない。そのしぐさや笑い方や話す声までも、ブルース・ウイリスを完全にコピーしているんです!これには、すっごい驚きました!元々は全然似ていない2人なのに、ジョセフの演技力で2人が同一人物、という事に説得力が出ましたよね。あの、口をすぼめるようにした笑い方!!!ほんと傑作、そっくり!!!


また、作品の醸し出す雰囲気は、すぎむらしんいちの作風に似たハード・ボイルド感があってね、ということは、ヤンマガ読者には超お薦めです!ということになるのかな・・・。いやいや、皆にお薦めできる傑作です!ぜひ映画館で観てください!!


あとね、主人公のヤング・ジョーの愛車がマツダの”ユーノス・ロードスター”だったのは、嬉しかったなぁ。


満足度:90%

もう一回観たい度:100%

TK発動シーンの興奮度:500%


スズタカ☆ほぼ週刊・映画日記☆

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