10月5日(火)レイトショー 錦糸町楽天地シネマ6F


『大奥』と同じ時代劇ファンタジーとして、見比べたくて同日に行きました。


■ストーリー■

江戸時代末期。生来の残虐な性質で罪なき民衆に不条理な殺戮を繰り返す、明石藩主(松平斉韶)の、老中への就任を阻止するため、現老中(土井)は、御目付役(島田新左衛門)に暗殺の命を下した。新左衛門は、刺客となる仲間を集め、作戦を決行する。。。


監督:三池崇史

主演:役所広司


■感想■

俺、勉強不足で申し訳ないのですが、この作品がリメイクということを知りませんでした。観た直後は、三池版の七人の侍だな、と思っていましたが、元があったんですね。すいませんです。


で、この映画自体は『大奥』とは、比べ物にならない位に良かった。


何故、松平斉韶は殺されるべきなのか?何故、新左衛門を始め十三人の刺客はこの暗殺計画を実行しようと考えたのか?それらが全て納得できる。実に脚本がちゃんとしてるなと感心しました。


各俳優さんの素晴らしい演技力が、それらの設定に、さらに説得力を与えてる。斉韶は、本当にこの人が老中になったら、この国は大変なことになってしまう。一刻も早く殺さないと、と思わせるし、新左衛門が発起しなくちゃ、と思って当然だろうと思わせる。


そして、ラストの50分に渡る大活劇!今時、珍しいくらいちゃんとした真摯な演出だと思いました。家を実際壊したり、一人一人に見せ場を用意したりね。十三人全員を細かくフォローするのは難しいと思う。これでも十分だと思うよ。ただ、牛のCGは残念だったよね。牛は実写で火だけCGにすれば良かったのになぁ。


役所広司さんの演技は安心できるよね!死に場所を求めて、日々にむなしさを感じている侍。最後にとったあの行動、俺も理解できる。どうせ死ぬなら、最高の死にざまにしたいもんね。それと対になる、市川正親さんも良い!役所さんのライバルにはピッタリだよ。


山田孝之さんも他の役者さんも良かった。ひとりひとり感想云いたいところだけど、長くなるので、割愛します・・・すいません。四肢を切られた役の女優さんなんか、顔の演技だけで、ほんっっと凄い!これは仇をとらないと、と思うよ!


残念なのは、松方弘樹さんの演技。一人だけ、殺陣が飛び抜けて上手く、切った後には決めポーズで大見得をきる。十三人の中では、100%浮いてる。。。上手過ぎて・・・なので、これは役者さんの責任じゃない。監督が、この映画に必要な演技の質を言ってあげるべき。だってさ、刀もろくに使ったこともない侍達が、民衆のために起ち上がるって設定なのに、あんなにカッコ良かったら変だよ。同じ理由で、古田新太さんも50%浮いてるね。。。


わざと最後に持って来たけど・・・稲垣吾郎さん、ほんと素晴らしいね!!!よくこの仕事受けたなー。全出演者の中で一番魅力的に俺には見えました。


血が出たりするのは、本当にダメだから、という人以外には、多くの人に、映画館で観て欲しい!!


満足度:77%

稲垣吾郎が最高度:100%


スズタカ☆ほぼ週刊・映画日記☆-13人の刺客