【書評】鈴木宣利の気になるマイ本412冊「中国の言い分」 | 【ビジカン!】鈴木宣利のビジネス感性研究所

【書評】鈴木宣利の気になるマイ本412冊「中国の言い分」


【ビジカン!】鈴木宣利のビジネス感性研究所-中国の言い分

★「中国の言い分」

なぜ、そこまで強気になるのか?

著者:鈴木 秀明
発行:廣済堂出版

先日、このブログでも紹介したが、
「中国がなくても日本経済はまったく心配ない!」
というポジティブ意見の経済本を読んだ。

まあ、真実を確かめると、そのようであるのだが、
何も今後発展しようとしている中国に媚びを売る
のではなく、意見も聞きながら、自然に
付き合っていけばいいと思う。

そこで、まず中国がどういう言い分を持っている
のか確かめなければならない。

ちょうど良い本があったので、読んでみると、
スッキリ理解できたので、皆様にも紹介しよう。

それはでは早速、重要な3点をみてみよう。

○尖閣諸島は、中国固有の領土か?

1971年になってから、中国は領有権を主張しはじめた。
それには、1968年に海底調査した石油の埋蔵問題が
原因のひとつと言われているが、どうやらそれだけ
ではないようである。

1)明朝文献には、「釣魚島」という呼称が登場し、
台湾に付属する島々でもある。

2)下関条約のときに、中国が日本に渡した島

の中には入っていない。

3)サンフランシスコの講和条約のとき、

島の権利を米国が持つことに意義を唱えていないが、
そもそも、この条約を認めない。


このように、上記のうち二つはルールに関する
ことである。中国は、清朝の末期に米国、日本、
ヨーロッパ各国が進出してきたことに、被害者
意識を持っているという。そこで、国際法という
のは、占領国が勝手につくった法律であり、
中国に不利があると考えている。このため、
ルールを守るという規律意識が乏しいようだ。

また、好き勝手なキャラクターをつかうという著作権法
のカケラも見えないことはご存知であろう。

そう、だから噛み合ないのである。
中国の国益を考えてつくるものがルールのようだ。


○それでも北朝鮮を守る理由とは?

2010年10月に、「朝鮮戦争中国参戦60周年」の
式典が首都平壌で実施されたようだ。
とても結束は固いようだが、本当の本音は、別にある
ようだ。

1)北朝鮮は、戦争での同盟国、共産主義のイデオロギー
を同じにするものであるが、本音は国益が大事なようだ。

2)北朝鮮の最近の暴走には、怒っている。


3)在韓米軍が、中国の国境にはいるのは許されない。


と、このような言い分があるようだ。

つまり、北朝鮮には、やんちゃであっても、
兄貴分の言うことを聞いて、米国の矢をかわしながら、
しっかり防衛ラインを守ってもらいたい!
ということのようだ。
結局は、ガードの役目でしかないのか。

○中国を汚染大国にしたのは誰?

中国の環境問題は深刻になっており、
生物の絶滅が、世界の平均より50%早い。
さらに、我々、現世代が生き延びられるかどうか?
というところまできているようだ。

このような環境問題が噴出したのも、
海外勢に責任の発端があるようなのだ。
とりあえず言い分をきいてみると

1)環境問題は深刻だが、先進国の中国進出
により、モノをつくりまくったせいだ。

2)温室効果ガスの量は、先進国でもアメリカ
が多いので、一方的に削減案をのむことはできない。

3)環境破壊は、自分たちの国の企業ではない(海外勢)
ため、最初から議論できない。

とまあ、汚したのは海外勢の企業であり、
自分達には一切関係なく、利益だけは受ける
けどいい? という発想なのだ。

これではちょっと矛盾してませんか?

さて、いかがでしたでしょうか。

テレビにでてくる中国外交担当の演説を
みていると、批難、批判の言葉が頻繁に
でてくる。

また、討論番組などでも中国のコメンテーター
は自国の問題となると、怒り爆発で、
捲し立てるように相手を論破する人
ほとんどだ。

まあ、激情型民族なのかもしれないが、
強い反発の意識をことあるごとに噴出
するのは問題かもしれない。

すなわち、自国のことを冷静に考えられず、
一方的な見方で始終してしまうからだ。
これでは、お互いの妥協点は見つからない。

でも、中国人でも、しっかり基本を教えると、
理解は早いようなのだ。
これは、コンビニバイトの人をみていて
わかるが、冷静に判断できるようになれば、
行動の早さには感心するものがある。

中国の言い分は、ある意味日本国内で、
しっかり伝えられていない部分もあったので、
この本を読んで改めて理解したことで
とても参考になった。

軽ーく、面白く読めるので、
ぜひ読んでみてくださいね。

それではまた、スズセンでした。


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編集後記
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そう、最近ソニーのビデオカメラに、
小型の液晶プロジェクターが搭載された
ようだ。

照度は明るくないのだが、まあちょいと
みんなで見る分にはいいかも知れない。

また、GPSも搭載され、
どんどん進化していくので楽しみですね。

★ソニー ハンディカム
http://www.sony.jp/handycam/products/HDR-PJ40V/


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