【書評】鈴木宣利の気になるマイ本410冊「勉強のススメ」
★「勉強のススメ」
著者:石井貴士
発行:サンマーク出版
あなたは、会社で人事管理部に所属しているとしよう。
会社の社内活性化のため、新たな厚生制度を
考えてもらいたいと部長から頼まれた。
あなたなら、何を実現していくだろうか?
専門分野でないのでちょっと戸惑うかも
しれないが、アイデアはいくらでも見つかるだろう。
例えば、
○上手に社内活性化している事例を
社内、媒体から探す。
○人事コンサルのセミナーに参加する。
○関連図書を最低10冊読む。
○理想の厚生制度のある会社へ見学にいく。
○アイデア発想の訓練をする。
○全社員からアイデアを募る。
など考えただけでも多様な手段が見つかる。
あとは、実行するだけである。
そう、何もその道の専門家でなくても、
智慧と行動で問題は少しづつ解決できるのだ。
それには決定的な条件がある。
そう、「勉強する」ことである。
学生時代は勉強したが、社会人になると
忙しさを理由に、本を読むことも少なく
なってしまう。だが、考えてみても、逆で
ある。社会人になって実践の課題が目の前に
あるわけだから、本来なら余計に勉強しなければ
ならないのだ。
しかし多くの人が飲み会に誘われて時間をつぶし、
休日は、平日の残業の疲れを癒すために
睡眠デイになってしまうようだ。
いや、それではいけない!と思った人は、
ぜひ、この本を読んでほしい。
勉強のしかたがスッキリわかり、さらに成功のコツ
までも伝授する人生を変えるための1冊だ。
それでは、早速重要な3ポイントを見てみよう。
○社会人になって大学に通うより、本を読もう。
社会人学生が増加している。
最近では、学生の1割を超えたそうだ。
不況の煽りで、いつリストラ対象になっても
おかしくない事情があるので、しっかり
勉強して資格でも取得したいということなのだろう。
しかし、ちょっとまった!と著者はいう。
通常大学の授業は90分、そして人気教授の
お話しならまだ耐えられるが、話べた教授に
あたったらその時間はだいなしだ。
著者は、その時間に本を読んだほうが
効率があがるという。
そう、知識を深く納めるには、本しか
なく、勉強方法は世界共通なのだ。
今では、探せば白熱教室のように、海外の一流教授の
テレビ番組まであるので、お金をかけて
大学に通うだけが方法ではないかも知れない。
ポイントは、やる気があるかどうかだけなのだ。
○成功者の下積み時代を真似るのが大事。
若い人に限って、すぐに成功したいと
考えているようだ。
そういう人に限って、努力の部分を見ず、
華やかに振る舞っている成功したあとの
姿しか目に入らない。
しかし、その成功に至る過程では、
失敗の連続だったかもしれないのだ。
経営者のほとんどは、失敗が9割で、
残りのたった1割ぐらいが成功と言われて
いるので、本来ならば成功するまでの
失敗の過程をみるべきなのだ。
だが、たいていのビジネス書には、成功したあとの
ノウハウの部分しか書いてないので、
その著者の苦労のあとはわかりにくい。
まあ、あえて失敗談をする人はいないのだ。
結局著者は、
「勉強して自分自身をどんどんレベルアップ
させて、変えていく」ということが大切だ
としている。
○3つの要素で成功の大小が決まる。
著者は、3つの要素で成功の成果が決まるという。
その3つとは、
1)どんな仕事をしているか?
2)いかにうまくそれをできるか?
3)いかに替わりが存在しないか?
1)は、別の言葉でいえば、何をして
貢献するか?ということだ。
人に役立つもの、利便性を感じてもらえるものは
どの分野、どういうサービス、あるいはどういう
サポートがあるか考えてみよう。
そして、2)と3)は、仕事の提供レベルと
他社との差別化をいかにつくるかということなので
ウェイト的には、20%程度ということだ。
そう、1)の何を一芸にするか?を決められれば、
8割が成功したも同然なのだろう。
さて、いかがでしたでしょうか。
この本の本来のテーマは、実は
自分だけの一芸を見つけて、それを
「読み」「書き」「しゃべり」で磨き、
人生を変えていく方法を提示している。
そして、自分の人生を見つける
「心定め」という方法を教えることで、
好きなような人生をおくれることを示唆している。
まずは、イチにも、ニにも勉強から
逃れずに成功することは出来ないようだ。
やさしく勉強法を教えてくれる良書と同時に
成功法則の指南書でもあるので、ぜひ、読んでみてほしい。
それではまた、スズセンでした。
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編集後記
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最近読んでいる本は、コレです。
「BOP超巨大市場をどう攻略するか」
著者:小林慎和、その他
「すべてはあなたが選択している」
著者:ウェル・シュッツ
「中国の言い分」
著者:鈴木秀明
「サンデルの政治哲学」
著者:小林正弥
などです。
この中でも、「中国の言い分」は、
中国の本音がサクサクわかり、
問題になっている尖閣諸島、ノーベル賞問題、
習近平など目からウロコの解説でしたね。
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