【書評】鈴木宣利の気になるマイ本402冊「プロヴォカティブ・シンキング 面白がる思考」

★「プロヴォカティブ・シンキング　面白がる思考」

著者：山梨　広一
発行：東洋経済新報社

日本は今、政治をはじめとして、
多くの民間企業で思考停止状態にあるのでは
ないだろうか？

思考停止状態とは、代案を持たずにすべての
意見を否定、批判してとらえることだ。

ある程度の批判は、テーマを深く捉える
ためには、大事な要素であるが、批評、批判だけ
に始終してしまうことに問題がある。

大晦日の番組で、田原さんの朝まで生テレビ
を中継していたが、その中でのテーマも批判が多く、
何をすればいいかという前向きな提案がでてこない。
なんとも情けない状況であった。大いに議論は結構
であるが、出口のない水掛論はムダである。

マスコミも政治問題は、カネと人の問題、つまり
勢力争いだけに焦点をあて、政策議論を
問題にすることはない。このような傾いた報道姿勢も
問題であるが、そこで政権を担う議員一人ひとりは、
もっと責任重大である。

それでは、どうすれば課題を解決する提案やアイデア
が生まれてくるのだろうか？
今日紹介する本は、そんな思考停止状態から抜け出す
ための思考法をサポートをしてくれるものだ。

それでは、早速気になる３点をみてみよう。

○思考には、４つの思考パターンがある

この本の中でも事例として提案しているが、
あなたが会社の１０周年記念イベントを取り仕切り
ことになった場合、どんなプランを提案するだろうか。

このプランの提案により、実は４つの思考パターンが
あることがわかるという。

これを人物像として、擬人化して考えると、
「思いつき君」「堅実君」「ヒトマネ君」
「面白がる君」の４つのタイプがあるそうだ。

ネーミングをきけば、だいたい予想できるが、
詳しくは読んでいただくとして、この中でも
やはり「面白がる君」を目指さなければ
ならないらしい。「面白がる君」とは、一見ムリ
なように見えるものでも、悲観せず、面白がって
考えるのが特徴のようだ。

ただの思いつきや従来の延長線上で堅実に実行する、
あるいは他社のモノマネだけではビジネスの新たな
ステージに押し上げる要因にならない状況になって
きている。そこで、どの会社でも「面白がる君」
が求められているのだ。


○考えるのはタダだから、議論をはじめる

提案をしても、その提案の善し悪しを判断するには、
ある一定時間、考えなければならない。

なぜ、その提案が良いのか。実行すべきなのか。
なぜ、その提案では実行できないのか？難しいのか？

そう、何事も議論しなければ前に進まないのだが、
その議論を放棄してしまう人がいる。

何事も否定してしまう人は、結局考えるのが
苦手ということだ。そう、考えたくないのである。

そこで思考停止状態になってしまう。

だから、何事も議論をスタートさせれば、
着地点は見つかるかもしれない。
議論は、ある一定の問題、課題があるという
お互いの同意事項であるからだ。

そこで著者は、いつも言うそうである。
「議論するだけなら、タダじゃないですか？」と。

まずは、議論をはじめることで、
突破口をみつけてみよう。

○「できる」という発想からスタートする

「プロヴォカティブ」(provocative）の意味は、
「攻撃的」「挑発的」というような意味が
あるそうだ。

ここでは、感情や行動を刺激して、より前向きに
積極的に行動、思考することと理解していいようだ。

落ち着くところに落ち着くという、予定調和の発想
ではなく、「環境が悪いからこそ、新たな可能性
や逆転があるのでないか？」というマインドである。

著者は、前提条件や境界条件を否定して、可能性
を信じる気持ちであるという。

何事もそうだが「できる」という気持ちが
ないと意欲が湧かないし、継続もできないものだ。
まずは、条件を無視して、あらゆる可能性から
はじめてみるのがいいのかも知れない。

さて、いかがでしたでしょうか。

この「面白がる思考」は、実は自己実現を
達成しやすい思考法でもある。
ビジネスとしても活用できるが、個人が夢を
実現する思考法としても有用である。

なぜならば、人はすぐに自己否定から
はじめてしまい、なかなか自尊心が高まって
いかないからだ。自尊心が高まらないと、自信
につながらないため、何をやっても良い結果
がでにくい。このため、すべてをクリアして
「できる」という発想にたつこの訓練方法は、
役立つだろう。

巻末には、トレーニング手法も紹介されているので、
ぜひ読んでいただき、活用していただきたい。

それではまた、スズセンでした。

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編集後記
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いよいよモバイル通信もブロードバンドレベルに
なってきました。
新たな通信サービスであるLTEやDC-HSDPA
が立ち上がり、通信速度下り最大40M超えの
スピードを実現できます。
ということは、モバイル端末が１台あれば、
自宅での光通信などいらないかもしれませんね。

☆ 40Mbpsの通信サービス
NTTドコモ：Xi(クロッシイ）
イーモバイル：EMOBILE G4
ソフトバンクモバイル：ULTRA SPEED
UQコミュニケーションズ：モバイルWiMAX

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