蜂蜜エッセイ(61)「スイートハニー」 | ミツバチと共に100年♪ 鈴木養蜂場 はちみつ家のブログ

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第2回蜂蜜エッセイの締め切り間近となりました。
これまで多くのご応募をいただいております。
みなさんもぜひ挑戦してみてください!

で、今日のエッセイはペンネーム ホシノユカリさんで「スイートハニー」です。

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「スイートハニー」

「見て、綺麗!蜂蜜色の満月!月の美しさはロンドンで見ても、日本で見ても変わらないね」ベランダでロンドンの夜空に浮かぶ満月にうっとり。夏休み、ロンドン駐在中の恋人の元へ遥々会いに来たのだ。
「日本では『月が綺麗ですね』は、『I love you』って意味なんだろ?って、ロンドンにも留学していた夏目漱石が言ってたぞ」得意な彼に私は感心する。
「そうなの?相変わらず物知りね」研究者の彼はとかく博識だ。月が余りにも綺麗だったから、肌寒かったのに薄着で夜遅くまでベランダにいたせいか、翌朝目覚めると喉と頭が痛い。体もだるい。
「夏風邪だな。薬飲んで寝てろよ」どうしても仕事を休めない彼は、私を心配しつつ後ろ髪を引かれながら出勤した。せっかくロンドンまで来たのに最悪。海外で体調を崩し、部屋に一人残され、心細さで泣きそうだった。でも薬が効くと、いつの間にか眠ってしまった。暫くして気配を感じて目覚めると、枕元に彼が立っていてびっくり。「あれ?もう帰ったの?」
「昼休みだから抜けてきた。気分はどう?」
「朝より楽になった」わざわざ私のために戻ってくれたんだ…思わずじんわり。「ちょっと待ってろ」と彼は部屋を出た。数分後、戻ってきた彼の手にはマグカップ。「ハニーレモンジンジャー作った。蜂蜜と生姜は喉に効くし、風邪も治るぞ」
「嬉しい、ありがとう」彼の優しさに感激しつつ、早速一口。蜂蜜のほんのりした甘さとレモンの酸っぱさ、生姜のホロ苦さが絶妙。「凄くおいしい!」と自然と笑顔に。「俺がついてるから、何も心配しないでゆっくり休め」そう頼もしく言ってくれた彼。昨夜の蜂蜜色の満月を思い浮かべながら、蜂蜜の甘い後味と彼の甘やかな優しさの余韻に浸り、ぐっすり熟睡。お蔭で夜にはすっかり回復。…あれから数年経つ。
…で、今はどうなったかって?一年後に帰国した彼は私に「月が綺麗だね」と回りくどいプロポーズ(笑)。今でも私が風邪を引くと、「スイートハニー」となった妻のために、夫はあったかいハニーレモンジンジャーを作ってくれます♪

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月の色を蜂蜜に例えるとはこりゃまたイキですねえ!
また、夏目漱石がそんなことを言っていたなんて知りませんでした。
それにしても、おのろけ、ごちそうさまです(笑)
蜂蜜はおのずと甘い雰囲気を醸し出しますね。
 

蜂蜜エッセイは締め切り間近!

はちみつやミツバチにまつわるあなたの物語があったらぜひ教えてくださいネ。

 

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※第2回応募締め切り:2018年2月20日

どしどしご応募下さい!

 

かりんはちみつ