鳥多古(浅草)
![P506iC0047514303.jpg](https://stat.ameba.jp/user_images/2a/82/10015773369_s.jpg?caw=800)
数年前、
業界№1の食通テレビマンが言っていた。
「最近、グルメなJさんを納得させる、面白くて美味い店がなくてさ…。
でも見つけたんだよ、すげえよ、鳥多古。
予約するとさ、フランスパン買って持って来いって言うんだよ。
で、行ったら入り口、鍵かかっててさ……。
でも美味かったんだよ。Jさんも久々、ご満悦で……」
あれから4年越しで、
やっと予約が取れた。
お店の改装とかで、全然、予約とれなくて。
浅草の路地裏の、
その先は行き止まりという、誰も気づかないような場所。
客は1日限定5組の
完全予約制の鳥鍋料理専門店。
予約のとき、
「入り口、鍵かかってるから、扉をノックするか、チャイムを鳴らして」
と必ず言われる。
創業は昭和初期の老舗。
名物の3代目御主人は数年前に他界し、
現在は、残された家族で店の暖簾を守り抜いているという。
趣の或る日本家屋の一軒家。
入り口の扉には、武家の血筋を示す「違い鷹の羽」の家紋。
想像していたより、明るい店内で、
カウンター5席と、テーブルが3つ、計10人くらい。
掘りコタツ式の寛げる空間。
おまかせのみ。
まず、「突き出し」が出て、
「つくね」→「レバー」→「正肉」の順で焼き鳥が。
必ず材料は仕入れたその日に使い切るというだけあって、
鮮度が素晴らしい。
写真は正肉、おろし醤油を乗せていただくのだが、
なんだこれ! ものすごく美味い!
こんな焼鳥、初めて。
しかも、大ぶりで食べ応えがあり。
焼き鳥を一通り食べ終えると、
次いで鳥わさ。
すごく新鮮なピンク色の砂肝と
本山葵がちょこんと添えられているのが良い。
醤油を垂らし掻き回して戴くのが、
こちらの流儀。
〆の鳥すき鍋では、大皿に盛られた様々な具材
(肉だんご、手羽先、椎茸、長葱、
木綿豆腐、えのき、白菜、春雨、しめじ、春菊)等を
すき焼きのような甘い割下が入った黒い鉄鍋で
グツグツ煮込んで戴きます。
この鍋は、ルールがあり、
・出汁が出るように一番最初に手羽先を投入する
・春菊は匂いが移るので一番最後に投入する
・手羽は最後まで食べない
など、守らないと怒られる。
また、火加減や具材の扱いが、店側にとって望ましくない場合には、
その都度、細かいご指導が入る。
あれこれ人に教えられるのがキライな人には薦めませんが、
実はこれが、僕には楽しい。
Mなのかな(笑)
(怒られるとドキドキする、違うか)
全ては、より美味しく食べる工夫です。
素直に耳を傾けて楽しみましょう。
最後に食べる手羽がスゴイ。
こんな柔らかい手羽食べたことない、ってぐらい
びっくりする食感。
〆のうどん。
これが、美味いのなんの(笑)
鳥と野菜の旨味を全て染み込んでる。
店のシステムや接客、雰囲気等を全てひっくるめて、
とっても面白かった。