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2016-07-16

池尻餃子(池尻大橋)

テーマ:Foodiary★★

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東京で出身どこと聞かれると、
本当は「磐田」なのに、つい「浜松」と言ってしまう。

別に見栄を張ってるわけではなく、
「磐田」と言っても「どこそれ?」的な顔をされるのが面倒なのと、
あと、仮に磐田を知ってる相手だとしても、
知ってる他県の人に限って、
「ああ、イワタね?」(日比谷同様、アクセントなし平板イントネーション)と、
地元の僕たちからしたら、「いやいや、イわた」(イにアクセント、イモトと同じ)と、いちいちツッコむのが面倒なので(笑)

「磐田市」と言うときは「日比谷」と同じ平板「いわた」だが、
「磐田」単独で発音するときは、「イモト」と同じイにアクセントなのが正解。
ヤマハも地元では平板な「ヤマハ」でなく「ヤまは」(ヤにアクセント)。

てなわけで、浜松のとなり街、磐田出身だが餃子で育った。
あの辺りでも餃子をよく食べたし、
売り歩く餃子カーがいたし、当たり前のように食卓のプラス一品として餃子があった。
餃子で育ち、昔も今も餃子が好き。

そんな今日この頃。

僕が信頼する餃子マイスター塚田 亮一氏のサイト東京餃子通信 で以前、見て
気になってた幻の「コラーゲン餃子」。
それが今ここで食べれるらしいということで、行ってみた。

池尻界隈で有名な和食「おわん」のとなりの、
オシャレな餃子屋さん。
入り口で靴を脱いで上がる。
大きめのカウンターと椅子、足は掘りごたつタイプ。

その餃子。
初めての客向けに、5種類の盛り合わせ「はじまりの膳」というのがあり、
それにする。
元祖あおば餃子、大葉餃子、鶏パクチー餃子、15種の野菜餃子、海老姿餃子。
ニンニクか生姜を選べ、生姜にする。

全て変わり種の餃子。
どれも美味しいのだが、特に海老まるごとのと、鶏パクチーは感動的。
美味くてもう一皿頼んだ。

2回転目はニンニクにしてみる。
生姜とはまた風味が変わり、ペロリ。
〆の担々麺も最高。

ここ最近、パリでも餃子が流行ってるというが、
東京の餃子が今すごく進化しているね。

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2016-06-08

埼玉屋(東十条)

テーマ:Foodiary★★★
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東十条という東京のはずれ。
駅を出て、暗闇を歩き、しばらく行くと、ポツンとある。
ここは、都内でも屈指の、いわゆる「頑固おやじ」の店として有名だ。
以前、この店の大将を「絵に描いたような頑固」として、
担当番組でも取り上げさせてもらった。

今日はこの店の大将の目の前という、一番いい席に座れた。

写真禁止。
メールも電話も禁止。
2軒目利用も禁止。
酔ってたら入れない。
全員が初めての客だと入れない。
好きなものを注文できない。
禁煙。

など、とにかくルールが多いのだが、
このルールに従いさえすれば、
極上の焼きとんを、激安で、楽しくいただくことができる。

今日の大将はご機嫌だ。
というのも、4人の僕らの中に、一人女子がいた。
大将は、女子には鼻の下が伸びる、目じりが下がる。

この店、お品書きは掲げられているが、
基本、おまかせのみ。
大将が、セレクトしたネタを、いいタイミングで、
ベストな順番で出してくる。

一切、この流れを止めることはできない。

まずはクレソンと大根のサラダが全員に配られ、
大将は言う。
「ディナーだから。食事の場。だから酔って二軒目とか、ダメ、
料理を味わってくんないと、こっちも料理を出すんだから」

そう、禁止事項を掲げるのは、
店が真剣に出す「料理」を、客に真剣に味わって欲しいからなのだ。

そして「肉を食べるときには、まずクレソンと大根で、胃を整えねーとな」
と、江戸っ子口調で、やや乱暴っぽくも聞こえるが、
愛あることをのたまう。

アブラ(牛リブロース)、レバー、上シロ、ネギ間(岩中豚)、
豚タン、ハツ、カシラ、ナンコツ、チレ、シャモ等

食べ終えた串はさげない。
串を皿に橋渡しし、塩もののとき、ここに乗せ
皿のタレがネタにつかないようにする。

生レモンサワーも美味い。
氷を大量に入れる店が多いなか、ここは、氷でごまかさず、
凍らせた焼酎で作るレモンサワー。
なので、普通の店の3倍以上の内容量な上に最後まで薄くならない。
珍しい生ホッピー(割らない。サーバーから注ぎジョッキで出てくる)も、
瓶臭さがなく、泡がクリーミーで美味い。

「豚耳、うちのは厚いよ」と出してきた、豚耳。ポルコ。
オリーブオイルと黒胡椒で味付けされ、分厚さの食感がいい。
「軟骨を、ポルコのオリーブオイルに混ぜてみて」と、
串から抜いて混ぜてたべるよう薦められる。
すると、焼き豚の料理が、なんだかスペインバル料理のように変化。

普段、スマホ片手に食事することが多いので、
終始スマホをしまったまま食事するのが新鮮。

ネットを検索すると、写真がネットにはあがってる。
きっと、大将の目を盗んで、こっそり撮ったのだろう。
そんなドキドキは要らない。

大衆的な、せんべろ系なのに、
タバコの煙もなく、酔っ払いもいない、大声もない。
いうなれば、やきとんのフルコース。大人版。

大将との会話を楽しみながら、スマホも一切手にせず、のんびり食べると、
普段の食事とは違う、なんとも言えないゆったりした時間が流れる。

本来、食事というのは、こういう時間かもしれないなと、
改めて思う。

デートや一人メシにオススメ。

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(帰りにもう一軒…)


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2016-06-06

にし与(静岡県沼津市)

テーマ:Foodiary★★

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深夜のシズル画は、脳と胃袋を崩壊させる。
たまたま見てしまった「昼からセント酒」(テレ東)。
あの「孤独のグルメ」チームがお送りする、久住昌之原作の、
美味しそうなドラマ。

主人公のサラリーマンが営業先で偶然見つけた銭湯に昼間っから入り、
風呂上がり、その界隈の美味いメシ屋で昼間っからビールをグビグビやる。
風呂に入るとき、「申し訳ない!」というのが決まりのセリフ。
サラリーマンじゃなくても、わかる、あの気持ち。

で、たまたま見た回が、「沼津。生しらす&生桜海老丼」。
静岡県出身の僕にとって、脳と胃袋が崩壊する、たまらない回だった。
生のそれは、今が旬で、今しか食べられない。

釜揚げしらすは幼い頃から死ぬほど食べてるが、
生は、「白いダイヤ」と呼ばれるほど貴重で超ぜいたく!
見ていてヨダレが出て来て、ついつい、翌日の午後、
ドラマに出ていた、沼津のその店へ向かった。

沼津港近く。
東京から車で1時間半で行ける。
夜は5時からで、開店前から店に並ぶ。
開店と同時に、地元らしき客(方言でわかる)が一気に押し寄せ、
早くも満席に。
店のおばちゃんは、3人ほどいるが、みんなテンパリ気味。

生シラス&生桜海老がたっぷりのった、「するが丼」(写真)
生姜を醤油にとかし、食べるところに、ちょろりと垂らす。
白いダイヤを遠慮せずに飯の上にこんもり乗せて、
勢いよくぱくり。
うぉ~。
生ならではの苦味と、のどごし感は、釜揚げのフワフワ感とは
まるで別物。
磯の香りもじゅわり。

そして生桜海老。
こちらは、ポン酢をたらし、まずは桜海老だけ食べてみる。
ヒゲの苦味、柔らかい殻のしゃりしゃり感、そしてプチっと弾ける感じが、
たまらない。
当然、ご飯と一緒でも合う。

そして後半は、しらすと桜海老と混ぜて……。
これぞ、駿河湾が生んだ、するが丼の極み。

帰り、美味そうな干物をあれこれ買いつつ、
ついでにドラマにも出てきた沼津で唯一の古びた銭湯、
「吉田温泉」に立ち寄り、明治以来続く年季の入った湯を堪能。
薪で沸かしてるだけあり、お湯が熱いのだが、
ただ熱いだけじゃない深み。

帰りに見る夕景の富士山も素敵だった。
都内からサクッと日帰りできる意外に近い地方、それが沼津。

ちょっと遠出したいときの女子旅、ファミリーにおすすめ。


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2016-05-27

ラ・ブリアンツァ(六本木けやき坂)

テーマ:Foodiary★★★
 
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奥野シェフはイケメンだ。
麻布十番の頃から、店はいつも女性たちで賑わっている。
イベントでも、レセプションでも、いつも妙齢のご婦人に囲まれている(笑)

だが女性の気持ちは移ろいやすい。
顔だけでは引っ張れない。
人気の理由は何だろう。

けやき坂の下から登っていくと、ルイヴィトンを越え、
そしてローバーミニがあって、そこの柱の裏側に潜んでる、
初めてだと見つけにくい「R」のエレベータを上がる。
中庭のような広場があり、そこに店はあった。

最初のアミューズ。
金のスプーンの上に乗った、フォアグラとシナモンアイスの
ワンスプーン料理。
これをぜひ一口で……と説明される。

が、女性の口では、いささかムリがあるサイズ(笑)
しかしそこをガっと口を開いて頬張ると、
心も開き、そして心は掴まれる。

奥野シェフはイタリアはピエモンテで修行。
ピエモンテのワインといえば、バローロ、バルバレスコが有名だが、
ガヴィ(地域名)の白ワインを合わせる。
でっぷりとしたボトルの形が印象的。
辛口ですっきり、やや麦わら色、ということでの麦の形のボトルという噂も。

どのお皿も美味しい。
シェフ自らテーブルでトリュフを削ってくれるのもいい。
メインの鳩も臭みがなく。

そんな中、生パスタが最高だった。(写真)
ソースはホタルイカ、生しらす、アサリ、ヤリイカなど、
今旬な海の幸に、スカンピ海老も。

そこに絡む太麺は、ストロッツァ・プレーティというパスタ。
直訳すると「神父の首を絞める」という凄い名前で、
のどに詰まらすほど太いという意味らしい。

一度、平たく伸ばしたパスタを一本ずつねじることにより、
独特の食感が生まれる。
ウニとスカンピ海老のアメリケーヌ系ソースが、本当によく絡む。
柚子の泡がふわっと添えられ、和が香る。

そして奥野シェフはこれに日本酒を合わて欲しいと、
テーブルにボトルを置く。
ここはイタリアン、なのに。
でもこれが違和感なく美味。

なぜ合うのだろう、なぜ合わせたのだろう。

「玄心」(げんしん)というお酒は、
山田錦と奥能登の水を使った、石川県の純米大吟醸。
と考えると、
ホタルイカなどの海の幸のソースとも合うはずだ。

和歌山県の料亭に生まれ育った奥野シェフのこと。
和とイタリアンの融合を料理に入れるのも、なんだか納得。

妙齢の女性ファンが絶えない理由も、
そこにあるような。

デートや女子会にオススメ。



PS
ちなみに、「妙齢」というと、
アラフォーかそれ以上の美魔女を想像しがちだが、
調べてみると「若い」の意味らしい(笑)
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2016-05-24

ユーゴ・デノワイエ(恵比寿)

テーマ:Foodiary★★

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昨年の11月、
パリで大人気のユーゴ・デノワイエが恵比寿にオープンし、
予約が取れない日が続いた。

ユーゴ・デノワイエといば、
NYタイムスが「世界一のお肉屋さん」と称したパリ屈指の肉職人。
数々のトップシェフを顧客に持ち、
ミシュラン星つきのレストランのほとんどからオーダーを受けているという、
とんでもないお肉屋さん。

ただ肉を裂き、熟成させるのではない。
牛の餌にまでこだわっている。

そんな肉を食べてみたい。
ネット予約ページを見てみても、ずいぶん先まで満席。
だが、ある日の日曜の午後、電話してみたら、たまたま当日の席が取れた。
(日曜は意外と狙い目かも)

駒沢通り沿い。
山本酒店や、焼肉キンタンの反対側あたりか。

さすが肉屋さん。
1階のカウンターには寿司屋のネタケースのような冷蔵庫があり、
値段が出て肉の販売をしている。
カジュアルな感じで食事も可能。

2階のビストロへ。
牛の毛皮のクッションが置かれくつろげる雰囲気。
テーブルのナイフ置きは牛の角だったり……
日本のビストロや焼肉店にはない、小洒落たセンス。

肉をオーダーするときも、やっぱり肉屋さんぽい。
「今日は、リムーザン牛のいいサイズのバヴェットが入ってます」

リムーザン牛?
バヴェット?

さすが世界一のお肉屋さん、出て来るワードがよく分からない。
耳で聞いたら「リムー産」の牛かと思ったからね(笑)
(どこだよ、リムーって)

リムーザン牛というのはフランスの銘柄牛。
ユーゴ氏が実際にリムーザン地方を訪れ、
その環境とお肉の状態に心奪われた牛らしい。すごそう。

そしてバヴェット。
これは、ハラミのこと。
「ヨダレかけ」の意味で、三日月の形をしている。
厳密には、ハラミとは同じじゃなく、カイノミ(貝の身)らしいのだが。

バインダーに挟まれた、
業務用的な本日のお肉リストを、店員が持ってテーブルに来る。

「213gもありますし、
262gというのもあります」

と、細かい数字。
つまりは、既に切り分けられてるこの塊単位で選ぶのが良いらしい。
なんとも肉屋さんぽい。

いい感じのサイズのメインと、
そこからの逆算で、
タルタルや、梅山豚の燻製サラダ、
付け合わせのポテトやクレソンなどをオーダーし、
あの肉の登場を待つ。

来た。
例のやつが。
火の入れ具合は当然素晴らしいが、
炭の香りのつけ方が、ちょうどいい。
つけすぎると、炭味になってしまう。
弱いと意味がない。

そして赤身肉は、噛んだときに、どうかだ。
噛みごたえ、つまりほどよい硬さ&弾力と、
噛んだときの溢れ出るジューシー感。
かといって、それが、脂っぽい肉汁でなく、
牧草の大自然で育った感を感じさせる、野性味。
ちょっとした草の青臭さ、土の泥臭さを感じ、
このリムーザン牛のバヴェット、実に美味い。

あ、つい言い過ぎてしまった。
味を表現するのって、難しい。
自分の味覚が、果たして、牧草を感じてるのかというと、
そんなはずない。

ただ、ユーゴデノワイエという人物について、何かで読み、
そのこだわりを脳裏に浮かべながら食べたとき、
なんだか牧草と土の香りが、するような気がする。
美味いに決まってる。

と考えると、我々の味覚などいい加減なもので(笑)
食べ物というのは、つくづくその物語性だなと思う。

そういった意味で、このストーリーたっぷりな世界一のお肉屋さんは、
美味しく感じさせてくれる店だ。

デートや接待、ファミリーにオススメ。


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2016-05-23

肉山(吉祥寺)

テーマ:Foodiary★★★

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グルメ好きの間では有名だが、「肉山登山」という言葉がある。

予約が超困難。
僕の場合、今回の予約をしたのは去年の11月。
つまり半年待たなくては、たどり着けない。
肉が旨い上に、値段もお任せで1人5千円とリーズナブル。
都内有数の人気店で、そこに入店することは、まるで登山のように困難。

そういった意味から、肉山入店を、肉山登山と、人はそう呼ぶ。

そして、店の場所。
吉祥寺という、都心に住むものからしたら、遥か遠く。
めったに行かない場所。
店にたどりつくと、階段1階分の“登山”があるのはいいとして(笑)

今回2度目で初めてのカウンター席。
席に着くと、
すでにトマトとキムチと、薬味が3種類セットされている。

フィンガーボールは最初の料理のため。
そう、まずはカニのケジャンが登場し、しゃぶりつく。
歯で骨をガリガリと砕きながら、身を吸い出す感じ。
これで身も心も一気に野生化させてくれる。
“登山”の始まりだ。

続いて、エリンギのホイル焼き、バジル入りソーセージ。
蒸し豚ロースは、絶妙な火入れ具合で、
これに、3種類の薬味をつけていく。

つぶマスタードは、タスマニア産。
ヤンニョムは店の方の身内のお手製。オモニの香り。
柚子胡椒もとっても旨い。

巷の焼肉屋と違い、ここは全て焼いて出てくるので、
焼き過ぎ、焼き不足などの失敗がない。
巷の焼肉屋は、客の焼き方次第で味を大きく左右するのに比べ、
この店にはそれがない。

それが肉山登山の“遭難”なき所以だろう。

肉本来の味を、そのまま味わいつつ、
時折、3種類の薬味で、景色を変えていく。
オーストラリアの景色、
韓国の景色、
九州の景色、
自分なりに眼下に広がる景色を変えていくのが、肉山登山の醍醐味だ。


熊本あか牛のイチボは、旨いだけじゃない。
歯ごたえがいい。
脂だらけの柔らかい肉より、
こういった、歯でガシガシして旨みが出てくる肉こそ本当の肉なんだを
教えてくれる。
肉を食って野生になりながら“登山”は続く。

アスパラ焼きが出てきて、ほっとする。
軽く休憩。
この登山、いま何合目なんだろうな。

そう思っていたら、間髪入れずにカツを入れられる(笑)。
牛と豚、2種類のカツだ。
細かめのパン粉でからりと揚がり、いい感じのソースが
既にかけられている。

どこか懐かしいトンカツでありながら、しっとり感が肉を知る肉山らしい。
牛かつはレアな火入れで、巷でブームのレア牛かつを彷彿とさせるが、
ブームにびくともしない貫禄がある。

タレでいただく馬肉のヒレは、熊本は阿蘇産だという。
こうして熊本の旨いお肉が、今も東京でいただけるのは幸せなことだ。

そんな阿蘇山の景色も少しだけ見せてくれながら、
ともさんかくを、わさびで。
いい感じでお腹が満たされ、いよいよ9号目というあたりで、

カレーが登場。
半年前の予約をはじめ、あらゆる困難が、カレーをより美味しくさせるのは、
富士山頂で食べたカレーに似ている。
肉山登山のゴールのカレー。
食べきれなくて、残したカツを一切れ、ここに入れてカツカレーにしてみると、
さらに旨い。
ともさんかくも、一切れ。
旨い肉と、旨いカレーを勝手に合わせながら登頂成功。

このカレー、なんだか、磯の香りがする。
聞けば、最初に食べたケジャンの、蟹だしだそう。
なるほど。こうして、さりげなくスタート地点に“下山”している。
そんな肉山登山であった。

デートや合コン、ファミリーにおすすめ。
但し、予約は半年以上先になる。
その行動が、最初の入山とも言える(笑)


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2016-05-17

チニャーレ エノテカ(神泉)

テーマ:Foodiary★★★

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不思議な店だった。

やっと行くことができた。

チニャーレエノテカは、以前、学芸大にあった。
たった6席でなかなか予約が取れず、
そうこうしてるうちに、松見坂あたりに移転したと聞いた。

調べてみると、電話番号が不掲載。
facebookで予約を受け付けていて、
何度かメールのやりとりののち、
それがやっと叶った。

松見坂の、1本路地を入ったところ。
おしゃれな外観で、中に入ると、不思議な洋館風。
カウンターがあって、随分前からあるような、重厚感漂う調度品が並ぶ。

カウンターの中から挨拶されたシェフが、
これまた味がある方。
口ひげをたくわえ、どこか山小屋のご主人のような、
そんな雰囲気が、これまた店を、より老舗ビストロのような雰囲気に
させている。

シェフが、大きなトレーに
野菜やお肉、魚介類、あらゆる素材を載せて(写真上)
説明してくれる。
ドカンと鎮座する毛ガニが気になる。

これが今日使う素材の全てだそうだ。
ここからコースに仕上がるようだ。

メニューを見るよりも、
黒板を眺めるよりも、
素材をビジュアルで見れるのは楽しい。

番組のオープニングアバンを見るような。
いや、違う。
編集前の素材をラッシュで見るような。
いや、それも違うな。

料理が始まり、そして、さっき気になっていた毛ガニが、
わりと最初のほうの前菜で出てきた。

毛蟹のセビーチェ風(写真下)というらしいが、
これがめちゃくちゃ美味い。

セビーチェというのは、
ペルー料理の代表的な料理で、
唐辛子が効いた魚介のマリネのこと。
酸っぱ辛くて夏にはもってこい。

毛ガニの身をぼろりとほぐし、
自家製アリッサソースにつけていただくのだが、
これによりセビーチェ風、になるということなんだろう。

そのアリッサソースとは、唐辛子とニンニクのソースのことで、
これをつけると、さらに毛ガニの旨味が引き立ち、
そして暑い季節にいい。
さっぱりして白ワインも進む。

いろいろ美味しいものをいただいたのだが、
印象的だったのは、山椒のパスタ。
とろりとした手打ちパスタに、味は軽めのトマトソースがあっさりと絡み、
この時期うまい山椒がいい感じの香りと食感となっている。


不思議な時間だった。
予約が全然取れなかった6席の学芸大時代を経て、
移転してなお電話番号不掲載。

松見坂という都心でありながら、
どこか山小屋の、
知る人ぞ知る隠れ家ビストロにでも来たような印象。
今日までの苦労を含め、とても楽しかった。

デートにオススメ。

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★告知★
5月29日(日曜)16時~ 神保町EDITORYにて
ヒデコや鬼をネタにしたトークイベントやります。
逆に“結婚当然”時代~人生を謳歌するレジャー婚のススメ~
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2016-05-16

ひな鳥唐揚げ 月鳥(武蔵小山)

テーマ:Foodiary★★★

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以前、東急東横の「肉グルメ博」で食べて感動した、
「月島」のひな鳥の半身揚げが食べたい。
自由が丘の鳥の名店「とよ田」の極上の半身揚げにも似た、
黄金色のボディで、外パリの中ジューシーだった。

目黒郵便局から武蔵小山へ向かう途中の商店街。
ジャポネピッツァが人気のラローサの通り。

「月鳥」と書かれた提灯が浮かび、
店内は、ガラス越しにカウンターが見える。
右奥に4人テーブルが1つのみ。

実にこじんまりした、そしてアットホームなお店で、
地元客らしい一人客でカウンターはいっぱい。
テイクアウトも人気で、時折買いに来る。

ドリンクを頼む。
と、ビールやコーラなど、冷蔵庫からセルフで運び、
席の栓抜きで自らあけるというセルフシステム。
ホッピーは、冷蔵庫からホッピーを出して席へ運ぶと、
焼酎と氷が入ったグラスを店員さんが持ってきてくれる。

野菜サラダ。
ドレッシングが笹塚キャンティを彷彿させる美味さでいい。

鳥刺しや、ねぎまなどをつまんでで、名物の半身揚げ(写真)が
出来上がるのを待つ。
心のこりは、心臓と肝をつなぐ管で、これまた美味い。

名物ひな鳥唐揚げが登場。
これが噂の半身揚げだ。
東急で食べたのと同じ美味さ。
軟骨までバリバリ食べれてしまう。

元祖せすじ唐揚げもいい。
鳥の希少部位、首(せせり)から、首皮、はごいた、べた、あぶらつぼ、ぼんじりまで、背筋を1本まるごと揚げてある。

骨の周囲の肉を、歯でこそぎ、しゃぶりつくように食べる。
余計な味付け一切なし。
鳥本来の旨味を実にストレートに味わえる。
指についた油まで美味い(笑)
これまたホッピーが進む。

デートや一人飯にオススメ。

帰り、隣りは「ヤキタテピザ佐野」という、
これまた小さな店内で、
3人がひしめきあって立ち飲みしているのが楽しそう。
この辺りは、レトロなおもちゃ屋もあったり、
おしゃれな立石のような雰囲気。


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2016-05-15

近江ちゃんぽん亭(滋賀県彦根市)

テーマ:朝食・ランチ

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「食を通じて日本を元気に!」を合言葉に、フードジャーナリストやグルメブロガーたちがオールスターチームを結成した食べあるキング」。
その中の食材探求プロジェクトの一環で、
「ダシ」と「麺」を探求しようという企画がある日、持ち上がる。

「ダシ」と「麺」といえば、当然のことながら汁系、ラーメン系が浮かぶ。
そんな中、関西のダシ文化に注目。

関東と関西でダシが違うのは有名な話。
関西は軟水で、昆布の旨味成分を効率よく抽出されるため、うどんも蕎麦も澄んだスープなのに対し、関東の硬水は旨味成分が出にくいため、醤油を足し、黒くなる。


そして、そんな関西には関西だからこそ生まれた、
“関西風ちゃんぽん”ともいうべきメニューがあることを知る。

その名は「近江ちゃんぽん」……。

「長崎ちゃんぽん」なら知っているが、「近江ちゃんぽん」とは何なのか?
「長崎ちゃんぽん」は中華をルーツとしていて、
白濁した豚骨系スープに、コシのある太い麺(ちゃんぽん麺)が泳ぎ、
具材としては、豚肉や野菜以外に、
エビ・イカ・アサリなどの魚介類と蒲鉾などの練り物が浮かぶ。


そんな「長崎ちゃんぽん」と一線を画する「近江ちゃんぽん」。
その「ダシ」と「麺」を探るツアーへ。


やってきたのは滋賀県彦根市。
メンバーはたべあるキングのフォーリンデブはっしーをはじめ、Jaffaさんらチーム小麦。
タクシーで「近江ちゃんぽん亭まで」と告げると、
地元では超メジャーなお店のようで、道の説明は不要。
「私も大好きですよ。しょっちゅう行ってます」と笑顔。
近道までして向かってくれる。

社長にお話しを伺い、製麺工場を見学させてもらう。
麺へのこだわりに驚く。

まず、長崎の「ちゃんぽん麺」と比べ、細い。
麺職人が、その日の温度と湿度によって加水率も調整。
熟成庫で、厳重な温度と湿度の中、数日熟成させて寝かせることで、麺がうまくなるという。

いよいよ、その店内へ。
ランチ時、広い店内は、地元の人たちでほぼ満席だ。

我々もあれこれ注文。
お目当ての「近江ちゃんぽん」が登場(写真)。

具材は、一見、長崎のそれと似てるようにも思えるが、
よく見れば、長崎のような魚介類は乗らず野菜たっぷり。
地元産のキャベツやもやし、人参など。

そして「スープ」。
すくい上げると、きらきら黄金色に輝き澄んでいて、
確かに長崎の白濁系とは違う。
和風だしのいい香り。

そう、ここは京都に近い滋賀県、関西だし文化圏。
この中太の熟成麺と淡麗系のダシこそが「近江ちゃんぽん」の最大の特徴で、
スープに雑味が出ないよう最良の温度でダシを引くそうだ。

まずはスープを一口。
うん、関西らしい、カツオと昆布の上品な風味。
このあっさり系スープだからこその中太熟成麺が、実に合う。
長崎ちゃんぽんは、中華鍋で強い火力でガシガシ具材を炒めるのに対し、
こちらは炒めず、手鍋でしっとり火を入れるため、野菜香るこの風味に仕上がるのだろう。

周りの客を見ると、みんな酢を大量にかけている。
そして、酢の容器がめちゃくちゃデカイことに驚く。
酢をたっぷりかけて、さらに食が進む。
ヘルシーで美味い。
大盛りでもペロリとイケてしまうとはそういうことか。

そんな近江ちゃんぽんのルーツ「近江ちゃんぽん亭」。
その歴史は古く、発祥は1963年、彦根駅前の「麺類をかべ」。
(今も駅前本店には、その看板が記念に掲げられている)

当時その店は、うどん・そばを扱う店だった。
ある日、うどんスープに、中華麺を入れた野菜ラーメンを作ってみたら、
これが美味しくて人気に。
それが「近江ちゃんぽん」誕生のキッカケのようだ。

タクシーの運転手さんも言っていた。
子供のころから「をかべ」のちゃんぽんに親しんできて、
高校時代には学校帰りのおやつも近江ちゃんぽんだったのだと。

意外な発見の多かった近江ちゃんぽんツアー。
今回取材した「近江ちゃんぽん亭」山本社長から最新情報が!
6月17日に水道橋店が、7月7日に銀座店がオープンするとのこと。
これは楽しみだ。



IMG_9985.jpg
(酢がデカイ)

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2016-05-03

しのはら(滋賀県)

テーマ:Foodiary★★★

IMG_0031.jpg

フォーリンデブ、はっしー という男をご存知か?
肉をはじめ、あらゆるグルメに精通する。

何がいいって、その食べっぷりがいい。
彼が食べると、ひときわ美味しそうに見える。

肉のオンザライス。
誰もが美味しいことを知っている。

タレのついた餃子をライスにバウンドさせて、熱々の餃子を一口いき、
餃子のタレがしたたったコメで餃子を追いかける。

焼けた肉の焦げとテリと肉汁、
割ったコロッケから出る湯気。

これを見て、生唾を飲まない人はいない。
これが業界用語でいう「シズル感がある」というやつだ。

テレビも雑誌も、シズルを大切にする。
シズルがないと、見てもらえない。
茂木先生が言っていた。
シズルがあると、ヨダレが出てつい見てしまうのは、
心理学の「ミラーリング効果」らしい。

世にグルメレポーターは数あれど、
今、最も注目の、シズル感ある食べ方をするのが、
この男だと僕は勝手に思っている。

デブという見た目も、シズルに一役買っている。
もし彼がガリガリだったら美味そうではないだろう。
フォーリン・ガリじゃ、ダメ(笑)。

思えば石塚さんもマツコさんも彦摩呂さんも内山くんも、
美味しそうに食べる人はみな太っている。
食べたときの美味そうな笑顔は、
つねに太ることを恐れず食べてる証、幸せの顔だ。

そして、大事なのは、はっしーが、ただ肉やコメが好きで、
ハイカロリーなものばかりを食べてるわけではないというところ。

そのアンテナは実に敏感。
B級グルメから、高級感のある和食に至るまで広く精通している。

そんな彼、はっしーと僕は、「たべあるキング 」というブロガーたちのプロジェクトで、
色々ご一緒させてもらっているのだが、
彼が「日本で一番の和食」という店が滋賀県にあるというので、
その貴重な席に同行させてもらった。

滋賀県。
琵琶湖の南東、草津線というローカル線の、
三雲駅から、タクシーで15分ほど移動した、周りは山や田んぼの
実にのどかな場所にある。

一戸建て。
普通の和風な民家なのだが、
玄関を開けると、鎧兜を横に見ながら、
鉄板のあるカウンターに通される。

我々5人でいっぱいのこじんまり空間。
だがそこで、まさに篠原劇場とでも言うような、あらゆる料理と
パフォーマンスで緩急つけながら、ずっと我々を楽しませてくれる。

アワビと、ウニソースの茶そばでいきなり掴まれる。
ウニは下北半島のもの。
かすごと卵のお椀で、ほっこり落ち着かせ、
鯉と鮎という、琵琶湖ならではの食材で、独特な世界観に
引き込んでいく。

鯉の歯ごたえは、歯を跳ね返しながらもザクッと入っていく、
今までに感じたことのない食感。

近江牛とフグの白子あんかけ。
とろとろと、白子がソースとなって肉をまとう。

トリガイがすごい。
通常トリガイは、先の薄い部分を鮨屋などでいただくが、
ここは、見たことのない親指大の太さで出てくる。
聞けばこれ、通常使わないワタの部分。
ここをあえて残し、それでいて泥臭さを微塵も感じさせないのは、
ご主人の腕なのだと思う。

さらに衝撃は続く。
フォアグラとパッションフルーツを合わせる。

笹の葉鮨のもち米で胃を満足させたかと思うと、
すかさず、いい感じで焼けた猪と、花山椒の甘酢漬け(写真)。
これが、目がさめるような美味さ。

花山椒というのは、
京都の割烹などでは定番のこの時期(4~5月)ならではの素材。
記憶に残るこの香りとビリビリ痺れる感じは、
食通の間で、「合法麻薬」(笑)と言われるほど、病みつきになる。
山椒の香りがしながら、花の甘み。

これが野山をかけぬけた猪の肉と、実に合う。
野生の猪と、その山で育った花山椒は、鴨葱を超える相性だ。

料理人は、素材と会話し、そのポテンシャルを最大限に引き出すのが
仕事だという。
だとしたらこのご主人は、すごく丁寧な会話をし、
けして気取らず、素朴に、そしておしゃれに、最大限に引き出しながら、
皿の上で、また口の中で料理を完成させてくれる人だと思う。

東京から地方へ、遠路はるばる行くべきご飯屋さんが
果たして、日本に何軒あるのだろう。

この店は、その価値のある一軒だと感じながら、ギリギリで東京へ向かう新幹線の最終に、
なんとか間に合ったのだった。

デートはもちろん、接待や親孝行におすすめ。

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