鉄人と呼ばれた男が引退を口にした…







時はさかのぼり、今から約25年前の事だ。
プロレスデビューが決まり練習に明け暮れていた頃、一つの小さな記事を見つけた。


「全日本プロレスで新しい選手が誕生した…」


当時は今の様な多団体時代ではなく、「新日本プロレス」と「全日本プロレス」しか無かった時代。
記事を見ながら「あ~コイツも今年デビューなんだ」と思った。

新日本プロレスの新人はオレひとり。
全日本プロレスは三羽烏と呼ばれた「コバシケンタ」「キクチツヨシ」「キタハラコウキ」がいた。
ともに1988年デビューだ。
(あ、ついでに「タウエアキラ」も同年デビュー…笑)

業界でいうところの同期ってヤツだ。
オレは横目でコイツラを、ずっと見ていた。
羨ましくもアリ、負けてたまるかという気概もアリ…。

あっという間にスターにのし上がった鉄人。
アイツが評価を高めていた頃、
オレは人とブツかりまくり、
業界人から「こんなガキいらねぇ」と言われてたっけ…


プロレスラーらしい体格、
プロレスラーらしい試合、
プロレスラーらしいアレやコレ…


その全てを持っていた鉄人…

そんなモノを全く持っていなかったオレがこの世界で生き残る為には、
とにかく強くなるしか無かった。
しかも他人とは違う方法で、とにかく強くなるしか方法が見つからなかった。





どこの団体で何をやっても視界に入って来た鉄人。







オレはアイツとは全く違う道程を通り、業界で生きてきた。





そんな鉄人と、過去にたった一度だけシングルマッチで闘ったコトがある。
アイツが絶対王者と呼ばれた時代だ。

この試合で初披露し、今も使っているワザがある。
ロープ越しの「ぶら下がり腕十時固め」だ。
とっさに出来たワザではあるが、今もお気に入りのワザだ。


この試合、結果負けちゃったけどな。

いつかやり返してやる!…って思っていたけど、もう叶わなくなっちまった。




オレと鉄人…
同じ時代にプロレスラーとして生まれ、同じ時代を生きて来た…
同じ時代を見て来た…
しかしアイツが見るコトの無い風景を、
オレはこの先見るコトになる…




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じゃあな、鉄人!
お疲れさん、コバシケンタ!

オレは先に行くぞ…。
















何か最近考えるコトが多かったと感じた、

鈴木みのるのオフィシャルグッズショップ
「パイルドライバー」
www.piledriver.jp

大好評なジョリーロジャーシリーズファイナル「スリーパー海賊団」の会場売店分が完売になりました。もう入荷はしません。買いそびれたヤツ、そんなコト言われて欲しくなったヤツ、パイルドライバーに極少数在庫あり。「SZKG」も少なくなって来ました。最終戦の12/23には何もナイ可能性も出て来ました。会場にカレンダーでも持って行くかな? 「風になれCD」同様、嬉しい悲鳴ってヤツです…ハイ。