大和の旅(飛鳥光の回廊) | この美しき瑞穂の国

大和の旅(飛鳥光の回廊)

2010年9月18日、奈良県の興福寺、春日大社、石上神宮、大神神社、檜原神社を廻り、この日の宿がある奈良県高市郡明日香村の岡寺へ向かった。



岡寺までのアクセスは近鉄飛鳥駅からバスとのことだったが、近鉄岡寺駅から歩くことにした。


岡寺駅で下車して付近の地図を見ると、駅から岡寺までの距離は結構離れていた。そこで一応駅付近の通行人の方に岡寺までの道を聞くと、岡寺まではかなり歩くと言われた。駅名に『岡寺』と入っているのに3.3kmも離れていたのだ。しかしバス、タクシーが無かったのでやむなく歩くことにした。


この日は晴天に恵まれて日中は暑かったが、日が落ちると風が吹いて肌寒いぐらいに涼しくなった。暗くて少し肌寒い道をてくてく歩いていった。



道のりは思ったよりも長く、ひょっとしたら道を間違えたのではないか心配になり、途中でパトカーのお巡りさんをつかまえて道を訊いた。するとまだまだ先だと聞きガックリきた。この日は朝からろくに食事もせず、昼に三輪そうめんを食べたきりだったので空腹で力が出なくなり、足を引きずるようにして歩き続けた。


するとはるか先のほうに星のような明るい灯火が見えてきた。


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付近の道を歩く人々が皆灯火の方へ向かっていたので、僕も灯火に誘われて近づいてみた。


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ここは明日香村の川原寺(かわらでら)跡であり、その中心には朱雀をかたどった灯火があった。9月18日、19日に明日香村では『飛鳥光の回廊』なるイベントが開催されていたのである。

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この明日香村のイベントは事前に知らなかったので、思いがけない素敵なイベントにすっかり疲れを忘れて童心に還った。川原寺跡の向かいにある聖徳太子誕生地の橘寺も数々の灯火にいろどられていた。



まるで灯火に引かれる虫のごとく、あちこちに寄り道しながら暗い夜道を歩き続け、やっとこの日の宿付近にやってきた。

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『光』の文字を見てホッと一安心した。宿は岡寺へ向かう上り坂の途中にあった。岡寺も灯火でいろどられていたが、あまりにも空腹で疲れたので岡寺へ行く前にまずは夕食を摂り、入浴して疲れを取った。その後岡寺に向かうと、もう閉門の時間だったので岡寺の拝観は諦めた。



この日は密度の濃い旅をして疲れたが、最後にご褒美のような『飛鳥光の回廊』にすっかり癒された。


宿の部屋にはテレビが無かったので、この日は早く就寝した。


(つづく)