『桜餅』 関東“長命寺餅”と関西“道明寺餅”の違い !! | “ Ackee ” の ブログ !! (b^-゜)

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3月もそろそろ年度末が近い時期。

年度末のこの時期、何かと忙しい時期である。

今日は、この季節に相応しい話題を取り上げたいと思う。

この季節の時期の和菓子と言えば、 『うぐいす(鶯)餅』 と、

『さくら(桜)餅』 の二つが定番になっている。麗らかな春を迎えるに

相応しい和菓子である。所で、Blogをご覧になられている諸氏も

『さくら餅』 には、二つの種類がある事は皆さんご存じの事と思う。

皆様はどちらのタイプの 『さくら餅』 がお好きだろうか?

今回は、 『さくら餅』 の東西の違いや由来について、お話ししたいと思う。


【桜餅とは…。】

桜餅(さくらもち)は、桜に因んだ和菓子。

桜とは桜の葉で、餅とは餅菓子の事で、

よく知られる代表的なものは餅を葉で包んだ和菓子の一つである。

塩漬けで香る桜の葉を用いる。雛菓子の一。春の季語である。

「桜餅」 という名称が指すものは地域・人によって異なる。


【東西で違う呼び方】


『長命寺(ちょうめいじ)』

関東の名物であり長命寺桜餅とも言い表している。

関西と山陰での異なる名は長命寺餅。

関西では桜餅とは異なった物とする事もある。


『道明寺(どうみょうじ)』

関東での違う桜餅の呼び名。関東と山陰での異なる名は道明寺餅。

場合によっては「関東風」「関西風」あるいは

「江戸風」「上方風」という呼び名で区別される事もある。


『長命寺(江戸風)』

長命寺(ちょうめいじ)は、塩漬けの桜の葉を用いた、

江戸に発祥した桜餅。伝統で典型的なものの一つ。

東京隅田川の向島にこの桜餅を作り始めたといわれる同名の寺がある。

 (江戸風の桜餅、 『長命寺餅』 と云う。)


● 葉は一枚から三枚ほど用いている。


● 餅の生地は皮を焼いた物。


● 餡は濾し餡を用いている。


● 皮は多くは二つ折り、他に円筒型、殊に袱紗折りもある。


● 中身を葉で被うか皮に沿う葉で包んでいる。


● 小麦粉を水で延べて熱し固めた生地を作り、

 餡種を挟んだ生地に桜の葉を被った構成。


「つくり方」

材料は塩漬けの桜の葉、生地に使用する粉、

小豆餡。粉は小麦粉であればよいが、

白玉粉や餅粉を加えるか、

または上新粉でもよい。

これに砂糖、小麦粉に味甚粉、上南粉等を調製する。

桜の葉を水に漬けて置き、葉の塩を除く。

生地の粉を餅粉や白玉粉から少しずつ水と合わせて置く。

溶いた生地を薄く延ばして熱する。熱した後荒熱を取るように冷ます。

焼き加減は周囲の水気が取れて乾く程度に、

餅がしっとり仕上がるようにする。

小豆の餡を丸めて、焼いた皮で包む。

桜の葉を取り出し、真水で洗う。

桜の葉を餅の表に巻くようにして付ける。

色粉は粉の時点で混ぜておくと色が均等に出る。

古い作り方としては、餅を桜の葉で包み、蒸籠で蒸すのと云うものもある。


『道明寺(上方風)』

道明寺(どうみょうじ)は、道明寺粉を用い、桜の葉で包む桜餅。

京都の茶店や和菓子店でよく見られるとして京風桜餅とも呼ばれるもの。

伝統で典型的なものの一つ。大阪府藤井寺市に

材料の道明寺粉の由来にもなったという同名の寺がある。

  (上方風の桜餅、 『道明寺餅』 と云う。)


● 葉は一枚か二枚ほど用いている。


● 餅は玉状から扁平な形。


● 餅は弾力と粘りがある。


● 餅の表は粒味のある形。


● 餅を葉の筋に沿って包んでいるか両方から葉を合わせて被せている。


● 道明寺粉を蒸して餅を作り、これに餡を詰め、桜の葉に包んだ構成。


「つくり方」

材料は塩漬けの桜の葉、道明寺粉、小豆の餡。糯米を浸け置き、

水切り蒸し上げ、天日干しして乾いたら石臼などで挽いて砕く、

粒の大きさで道明寺餅の食感は変わるがこれで道明寺粉が出来る。

葉の塩は水で抜く。水を吸わせた道明寺粉を蒸し上げる。

砂糖は蒸した後で混ぜるか、水に溶いて吸わせる。

餅を平らに広げて餡を詰め形を整え、桜の葉で包む。

色粉は粉か砂糖水と混ぜる。

(上方風の 『道明寺餅』 <左>

   江戸風の 『長命寺餅』 <右> の違い。)



【桜餅の起源・歴史について】


『長命寺餅(江戸風)』

桜餅は、山本新六が隅田川の土手の桜の葉を用いて作った

のが始まりであるという。

山本新六は下総(しもうさ)国(今の千葉県)銚子に住んでいたが、

元禄4年(1691年)より長命寺で門番を務めていた。

享保2年(1717年)、江戸向島の長命寺の門前にて売り出した処、

付近の隅田堤に8代将軍徳川吉宗の台命による桜が植えられ、

花見客で賑わいお蔭で繁盛した。

寺の来参者をもてなす手製の茶菓子を作り、

桜の落葉をみて桜餅を作ることを思い付いたと云う。

露店での販売のみならず、

文化の頃までに長命寺の内に桜餅屋を構えて盛況になった様である。

明治大正期の書物『紫草』には長命寺の桜餅は、

文化(1804-1818年)年間の頃に作り始めたと記してある。


「去年甲申一年の仕込高、桜葉漬込卅壱樽、

但し一樽に凡そ二万五千枚程入、葉数〆七拾七万五千枚なり、

但し餅一に葉弐枚宛なり、此餅数〆卅八万七千五百、

一つの価四文宛……年中平均して一日の売高四貫三百五文三分宛なり」

『兎園小説』(文政八(1825)年)


兎園小説は奇聞珍説を集めた江戸後期の随筆で、

一年の仕込高が葉数七十七万五千枚、餅数三十八万七千五百とある。

江戸時代において、長命寺の桜餅は一個四文であった。

正確に現在の価格に換算することは難しいが、

米の価格から換算した場合は約63円、

大工の賃金から換算した場合は約322円である。

記録によると、製法には幾分の変化があった様である。


「近年隅田川長命寺の内にて櫻の葉を貯へ置て櫻餅とて柏餅のやうに

葛粉にて作るはしめハ粳米にて製りしがやがてかくかへたり」

『『嬉遊笑覧巻十上 飲食』(文政十三(1830)年』


上の紫草の記述では、粳米が餅米になっている。

桜餅は様々な絵画や詩文にも登場する。

二代目歌川広重画・喜翁(三代目歌川豊国)筆

「江戸自慢三十六興 向嶋堤ノ花并ニさくら餅」(元治元(1864)年)には、

桜咲く墨堤を背景に、二人の女性が竿の中心に

桜餅の袋を提げて歩く姿が描かれている。

正岡子規は長命寺境内の山本屋の二階に泊まっていた際、

「花の香を若葉にこめてかぐはしき桜の餅(もちひ)家づとにせよ」

(明治21(1888)年、七草集)という歌を詠んでいる。


『道明寺餅(上方風)』

長命寺餅が元と云われる。これと似たものには椿餅がある。



【主な分布先】


『長命寺餅(江戸風)』

関東甲信地方

東北地方(福島県、宮城県、岩手県、

青森県(旧南部藩地域)、秋田県)

静岡県、長野県、この地方は長命寺の分布の外縁部に当たる。

石川県金沢市局所で伝えられた所もある。

雲州(出雲)松江藩7代藩主・松平不昧が山陰へ江戸より

長命寺を持ち込んだと云われる。


『道明寺餅(上方風)』

近畿地方、北陸地方、中国地方、四国地方、九州地方

東北地方日本海側(山形県庄内地方、青森県津軽地方)

北海道。(北前船で北方へ伝えられた。)

関東甲信地方、静岡県(この地域では長命寺を「桜餅」と呼称し、

道明寺は「道明寺」と呼称される)。


【その他の桜餅について】


現在の「桜餅」と呼ばれるものには、

上に記したような伝統的なもの以外にも

幾つかヴァリエーションがある。


『長八さくらもち』

(長八さくらもちは、桜の葉の産地である伊豆で作られる桜餅。

米粉と餅粉で作った皮で粒餡を大福のように包んだものと、

上新粉の皮で漉し餡を二つ折りに包んだものの2種類がある。

何れも伊豆で作られた塩漬けの桜の葉を2枚用いて、

中身をほぼ完全に包んでいるのが特徴である。)


『ひとひら桜餅』

(ひとひら桜餅は、鎌倉の二つ折りの桜餅である。)


【材料について】


『桜の葉』

桜の葉は香りを移すもの、葉で包むと包んだ物の乾燥を防ぐものである。

葉がやわらかく毛が少ないオオシマザクラの葉を塩漬けにして使う。

この塩漬けの桜の葉は、全国シェアの70%ほどが

静岡県伊豆半島の松崎町で生産されている。

餅の大きさとの外観上のバランスから、関東では大きめの葉、

近畿では小さめの葉を好んで使う傾向がある。

桜餅の独特の芳香は、この桜の塩蔵葉に含まれる

香り成分のクマリンによる。桜餅は桜の葉を取り外して食べても、

そのまま食べても良いが、肝毒性を持つクマリンは食品添加物

としては認められていないので、

美味とはいえ極端に摂食し過ぎる事には注意が必要である。

なお1970年代頃から、ビニール製の人造品の葉と

クマリン以外の香料を使用した桜餅も作られている。


『餅、粉、餡について』

● 桜餅の材料の白い糯米からは白い餅が出来るが、

 桜色はもとの色でなく後から付けているものもある。


● 家庭等で材料を調えるのが難しい場合、

 糯米を硬めに炊くことでも代用される。


● 九州では糯米の炊いたもので作られる事がある。


● 道明寺粉は高価なので、

 道明寺粉を用いて作られたもののほうが高価な場合が多い。


● 最近では漉し餡を用いているが、

 かつては粒餡を関西で、漉し餡を関東で用いていた。


※…因みに、宮城県域では、江戸風の『長命寺餅』 に当るが、

最近は、流通機構の発達等により、上方風の 『道明寺餅』

増えている。

(江戸風・長命寺餅<左>と上方風・道明寺餅<右>

この季節には、日本人のこころにぴったりと合う

伝統的和菓子。)≧(´▽`)≦




JG7MER / Ackee