老後の生活に必要な資金はいくら?(1)
人が生きていくにはお金が必要で、そのお金が
いくらくらい必要なのかは年齢や家族構成や
時代背景など切り口によっていろいろな考え方
ができます。
よく言われるのは、老前の生活資金ではなく
老後の生活資金です。
なぜなら、前提として老前はお金を自ら稼いで
いる人生期間なので問題視されませんが、老後
はお金を稼いでいない人生期間だからです。
一口に「老後」と言っても、その期間を考える際
には平均余命を基準にするとか健康寿命を基
準にするなど、計算例はいくとおりもあります。
たとえば、現在60歳を迎えた方の平均余命は
男性23.14歳、女性で28.47歳らしいです。
つまり、60歳で定年を迎えた後は、男性で
約23年(=83歳)、女性は28年(=88歳)
が寿命が尽きるまでの存命期間となります。
この期間の生活資金をしっかり準備することが
必要となってきます。
では、そうした場合に老後の生活資金が実際
どれくらい必要なのか?
例として、同年齢(=60歳)夫婦というパターン
で計算してみます。
毎月の生活費は約37万円が必要(総務省)と
して、単純計算をすると男性が生きている間
(~83歳までで23年間)で約1億212万円の
生活費が必要です
(37万円×23年間×12か月=1億212万円)。
男性が83歳で死亡し、その後女性(妻)が88歳
で死亡するまで一人で生きていく生活費を仮に
37万円の7割として計算すると、88歳までの
5年間で、37万円×0.7×12か月×5年間=
1,554万円となります。
合わせて1億212+1554=1億1,766万円
となります。
約1.2億円の老後の生活資金ということです。
(ただし、これは夫婦が同年齢の場合だったとき
の計算です)
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さあ、この資金をいかにして用意するか?
・・・です。
1.2億円ものお金を用意することはもちろん
簡単なことではないと思いますし、本当に早い
段階で意図して計画を立てないと用意できない
と思います。
一つ言えるのは、これだけ全額を自分で用意す
る必要はなく、公的年金という大変ありがたい
魔法の収入口があるということです。
人は、ある一定の条件を満たせば老後を迎え
たときに年金を受け取ることができます。
現在の公的年金のモデルケース(夫が会社員、
妻が専業主婦というモデル世帯)での受取額は
夫婦で月額約23万円とされています。
夫が65歳から年金をもらい始め(=18年間)、
夫の死後は妻が遺族厚生年金(夫の老齢厚生
年金の4分の3をもらえます)を受け取る(=5年
間)とした場合、夫婦の年金受給総額はこうなり
ます(23万円×12か月×18年間+12万円
×12か月×5年間=4,968万円+720万円
=5,688万円)。
差し引き約6,078万円が不足分となります。
(1億1,766万円ー5,688万円=6,078万円)
約6,000万円の資金を不足分として見積もっ
ておくことが大切だということです。
ただし、これはあくまでも夫婦が60歳同年齢で
夫が退職して65歳から年金を受け取り83歳で
死亡、妻が88歳で死亡というシュミレーション
です。
前提条件が変われば答えも変わりますから、
完全唯一の解ではありません。
たとえばもらえる年金の金額が減る、
もらえる年金の支給時期が遅らされる、
生活必要資金が病気などでさらに必要になる、
夫婦の年齢が同じではない、
さらに長生きする・・・となれば、当然上記計算も
都度やり直すことが必要です。
シュミレーションはいくつも想定してみることが
大切で、それを考える課程でそれまで気がつか
なかったことに気づくこともあります。
上記計算では老後の必要資金は約6,000万
円となりましたが、自分の頭で自分に当てはめ
たシュミレーションをしてみることが一番大事だ
と思います。