「営業マン」はいらない。 | 株式会社スーパーワン 代表ブログ

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あと戻りはしない。だけど、現在遠回り中。

先週、WEBシステムの開発のお問い合わせを頂いた、お客様の会社に伺い、打ち合わせをして参りました。

そのスーパーの社長さん。開口一番、こう仰いました。


「あなたは、コンピュータのことが分かる方なのですか?」

と。


私は普通に

「はい、エンジニアですので、わかります」

と応えました。


社長さんは、なにやらすっかり安心した顔をされました。

システム屋に問い合わせしておいて、「コンピュータのことがわかるか」とは、いったいどういう事なのだろうと、思い、その後、社長にお伺いしたところ、こういう経緯があったのです。


スーパーの販売や生産のシステムをまかせていた、地元のシステム会社があったそうなのですが、そことはずっとトラブルが続いていたとのこと。その期間、5年だそうです。

コンピュータのこともシステムのことをほとんど知らないそのシステム会社の営業マンは、社長が要望を伝えると何でも「できます」、「おまかせください」という割に、導入されたシステムやソフトは、その要望したものとは全く別物。

それを言っても何も対応しないので、そのシステム会社の上司や代表者にクレームを付けて、担当の営業マンを変えてもらってもまったく変化なし。


後にそのシステム会社には「コンサルタント」と称する営業マンがいるだけで、システムの知識はまったくないとことがわかったそうです。システムの開発や導入、サポートやメンテナンスは、外注のエンジニアが派遣社員を束ねて、その都度行っていたのだそうです。

営業マンは、自身が売り込んでいるシステムの中身を見たこともないのです。若くてすごくやせたエンジニアが来て、導入をしにきたのだけれども、それをのぞき込む営業マンははじめて見るような様子だったので、変だなとは思っていたそうです。また、その後エンジニアが一人で来たとき、少し話しをしたら、彼もやはり派遣社員だそうで、数週間前に派遣契約しそのシステムをおぼえるように言われたのだとのこと。

システムの追加をするたびに、その都度違うエンジニアが来て、要望と違うことを伝えても、わからない、営業に話してほしいの一点張りだったそうです。それもそのはず。要望自体がなんだったのか知らない派遣社員なのですから。

どうもそのシステム会社の営業マンは、その社長の要望を聞いて提案ができるほどの知識すらなかったようです。

結局、営業マンが売りたいもの、売りやすいものを買わされていたことに気がついたものの、導入したシステムの面倒はこれからも見ていってもらわなければならないので手を切るわけにもいかず、そのまま5年が経過してしまった、というのがこれまでの経緯だそうです。


そして、今年に入って、そのシステム会社が倒産してしまったとのこと。

というわけで、いま、システムの面倒を見てくれるシステム屋を探していたところ、当社ホームページの「職人」という表現になんとなく興味を覚え、お問い合わせ頂いた、ということだったそうです。


「システム会社は、システムのことを知らない人をお客の前に出すものなのですか?」

と率直に聞かれ、

うちはそういうことはしませんが、他は知りません、としか答えようがありませんでした。


その社長、気の毒なことに、そういう困った状況を誰かに相談したいと、人から紹介されたシステムに詳しいという人や、中小企業診断士、システムアナリストなどの専門家とも会って話しをしたそうです。しかし、ずっと、誰からも「そういうものですよ」と言われ続けてきたそうです。


その話しを聞いて、私は思わず「そんなばかな!」と言ってしまいました。


確かに、一般的にシステム屋の営業マンは、SEやプログラマほどにシステムのことに詳しくはないかもしれません。しかし、お客様の要望を聞き取れる、提案できる知識やノウハウはあります。なければ、システム屋の営業マンはつとまらないと思います。


その社長も運が悪いというかなんというか、気の毒すぎます。

社長、最後に私に

「うちは営業マンは必要ありません。うちのシステムの相談ができるエンジニアを必要としています。」

とはっきり仰いました。

これまでの経緯を考えれば、そう仰られるのも当然ですよね。


エンジニアが、エンジニアのスキルとノウハウを、お客様のために存分に発揮できると、喜ばれる良い仕事ができることは私も理解しています。しかし、そのための道筋は簡単ではありません。

お客様のためにとがんばっても、時に空回りし、時に理解されず、なかなかうまくはいきません。伝える技術、聞く技術、手順の技術などなど、様々な「見えない技術」を習得していかねば、思いだけではうまくいきません。

ちゃんとやればやるほど、大変な仕事です。


だから、営業マンとしてはそういう部分には極力タッチしたくないと思う気持ちもわからなくはありません。

けれどもやはり、システム屋はプロです。プロでなければ存在意義はありません。


社長の身につまされる話しでしたが、

さて。当社としてはどうしたものか。

導入したシステムのマニュアルなどがほとんどなく、これまでの経緯も全く書面で残っていない状況です。

様々なメーカーのシステムが混在しており、どこがどう繋がっているのか、繋がってないのかもわかりません。

しかも、週に2,3度、センター的な機能を持つシステムが止まってしまうそうです。

システムにはこれまで累積で約4千万円かけているということなので、これを生かさないわけにもいきません。


これは一筋縄ではいきません。

そのスーパーもこの不況下で売上げが少し下がっているとのこと。ここでまたさらにシステム関係に資金を投入するのも、なかなか難しいでしょう。


最近、こういうケースが多いように思います。システムの導入や運用に問題をかかえていてその解決を依頼されるケースが今月だけでも3件にもなっています。

こちらにとっては、かなりリスキーなお仕事ですが、やりがいはあります。経験がものを言う世界なので、ベテランスタッフにはうってつけではあります。が、やはりリスクが高すぎます。現況調査をするだけでも、かなりの苦労を強いられるでしょう。


今、こういったケースを上手に対策できる方法を考えています。

おそらく、弊社スタッフとフリーランスのネットワークによる「総掛かり力」がうまく発動できれば、なんとかできそうな気がします。

いずれにしろ、少しずつ、じんわりと対応してゆくしかないと思っています。そこはお客様にも理解して頂こうと思います。



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