コピー商品!?
のっけから「コピー商品」というタイトルで、驚かせてしまいますが・・・
昨日、東京の立川からいらしたという60歳の女性のお話です。
入ってくるなり、目が爛々と輝いて ひとつひとつの商品を食い入るように見ています。
これは、只者ではないぞ(笑)・・・と私は「何かもの作りしていらっしゃいますか?」訊ねてみました。
たいてい、このような年代の女性はパッチワークだとか趣味の世界に没頭していたりして、うちのような和物の手づくりものに興味を抱いて下さいます。
その女性の返事は「趣味ではなく、私も手づくりもののお店をやっているのよ」という事
なるほど・・・食い入るように見る訳ですね。
しばらく、話し込んだ後 祭り財布と紐結びのストラップをお買い求め「参考にさせてもらうわ」
・・・つまり、この商品をコピーさせてもらって自分でも作ってみるという事を大胆に告知したのです。
なんと、気持ちのいいことか。その歯切れのよい言葉に、思わず私も 出し惜しみせず紐結びまで披露してしまいました。
実は、このように 参考商品をサンプルとして買い求め コピーするというのは、あらゆる業界でよくやることなんですよね。そのような場合、正確にいうと犯罪ですからね。罪悪感があるのでこっそり買い求め、さりげなく商品にしてしまう事が多いのだと思います。商標など登録されているものは保護されているので裁判沙汰になる事だってありますからね。本来であれば、コピー商品のすすめなんてしちゃいけない事なのですけどね(;^_^A
遠い昔、こんな事がありました。
私がアパレルでグラフィックの仕事をしていた頃、
テレビで「ねるとん紅鯨團」という番組の最後にとんねるずショップから視聴者プレゼントとして画面に現れたTシャツが、なんと、なんと・・・私のデザインしたTシャツ・・・ブランド名だけが入れ替わっていました。
???意味がわからず、呆然としたのです。私のデザインがなぜ、とんねるずショップなのか?
とんねるずショップから、仕事の依頼も来ていないし、私のデザインしたTシャツはすでにバツクラブというブランドで販売されていました。
考えたら、テレビで視聴者プレゼントになるTシャツの方が露出度が高いし、とんねるずの方が有名だし・・・
あ~ やられた!
次の日、その悔しさを先輩にぶつけると
「何言ってんの。やったじゃない!おめでとう。コピーされるデザインをできるようになれたなんて、すばらしい事だわよ」と返ってきた言葉に
コピーされる商品は、世間から認められた商品という事に気づいたのは、その時・・・もう20年も前の出来事でした。