ずっと気になっていた映画です。予告編から重そうでなかなか手が出なかったけど、やっと鑑賞しました。少々ネタバレあります。
原題『２１ GRAMS』２００３年アメリカ作品。
【あらすじ】余命一ヶ月と宣告され、心臓移植を待ちわびる大学教授のポール（ショーン・ペン）。それを知った妻は、彼が死ぬ前に子供が欲しいと申し出てくる。昔はヤクザな生活をしていた前科者のジャック（ベニチオ・デル・トロ）。今は改心し信仰に篤く、クジで当たったトラックも神からの授かり物と信じ、貧しくも懸命に働きながら妻と２人の娘を養っている。かつてドラッグに溺れていたクリスティーナ（ナオミ・ワッツ）。今ではその依存も絶ち、優しい夫と２人の娘と共に幸せに暮らしていた。そんな出会うはずのない３人の運命が、ある事故をきっかけに交わり、思いもよらぬ結末へと導かれていくのだった…。（allcinemaONLINEより引用）
命が消える時に人は２１グラムだけ軽くなる…。２年連続オスカー監督のアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥが描く重厚な人間ドラマです。
交通事故で家族を奪われた女・クリスティーナ、事故を起こした男・ジャック、心臓移植をうけた男・ポール。何の関係もなかった３人の運命が絡み合い、大きく変わっていきます。
序盤から時系列がころころ変わるけれど、少しずつ物語の繋がりが見えてきます。進めば進むほど心は鷲掴みにされると同時に、登場人物それぞれの苦しみに向き合うのがつらかった…。
まず、ジャックのようにドナーの家族はどうしてるか、事故を起こしたのは誰か、そんなことまで調べるだろうかという疑問は残ります。ただドナーが誰なのかは知りたいかもしれませんが。
ひとつの事件・事故で人の命が奪われる…。テレビや新聞で情報を得ることになる私たちは「かわいそうに」という思いはあっても、単なる傍観者で、また普通の生活に戻るけれど、当事者の方にとっては世界が１８０度変わってしまう出来事で…。でも、それが自分にもいつ降りかかるか分からないということは頭のどこかにはあって。そんなことはないに越したことはないんですが。映画の中で何度か出てくる台詞、「それでも人生は続く」が頭から離れません。どんな悲しいことがあっても、残された者は生きていくしかないんですね。
移植をした人にドナーの性格や嗜好が似てくるという再現ＶＴＲをテレビで観たことがあるけど、ジャックの行動はそんなのも関係あるのかなぁと考えながら観てました。
クリスティーナを演じるナオミ・ワッツが美しい裸体を披露していますが、それ以上に演技が素晴らしい。ショーン・ペンとベニチオ・デル・トロは２人ともちょっぴり苦手な俳優さんだけど、それぞれの立場を演じきっていて、これからはもっと２人の映画を観たいと思わせてくれました。
脇を固めるシャルロット・ゲインズブール、メリッサ・レオも妻として、女としての幸せを求める姿が印象に残ります。
とても重い映画ですが、人として誰もが持ち合わせている善悪や、生きる意味など、語彙力のない自分には言い表せないような何かが詰まった作品でした。観て良かったです。
（画像はすべてお借りしました）
今日は思い立って、午前十時の映画祭７で上映されてる『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を観ようと思ったんです。ＨＰで確認したときはまだ座席に余裕があったので、時間がないし映画館に着いてからチケット購入でいいかと出掛けたんですが… 何と到着してみたら“完売”の文字が！ プレミア・スクリーンの上映だから座席が少ないんですよね。
せっかく来たのだから何か観ようかとも思いましたが、ショックが大きくて他の映画を観る気になれず、駐車場代１００円也を払って帰ってきました（笑） もっと早くチケット取るべきだったと思うでしょ。でも私は体調が悪くなったら…とか考えて直前にしかチケット買えない人なんです。これからはもう少し早く購入しようと思います。
明後日までの上映ですが、仕事があるし、もう観る機会がないと思うと余計に悔しいけど、またの機会に。