アメリカのテスラ社が低コストのバッテリーパックを発表し、最近の話題になっています。確かにずいぶん安いなと言う印象を受けますが、これにどれぐらいの価値があるのか考えておきたいと思います。
まず私が持っている情報は次の通りです。(元記事:ロイター
)
l 設置業者向けの価格で10kWhのモデルが3500$、7kWhのモデルが3000$(インバーターや設置費用は除く)。
どのようなバッテリーを使っているのか、寿命や充放電効率、保守などについての情報はありませんので、鉛バッテリーと同様と仮定しておきます。写真を見ていると違うような気もしますが。
まずこの製品自体の価格はどうでしょうか。
10kWhというのは12Vで833Ahになりますから、100Ahバッテリーが8 – 9台になります。自動車バッテリーは60Ahぐらいですから、100Ahはそれより倍近く大きくなります。またこのような持続的な電源用途は、自動車バッテリーより耐久性の強いディープサイクル用と言うものを使うので、価格が倍ほどになります。従って、バッテリーだけでも30-40万円ぐらいにはなると見られます。
これにコントローラ、ケースなどを含めると3500$というのはやはり安いと思います。鉛バッテリーでは到達可能な価格帯ですが、普通の鉛バッテリーで作ると寿命が短くて商品価値が無いので、これは鉛バッテリーではないのかなと言う気もします。いずれにせよ、これまでバッテリーパックでこのようなものはほとんど無く、あっても100万円ぐらいしていたかもしれません。
さて、これにどのような利用価値があるか、と言うことですが・・・・、
バッテリー自体は電気を生み出さないので、商用電源や太陽発電などと組み合わせて使うことになります。従って使える電気のコストは元の商用電源や太陽光発電より高くなるのは当然です。また鉛バッテリーだと考えると寿命は10年も持たないでしょう。
デメリットがあることは確かです。
しかし、バッテリーがこれぐらいの価格で入手できるようになると、「安い深夜電力を使い回す」、「電力会社から独立したい」、「停電対策したい」などいろいろな付加価値での利用が考えられます。
次回はもう少しこのような付加価値とコストについて考えたいと思います。
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