我思う、ゆえに我あり −東日本大震災と子どもの甲状腺− | 甲状腺がんの歩き方

甲状腺がんの歩き方

31歳7ヶ月で発覚した甲状腺がん。
現在までの経過や傷隠しの方法、同病の友人達との交友録etc...を
クールでポップで時にファニーに書き綴っています。
病気が発覚した時、不安を解消してもらい希望をもらった先輩達のブログ。
願わくば自分も微力ながら誰かの道標に:-)

東日本大震災から今日で丸3年。
ここ数日は新聞、テレビ、インターネットなどを通じて、現在の東北地方について見聞きする機会も増えました。

その中でやはり気になるのは「子どもの甲状腺がん」の事。
私もこの一年で何冊か本を読んだり関連するテレビ番組を見たり、常に気にかけてきました。

チェルノブイリでは事故後4~5年から顕著に増加しているとの事ですが、福島は今、3年。
いまだに原発事故と子どもの甲状腺がん発症の因果関係については「影響は考えにくい」という曖昧なものでヤキモキしますが、日本国内で前例がないだけにハッキリとした事が言えないのはしょうがないのかなぁと思います。

先日、朝日新聞に「子の甲状腺 募る不安」と題した全面記事が掲載されていました。
その中で気になったのが「甲状腺がんは『早期発見・早期治療』が患者のメリットになるとは限らない」という記述。
甲状腺がんの緩やかな進行と、術後のQOLを考えると……って事みたいですね。
ある部分では頷けるのですが、でも、まず「見つかる」という事が重要だと思うんですよね。
私の場合、見つからなくて進行しちゃったわけだから(=“=;

めっちゃ早期で見つかって経過観察をしながら手術の時期を考えたとしても、まだ早期の段階で手術ができると思うし。
だから「早期治療」はともかく「早期発見」はやっぱりメリットだと個人的には思います。

甲状腺を全摘したら甲状腺ホルモン剤を一生服用しなければいけないし。
身体的にも経済的にも負担は少ないとはいえ、一生お薬の生活はリスキーだと思います。
私が今、一番コワイのは、なんらかの理由でお薬が手に入らなくなる事。
今回の震災でもチラーヂンを製造しているいわき市の工場が被災して、一時供給薄になったと聞きました。
それに、薬を服用しているという事が足枷になる場合が少なからずあると思います。
友人が青年海外協力隊に応募したという話を聞いて、何気なくホームページを見てみましたが、募集要項を見る限り……難しそう(="=;

傷だって大きいより小さい方がいいはずです。
見た目には少しずつ薄くなるけど、側頸部のリンパまで廓清すると違和感はかなり残ります。
ある程度は慣れるとはいえ、違和感は少ない方がいいに決まってる(="=)

それと、これはあくまで個人的な感覚ですが、I-131による放射線内照射(アイソトープ治療)はものすごく複雑な気分にさせられました。
福島第一原発事故以降、放射線というものに敏感になっている人が少なからずいます。
そういう人達にとっては、病気の治療とはいえ近づきたくない存在になるのかなぁ……と。

昨年、職場の慰安旅行先を決める時に「福島」を挙げたら、露骨に嫌がる人がいました(="=)
私としては決して軽い気持ちで挙げたわけではなく、色々想いがあっての事だったんですが。
すごく悲しい気持ちになりましたよね。

私のガンは事故とはまるっきり無関係なのでモヤモヤするのは勝手なんですが、ガンの原因が原発事故の影響を否定できない人だったとしたら、自分を病気にした放射線で病気を治そうとしてる事実や、その事で短期間でも自身が放射線を発している事実にどんな思いがするだろうと。

原発事故の影響がハッキリしない今、継続的に検査を受ける事が最善策なのかなと思います。
起こってしまった事は変えようがないから、せめて一番いい方向に進むように。
そうなる事を願っています。

最後に、先日見た報道番組にクリエイティブディレクター&猪苗代湖ズメンバーの箭内道彦さんが出てて、印象に残った発言があったので紹介します。
ちなみに、箭内さんは私が昨年3月に行った「風とロック LIVE福島 CARAVAN日本」の発起人です。
>福島 meets 神戸 -風とロック LIVE福島 CARAVAN日本-

風評というものがどうやって生まれるのかという事について、

「(福島県産のものを)食べる人、食べない人、どっちもいてもいいと思うけれど、食べない人が食べる人に食べちゃダメだという風には言わなくてもいいんじゃないかと思う。」

と言われていました。

放射線に対する意識ってホント、人それぞれなんですよね。
気にする人はめちゃくちゃ気にするし、気にしない人は全然気にしないし。
そして、そのどれもを否定できないのが放射線の怖さなんだと思いました。
そんな中、忘れちゃいけないのは自分の考えの押しつけが風評被害の拡大に繋がる可能性がある事だと思います。
ブログやSNSでも無意識にそういう事、やっちゃってるかもしれません。
気をつけましょうね(=∀=)/