セヴァン・スズキ来日記者会見、終了!

12歳のときリオサミットで伝説のスピーチをしてから22年。久しぶりに再会したセヴァンは2人の男の子の母になり、優しさと希望を身にまとった本当に素敵な女性になっていました。
(通訳させてもらえた私は、光栄の極みにあります♩)




結婚して、ハイダ民族の小さなコミュニティーに暮らすセヴァン。
人口4500人の村に移住して、都会は便利だけれど、同時に土、食、人、すべての繋がりを絶つことを選んだ場所でもあるということに気がついたそうです。

家族で一年中、海や森、土と繋がり、その恵みをいただく暮らし。二月には海藻を、三月は子持ち昆布を家族総出で収穫して、感謝する暮らし。父親がそうしてきたように、父親の父親がそうしてきたように、千年前と同じ日々の中から、おのずと生命の繋がりに目が向くようになる暮らし。子どもからお年寄りまでが断絶されていないコミュニティー。そんな毎日からなら、どんなお説教よりも大事なことが子どもたちに伝わるんだろうな。

エネルギーパラダイムのシフトを目指して環境活動家として今も大活躍中でありながら、母としてのセヴァンは徹底的にローカルに生きている。最高の語り手でありながら、実践者でもある。
同じ母としてまぶしいし、羨ましいし、なにより、なんだか心強いと思いました。





昨晩のカフェスローイベントではそんなセヴァンの今の想いを語る40分のスピーチをしてもらいました。その中から印象的だった部分を抜粋。


「20年間で何が変わったかって?12歳の私は、想いを政治のリーダーに伝えれば世界が変わると信じていました。でもこの20年間で世界を動かす背後にある力が変わった。権力の実質は政府から大企業へと移った。政治のリーダーも経済成長から逃れることができない。自由に発言し、動くことができないシステムができあがった。だから今変化を生むことができるのは政府ではなく"普通の人たち"の意思なんです」

「人は莫大なお金をかけて、安い化石燃料に依存することでしか成り立たない構造を作り上げました。気候変動が大変だと科学者に言われるまでもなく、度重なる異常気象を私たち自身が感じるようになっている。今はもう「何が」問題かを話している場合じゃない。既存のエネルギーパラダイムを「どう」変えるか。そこが問題なんです」

「それって政治のリーダーや国連の仕事じゃない?私も12歳のときはそう思っていました。でも今は大企業の利益が国家収入を上回る時代。企業は市民に対して責任がないんです。株主と利益にのみ責任を持つ企業が、政治に対して持つ影響力の大きいこと!政府はすでに、正義と民主主義を失いました。それは日本やカナダだけの話じゃない。世界中の政府崩壊の危機を、Rio+20で感じたんです。

そんな時代に私たちにできることは何でしょうか?「家の電気をLEDに変える」?
いいえ、これは何より大事な子どもたちの未来の話です。
私たちにはもっともっと、できることがあるはず。

より多くより早くを目指す経済活動を基盤に、人は社会を作ってきました。利益を求める力は圧倒的です。でも同時に、それに負けないくらい強く、古くから、私たちの社会形成に影響している力があるのを忘れてはいけません。それは、愛の力。子どもを、家族を、友人を、地域を愛す力を、私たちの誰もが持っています。あなたが誰かの母親なら、娘なら、父親なら、息子なら、必ずその力を知っているはずなんです。






草の根の人々の愛の力が世界を変えるなんて、そんな希望は持てないって?

希望は確かにあります。政治がリーダーシップをとることができなかったこの20年間、草の根のリーダーシップとネットワークは広がり続けている。

ベルギーには自動車よりも自転車が多い町がある。ブラジルのパルマス銀行は地域通貨で町の経済を活性化させている。トランジション運動はとどまるところを知らないし、ブリストルの市長は給与を地域通貨で受け取っている。私の故郷、バンクーバーでは都市農業で育った有機野菜を食べることが若者の間で大流行中。世界中の人々が、大量生産と消費に代わる「本当の豊かさ」を考え、実践しはじめているんです。

What seems impossible today should never limit our imagining of the future. Being hopeful is different from being naive. Hope is the roadmap to something different.
未来は誰にもわからない。今日不可能だからといって、未来を想像する力を制限してはいけないと思う。希望を持つことは、ナイーブでいることとは違います。希望は変化へのエネルギー。変化を起こすためのロードマップなんです。私たちは今、皆で一緒に、恐れ知らずなほどに、希望を持ち続けなくちゃ!」






最後に、セヴァンが思い出したように話したこんな言葉が、実はいちばん印象に残りました。

「数日前、家族みんなでそろって、みんなで笑っていて、ああ、いまが完璧だと思うような瞬間があったの。そのときに思ったこと。人はいつか幸せになりたい、いつか完璧な状況を迎えたいとゴールを目指しがち。だけど、人生はそんな風にできていないことが、私も大人になってからわかってきた。

世界は、日々の中にある、あっという間に過ぎ去る小さな幸せや完璧な瞬間に満ちた場所なんだと思う。今ここにある小さな幸せの瞬間に感謝して、それを丁寧に重ねていくことこそが、本当に豊かな人生なんだよね、きっと」



国境を超えて共感できるママ仲間がいるって、勇気もらえます。
セヴァンに出会えて、よかった!


さてさて、今週末のLove is the Movement FES & Market @ショクヤボ農園、すでにご予約者だけで親子あわせて450人超えになっているそう。ちゃんと晴れてくれるか、そして大きな谷戸とはいえ、導線が混乱しないかとヒヤヒヤしながらですが…。

大好きなセヴァンを大好きな湘南の里山に迎え、1日遊ぶぞ~!