しつもん。


にほんは、国のお金5億円で捕鯨をしているので、

国営だそうですが、5億円で船の維持費やガソリン代、

乗組員のお給料を払って、何匹のくじらをとって、いくらで売っていて、

採算がとれているのですか。


どういう内訳なのか、水産庁のくじらがかりの人、教えてください。


                                 マエキタミヤコさんのブログ「サステナ日記 」より





先月、グリーンピースジャパンのスタッフは

調査捕鯨船「日新丸」の乗組員が「調査捕鯨」のために捕獲したはずのクジラの肉を

自宅に宅急便で送っていたことを告発した。


その量、ひとりあたり市場価格10万円~35万円×4箱。

乗組員12人分が各自受け取っているから、合計47箱。


税金で調査のために捕獲したクジラを個人的に「業務上横領」したという大スキャンダルだった。





それが一転、担当者の佐藤さんが、先週、窃盗と建造物侵入容疑で逮捕された。

そのうちの段ボール箱1箱を「盗んだ」疑いということで。


私も何度か会ってお世話になったことがある、

若くて、聡明で、素敵な佐藤さんが「逮捕」されたことにまずショックを受けたのだけど、

この映像を見て、さらにめまいがするくらいの怖さを感じた。






●TBSニュースi - 「グリーンピース」メンバー2人を逮捕

http://news.tbs.co.jp/20080620/newseye/tbs_newseye3881673.html







日本、やばくない?

論点、ズレすぎじゃない?



怖いのは、この報道が「リーク」で演出されていたこと。


6月20日の午後1時の段階では、担当者たちですら不起訴確定を知らされていなかったのに、

この日の朝のリーク情報で日本のあらゆるマスコミが集まって、その情報を根拠に動いて、

結果としてはっきりと「グリーンピースが悪い」というような世論操作を行ってしまったこと。


私も何度も訪れたことがある平和的で、非暴力的で、

楽しい人たちがたくさんいる環境NGOの入り口を囲むすごいカメラの砲列。




これじゃあ、なにがそもそも問題だったのか、完全にわからなくなっちゃってるじゃん。

日本のジャーナリズム、大丈夫???





もちろん、直接的に捕鯨に反対する実力行使派のNGOもある。

でもグリーンピースはそういう行動とはつねに一線を画し、

完全非暴力でこの活動に携わってきたというのに

一緒くたにされちゃってる。


6月20日の産経新聞の報道 なんかもうひどくて、記事の最後に

なぜかグリーンピースとはまったく関係のない実力行使派の反捕鯨団体を取り上げ、

さらになぜか7月のG8にむけたNGO政策提言の取り組みである「NGOフォーラム 」に触れ、

「去年のドイツ・ハイリンゲンダムサミットでも一部NGOは暴徒化したから、

今年も政府はこうした動きに注視している」的なノリでしめくくっている。



って、コラー!!!

なんでもかんでも一緒にするなー!!!







グリーンピースジャパン事務局長の星川さんは作家であり、翻訳家でもある。

私に「ホクレア」や北米・イロコイ連邦の素敵な物語を紹介してくださった憧れの文化人の1人だ。

以前は屋久島で半自給的な暮らしをしていて、今は鎌倉に住んでいる。

チャーミングで、スローで、とてもあったかい人。


その星川さんの自宅も家宅捜索を受けたって。


星川さんは、どう考えても「穏健派」の「環境活動家」だ。

ピースボートで平和と環境の「活動家」のはしくれとして生きている私としては、

「活動家」=「過激派」的な旧来型の報道には本当に悲しくなる。


星川さんや佐藤さんを含めてグリーンピース全体を過激派呼ばわりできるなんて、

いのちを守るために仕事をしている人たちをこんな風に批判できるなんて、

日本社会はちょっとおかしくなっちゃってるんじゃない?


すごく怖くなった。




そうはいっても、

「正義のためならなんでもしていいの?目的が何であれ、盗みはよくないでしょう!」

という人はきっといる。


でも、運送会社には多大な迷惑をかけたこと、

段ボール箱を持ち出したことについては佐藤さんたちも当初からオープンに認めていて、

証拠として拝借した箱は東京地検に任意提出していたんです。

だから、証拠隠滅や逃亡の可能性はもちろんゼロ。


星川さんたちは、スタッフが逮捕された今だって、

家宅捜索を受けてパソコン数台とたくさんの資料を没収された今だって、

東京地検や関係各所に不正究明のための事実提供を続けている。



一方、「業務上横領」容疑で告発された乗組員は不起訴処分。

鯨肉は船会社が慰労の意味で「おみやげ」として乗組員に配っていたもので、横領には当たらないんだって。

持ち出された箱(ひとつ)に入っていた23kgの鯨肉は市場価格で10万円~35万円相当。

12人の乗組員が発送した荷物は全部で47個。


23kg×47個×10万円~35万円相当?

「おみやげ」にしては量が多いし、高すぎない?





・・・こういうドロドロを追求していたらキリがないし、

私は調査捕鯨の専門家でも探偵でもないから、もうやめます。



でも、私だって

日本がこれまで20年間で100億円の「税金」を投入して

調査捕鯨の名目で1000頭の鯨を殺していることは知っている。



「調査」が行われているのは国際的に鯨を保護しようと約束した海域に近かったりして、

それなのに「調査」の結果として国際的に評価されるような科学的実績を残していなかったりするから、

日本の「捕鯨」がたくさんの海外メディアや環境団体から批判され続けてきたことも、肌で感じている。






だから、論点をそらさないでください。


ほんとうの泥棒は誰なのか、みんなに見えるようにしてください。


星川さんや佐藤さんのような素敵な人たちを「過激派」みたいに言わないでください。


なにより、


ただ「いのち」を守るために活動してきた佐藤さんを、早く釈放してください。



お願いします。





●ぜひ見てください


サステナのマエキタさんをはじめとするたくさんの人たちが、

「で、ホントのところはどーなのよ、調査捕鯨」というサイトを立ち上げました。

http://kujiragp.jugem.jp/



●協力してください


佐藤潤一さんと鈴木徹さんの即時釈放をもとめる福田首相と高村外相に宛てた手紙への

世界のひとびとからの署名は、開始後72時間で10万通近くにのぼり、

世界28カ国の日本大使館に送られています。 


署名はココカラ: 

http://www.greenpeace.org/international/news/activists-arrested-200608