4月14日(木)より開幕したFUKAIPRODUCE羽衣「イトイーランド」。
前半日程が終了し、今日の休演日を挟んで後半日程に突入します。

私は16日(土)夜に1回目の観賞に伺いました。

今回は観劇後ずっと上手く言葉がまとまりませんでした。
なので、あえて文の体裁を意識せず、開き直って「自分の感じたまま」を書きたいと思います。


(写真:公演パンフレット表紙)

2014年の「耳のトンネル」再演で初めて羽衣の世界に触れ、以降2014年「よるべナイター」(再演)、2015年「アンデルセン童話集」と観劇を重ねてきました。

私自身は、性的表現がかなり苦手です。愛欲をどストレートに歌い叫ぶ羽衣の作風には本来相容れないものがあるのかもしれません。
ですが、羽衣に関してはどの作品でも感涙してきたため、今作でもそのつもりで手元にタオルハンカチを待機させて観劇しました。

結果として、ハンカチを使った場面は1ヶ所しかありませんでした。

その場面も、恐らく他の人は絶対に泣かないどころか笑い転げる場面です。
ここについては私だけの感覚なので、別に項目を分けようかなと思っています。(書かないかもしれません。予定は未定です💦)

正直なところ、作品全体には物足りなさを感じました。
そう感じた要因の1つは「柱の物語(語り部)が無いための散漫さ」かなと思います。

「耳のトンネル」では、一人の男性の一生が物語の主軸になっていました。
その男性の一生を、晩年にパートナーになった女性の視点で振り返っていきます。(=語り部の存在)

また「アンデルセン童話集」では「アンデルセンとお月様が夜更けにお話を語り合う」というのが主軸になっていました。

どちらの場合も明確な「語り部」がいたため、途中で横道に反れても、語り部が出てきた所で主軸の話に意識を戻す事ができました。

今回の「イトイーランド」では、その語り部や主軸がどこにあるのかが分かりませんでした。

正確に言うと、その役割に相当するのは岡森諦さん&伊藤昌子さんペアと、日高啓介さん&鯉和鮎美さんペアかなと感じました。
ただしどちらも決定的な語り部ではないので、作品全体としては筋の通った所がなく、宙ぶらりんで散漫な印象を受けてしまいました。

場面ごとに区切ると好きなところもあります。
大鶴佐助さん&新部聖子さんペアの場面は、私の好みには一番はまった演出でした。
一幕ラストの全員集合場面も作品のハイライトとして盛り上がります。
楽曲では「Falling in love with the Earth」の歌詞がとても響きました。

完成されたものを一方的に流して終わる映像作品と違い、舞台は公演中日々進化します。
個々の観客の好みはもちろん、同じ人でも観賞時のモチベーションによって感じ方は全く異なってくると思います。
今週末には2回目の観賞予定なので、そこでまた違うものを感じられればと思います。