小学生の頃、毎月『少年少女 世界の名作文学』という本が一冊づつ届いていました。


本好きの父が、定期で購入してくれて、毎月、毎月届く本が楽しみでした。


小公子  レ・ミゼラブル  若草物語  三銃士  車輪の下  赤毛のアン etc…


夢中で読みましたが、どうしても頭に入らなかったのが「ファーブル昆虫記」。


でもせっかく買ってくれたのだし…と文字だけ追っていました。



教室に『学級文庫』というのがあり、各自が本を持ち寄り貸し出すのです。


私が借りたのは、サトウハチロウの『おかあさん』。 ちょっと気になっていたハルオ君の本だったから!


ハルオ君が触った。それだけで、ワクワクでした。 


口の中に2本指を入れ、左右に引っ張りながら『学級文庫』と言うと


学級ウンコになります。 弟にそれを言わせてからかっていました。

今さらですがごめんね。



山形の実家へ帰ったとき『走れメロス』の本を見つけ、読み返してみました。



Le Muguet ~すずらんへ想いをのせて~-090719_155429.JPG

友の命を救うためにひたすら走り続けるメロスの姿に、


当時、ドキドキしながら手に汗にぎり読みました。その興奮ははっきりと覚えています。


文章の所々に鉛筆で線が引いてあります。


「人の心は、あてにならない。人間は、もともと私欲のかたまりさ。」


「一番嫌いなものは、人を疑うことと、それから、うそをつくことだ。」


「友と友のあいだの信実は、この世でいちばん誇るべき宝なのだ。」


中々、渋いところに線が引いてあります。


当時小学生だった私は、何か悩んでいたのでしょうか…?


今 読み返し、あの時のようにドキドキしたり、興奮することのない自分が


少し寂しくもあり…