【ニューヨーク26日時事】26日の米株式市場は、原油高騰でインフレ懸念が一段と強まったことに加え、金融機関の業績悪化予想が相次いだために信用不安が増幅され、急落した。ダウ工業株30種平均は前日終値比358.41ドル安の1万1453.42ドルと、2006年9月以来、約1年9カ月ぶりの安値で引けた。下落幅は今年3番目の大きさだった。ハイテク株中心のナスダック総合指数も79.89ポイント安の2321.37とほぼ2カ月ぶりの低水準で取引を終えた。
 ニューヨーク証券取引所の出来高は前日比1億3576万株増の15億3524万株。
 米連邦公開市場委員会(FOMC)は前日、昨年9月からの連続利下げを停止したが、発表した声明文を眺めて早期利上げ観測が後退したため外国為替市場でドル売りが加速。ドル建てで取引される原油先物相場が史上初めて1バレル=140ドルの大台を突破すると、インフレ警戒が改めて強まり、株価の下押し圧力となった。
 また、米証券大手ゴールドマン・サックスが、シティグループとメリルリンチは今年4―6月期も低所得者向け高金利型(サブプライム)住宅ローン関連の評価損が足かせとなり、連続赤字決算に陥るとの見通しを発表。「地域銀行を含めた金融機関全体の業績不安が広がった」(中堅証券)ため、金融株が相場の下げを主導。
 このほか、ゴールドマンによる米自動車最大手ゼネラル・モーターズ(GM)の投資判断引き下げを受けて、同社株が10%超も下落するなど、ダウ工業株30種は全面安。ハイテク関連も、カナダの移動体通信機器大手リサーチ・イン・モーションが前日、市場予想を下回る3―5月期決算を発表したことなどが嫌気された